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【気まぐれ写真館】 曇り空のキャンパス 2017.05.24


週刊新潮で、週刊文春「中吊り広告」問題についてコメント

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25日(木)発売の「週刊新潮」6月1日号で、週刊文春「中吊り広告」問題についてコメントしています。

「中吊り広告」不法入手に頬被り!
「文春砲」汚れた銃弾 第2弾
たとえばカンニング発覚の受験生が、カンニングペーパーを握りしめながら、「不正はない」と強弁するようなものか。「週刊新潮」の中吊り広告を盗み見していた事実には何ら答えず、ただ「これからも独自スクープをお届けする」と嘯いた「週刊文春」編集長。しかし、彼は一連の不正行為について、部内ではこう説明していた。「この話は古い。
10年以上前から始まっている」と……

「文春」盗み見問題「私はこう考える」
▼池上 彰 ジャーナリスト「週刊文春はずるい」

▼佐藤 優 作家・元外務省主任分析官「編集長のコメントは答えになっていない」

▼宮崎 緑 千葉商科大学教授「私の中傷記事と根は同じ」

▼屋山太郎 政治評論家「他人を叩く資格がない」

▼田島泰彦 上智大学教授「自浄作用が働かない」

▼大谷昭宏 ジャーナリスト「週刊誌の自殺行為」

▼中森明夫 コラムニスト「越えてはいけない一線を越えた」

▼碓井広義 上智大学教授「盗人猛々しい」

▼田中健五 元文藝春秋社長・元「週刊文春」編集長「傲りはなかったか」

(週刊新潮 2017年6月1日号 目次より)

「あなそれ」 東出の“壊れっぷり”と“追い詰め方”

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日刊ゲンダイに連載しているコラム「TV見るべきものは!!」。

今週は、波瑠主演「あなたのことはそれほど」について書きました。


TBS系「あなたのことはそれほど」
フツーじゃない人物が2人!
今期は「小さな巨人」「警視庁捜査一課9係」「緊急取調室」など刑事ドラマが乱立している。おかげで、逆に目立っているのが不倫ドラマ「あなたのことはそれほど」だ。優しい夫、涼太(東出昌大)との2人暮らしに物足りなさを感じていた美都(波瑠)が、中学時代に憧れていた同級生・有島(鈴木伸之)と出会って不倫関係に陥る。

最大の推進力は、美都が有島との再会を「運命」と感じたことだ。また有島の方も、妻(仲里依紗、好演)が出産を控えて実家に戻っていたという、実にわかりやすい状況だった。これで美都と有島が芸能人や政治家だったら、フツーにゲス不倫報道されるところだ。

だが、このドラマにはフツーじゃない人物が2人いる。1人は東出が演じる涼太だ。妻の浮気に気付きながらも平静を装っていたが、無理だった。

美都はもちろん、有島夫妻に対しても、「知っているぞ」のサインを送り始めたのだ。すでに見る側の興味は、東出の“壊れっぷり”と“追い詰め方”に集中している。

もう1人、注目したいのが美都の実母である悦子(麻生祐未)。世の荒波を乗り越えてきたシングルマザーにしてスナックのママだ。美都に向かって、「あんた、そもそも誰も選んでいなかったのよ。選んだのは自分の幸せ」と言い放つ。そんな娘に春が来た、じゃなくて嵐がやって来た。

(日刊ゲンダイ 2017.05.24)

恒例の「卒業記念写真」撮影

【気まぐれ写真館】 札幌 2017.05.26

【気まぐれ写真館】 札幌に来たら、まる山「かもせいろ」

HTB北海道テレビ「イチオシ!」 2017.05.26

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高橋春花アナとヒロ福地さん

気がつけば人妻!国井美佐アナ

気がつけばとっくに成人!和音ちゃん
気がつけばカールが東日本で販売中止!
気がつけば見学の高校生!
オクラホマ藤尾さんとオープニングで
気がつけばこんなにいた高校生!

今週の「高橋春花アナウンサー」

【気まぐれ写真館】 札幌 SOLUNAで・・・

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アイヌ遺骨返還がテーマのドキュメンタリー映画
「声なき声」を製作した藤島保志さん


スタッフの皆さんと
5月末で閉店となるSOLUNA

HTB 「イチオシ!モーニング」 2017.05.27

【気まぐれ写真館】 雨が降っても千歳市「柳ばし」で・・・ 2017.05.27

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ホタテと自家製しいたけのソテー
(メニューにはありません、悪しからず)

週刊新潮で、ドラマ「やすらぎの郷」について解説

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病魔と苦闘の野際陽子、
台詞が覚えられない五月みどり… 
「やすらぎの郷」撮影現場はリアル老人ホーム
押し寄せる年波に抗うことが出来ないのは、往年の大スターたちも例外ではない。老人ホームを舞台にした話題のシニア向け昼のドラマ「やすらぎの郷」(テレビ朝日系)。その撮影現場には、老いを隠さずにありのままの姿を覗かせる、出演者たちの姿があった。

4月から放送がスタートした「やすらぎの郷」は、テレビ業界に貢献した者だけが入居することが出来る無料の老人ホームが舞台。そこに暮らす入居者たちが直面する家族の絆や友情といった、様々な問題をユーモラスに描いた倉本聰(82)の脚本による作品だ。

主人公のシナリオライターを石坂浩二(75)が演じ、彼を振り回す大女優役に、浅丘ルリ子(76)、加賀まりこ(73)、五月みどり(77)、野際陽子(81)、八千草薫(86)といったメンバーが。さらに、石坂とともに、女優たちに翻弄される男性陣として、ミッキー・カーチス(78)、藤竜也(75)……といった豪華キャストが名を連ねる。

石坂は加賀と実際に同棲をしていたし、浅丘とは2000年まで婚姻関係にあった。その3人が共演するという話題性も手伝ってか、放送前から注目を集めていたのだが、始まってみると想像以上に大健闘。最新の平均視聴率は6・3%と、同じ時間帯の中では高数字を挙げ、今なお話題を呼んでいる。

コラムニストの林操氏は、

「ストーリーの随所に出てくる、業界のタブー的な裏話の世界に、世代を超えてついつい引き込まれてしまいますね。現在のドラマが斜陽になった原因は視聴率主義に走ったテレビ局にあるとか、枕営業が行われているといったようなことは、いくらドラマでも、これまでは言えなかったですから」

それをやってのけるのは、倉本作品ならでは。

「でも、やはり、酸いも甘いも知り尽くした高齢の役者さんだからこそ出来たのだと思います。主演の石坂の脇にかつての恋人や妻がいるなんて、若手や中堅の俳優では、到底出来ませんよ。彼らぐらい齢を重ねているから、割り切って遠い思い出として演じることが出来るのではないでしょうか。このドラマからは、役者たちの潔さを感じますね」

と、番組を絶賛するのだ。だが、撮影現場に目を向けると、画面を見て楽しんでいる視聴者とは裏腹に、俳優陣が高齢者ゆえの苦労話も聞こえてくるのである。

テレ朝関係者が言う。

「出演者はほぼ高齢者ですし、放送は半年に及ぶ長丁場。少しでも体調を壊すと、大変なことになりかねませんので、スタッフは出演者に、風邪をひいたりしたらすぐに連絡をするように呼びかけています。さらに、看護師が撮影現場に待機していて、何か起きた時の為に、万全の態勢を取っているのです」

ストーリーさながら、リアル老人ホームのような体調管理が施されているというわけだ。さらに、

「倉本さんの脚本ですから、台詞がとても多いというのも確かにありますが、ミッキー・カーチスさんと五月みどりさんは、記憶力が落ちていて、台詞を覚えられなくて大変だそうです。仕方がなく、カンニングペーパーを用意して撮影したこともありました」(同)

■“あのサプリ”“あの病院”

放送された二人の登場シーンを見ると、確かに五月は石坂との長台詞のシーンでは、棒読みのうえ、時折、目が不自然に泳いでいる。ミッキーも、バーのカウンターに座って語る場面では、台詞を言う前に必ずと言っていいほど、カウンターに目を落とす。まるで、そこに何かがあるかのように……。

もっとも、五月の場合は、オカルト好きの不思議キャラという設定なので、さほど違和感もなければ、ミッキーも棒読みなのに不思議と存在感がたっぷりなのだ。実際のところはどうなのか。

五月のマネージャーは、

「ドラマのレギュラー出演は20年ぶりでして、久しぶりの上に、台詞が覚えられなくて大変でした。出番待ちの時も共演者の方々は、“あのサプリメントがいい”とか“あそこの病院はいいよ”とかで盛り上がっていたようですが、とてもそんな余裕はなかったようです。休憩中も撮影ギリギリまで台詞を覚えるので精一杯。一度くらいは、カンペを見ながら撮ったカットもあったかもしれません」

彼女は、なかなか芝居勘が掴めず、何度も撮り直しをしたため、その日だけでは予定のカットが撮影しきれず、後日改めて撮影日を設けたほどだったという。

他に、こんな話も。先のテレ朝関係者が言う。

「野際さんは、3年前に肺がんを患い、現在も治療を続けています。やはり、体調があまりすぐれないようで、撮影シーンを大幅に減らしたほどです」

それでも、ドラマでは元気にジョギングをする姿を見せるのだから、ベテランならではのプロ意識である。

上智大学の碓井広義教授(メディア文化論)によれば、

「70代、80代の大スターが、“ああ、歳を取ったな”と視聴者に言われることを承知の上で、あえて自らをさらけ出す。その勇気に見ている側は、心を動かされているんだと思います。人間誰しも歳を取る。ドラマの中の住人たちが抱えている過去への執着や現在への不満、残り火のような恋心、病気や死への恐怖、芸に対する未練など、形こそ違いますが、すべて、我々一般人と共通のものです。このドラマは、超高齢社会の日本のシミュレーションでもあり、だからこそ多くの視聴者が共感しているのではないでしょうか」

ドラマの本番はこれから。この先どんな展開が待っているのか、目が離せない。

(週刊新潮 2017年5月25日号)

乃木坂46白石麻衣さん、「近寄り難さ」も人気の秘密!?

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日経MJ(日経流通新聞)に連載しているコラム「CM裏表」。

今回は、乃木坂46が出演している、はるやま商事「アイシャツ」のCMについて書きました。


はるやま商事「アイシャツ」
「アイ」を探して叫ぶアイドル
乃木坂46の白石麻衣さんがスマホを見つめている。画面には「完全なアイ。」他のメンバーにも、「まっすぐなアイ。」という謎のセージが届く。どうやら西野七瀬さんが失踪、もしくは行方不明になっているらしい。

走り回るメンバーたち。そして、探しあぐねた白石さんが「アイって何?」と大声で叫ぶ。最後に西野さんが現われ、ノーアイロンで楽なワイシャツのCMとわかるのだ。

デビュー曲『ぐるぐるカーテン』の発売が2012年2月。センターは生駒里奈さんだったが、白石さんの美しさも際立っていた。あれから5年。白石さんは24歳となり、“オトナっぽい美少女”から“オトナの美女”へと進化した。最新写真集『パスポート』は累計21万部だ。

近年、「親しみやすさ」がアイドルの条件の一つになっている。しかし白石さんの人気はむしろ、その「近寄り難さ」にあるのではないか。アイドル文化論における興味深い研究テーマだ。

(日経MJ 2017.05.29)

オトナの男が楽しめるハードボイルドの意欲作「CRISIS」

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日刊ゲンダイに連載しているコラム「TV見るべきものは!!」。

今週は、「CRISIS 公安機動捜査隊特捜班」について書きました。


関西テレビ制作
「CRISIS 公安機動捜査隊特捜班」
オトナの男が楽しめるハードボイルドの意欲作
3年前のこの時期、見逃せない刑事ドラマが2本、放送されていた。しかも同じ曜日の裏表で。1本は小栗旬主演「BORDER」(テレビ朝日系)。もう1本が西島秀俊主演「MOZU Season1~百舌の叫ぶ夜~」(TBS系)だ。

前者は、主人公が死者と対話できる特殊能力を駆使して難事件を解決していく。また後者では西島演じる公安刑事が、妻の命を奪った爆発事件の真相を探っていく。いずれも、小説では成立しても映像化するのは難しい世界を描いた作品だった。

今回の「CRISIS 公安機動捜査隊特捜班」は、「BORDER」と「MOZU」のハイブリッドともいうべき刑事ドラマだ。特捜班の捜査員・稲見(小栗)は元自衛隊員。特殊任務に就いた際、心に深い傷を負った過去を持つ。普段は何を考えているかわからないが、現場では無鉄砲と思えるほど大胆な行動に出る。同じ捜査員の田丸(西島)もまた、かつての事件をきっかけに心を閉ざした男だ。

常に冷静で的確な捜査を行うが、本心は誰にも明かさない。そんな2人が、ある距離感を保ちながら補完し合い、暴力団への潜入捜査や若者たちのテロ計画阻止に挑んでいく。テンポのいい脚本は「BORDER」と同様、原作者でもある金城一紀氏が手がけている。オトナの男が楽しめる、ハードボイルドの意欲作だ。

(日刊ゲンダ 2017.05.31)

ギャラクシー大賞を受賞した、Nスペ「ある文民警察官の死~カンボジアPKO 23年目の告白~」とは!?

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6月1日、放送批評懇談会が主催する、第54回「ギャラクシー賞」の贈賞式が行われました。

この日に発表された、テレビ部門の「大賞」に輝いたのは、NHKスペシャル「ある文民警察官の死~カンボジアPKO 23年目の告白~」でした。


日本人警官はカンボジアでなぜ“戦死” したのか?

NHKスペシャル「ある文民警察官の死~カンボジアPKO 23年目の告白~」が放送されたのは昨年の8月です。扱われていたのは、1993年5月、カンボジアでPKO(国連平和維持活動)に参加していた日本人警察官が殺害された事件でした。

当時、カンボジア内戦の停戦を踏まえ、UNTAC(国際連合カンボジア暫定統治機構)の主導で民主的選挙が実施されました。この時、日本政府は自衛隊と警察官を派遣します。戦闘は停止されていたはずでした。

しかし、警察官たちはポル・ポト派とみられる武装ゲリラに襲撃され、高田晴行警部補(当時33歳)が命を落としたのです。

この番組では、生き残った警察官たちが、23年を経て初めて「何があったのか」を証言していました。彼らが体験したのは、停戦合意も戦闘停止も単なる建前に過ぎず、自分たちが標的となる“戦場”だったのです。

しかも当時、UNTACも日本政府も、この事件をポル・ポト派の仕業とは認めませんでした。あくまでも「正体不明の武装集団」であるとしたのです。また、この事件の後も、「要員の撤収も考えない」と明言しました。

番組で初公開された、現地で撮影された映像や警察官の日記は、カンボジアPKOの実態をよく伝えていました。戦うために行ったわけではない高田警部補ですが、その死は、まさに“戦死”だったのです。

戦後の安全保障政策は、現政権下で、すでに大転換を遂げています。“戦死”が特殊な出来事とは言えなくなる社会にならないためにも、今、私たちが23年前の“真相”から学ぶことは、とても多いと思います。

今回の受賞を機に、この番組があらためて再放送され、多くの人に視聴してもらうことを願います。それは高田警部補に対する、ささやかなご供養にもなるはずです。

産経新聞で、「2時間ドラマ」について解説

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【ZOOM】2時間ドラマ栄枯盛衰 
視聴率低迷、消える放送枠 シニア層狙いBSへ
サスペンスやミステリーとしてお茶の間で人気を博した「2時間ドラマ」が地上波から姿を消しつつある。

最盛期の昭和60年代から平成初期にかけては20%前後の高視聴率を獲得していたが、近年は1桁台にまで落ち込み、民放各社は相次いで放送枠の縮小にかじを切った。一方、シニア世代の視聴者が多いBS放送では再放送を主力コンテンツに据え、ファンの取り込みにつなげている。(三宅令)                 

◆費用対効果…

テレビ朝日の2時間ドラマ枠「土曜ワイド劇場」は4月の番組改編で40年の歴史に幕を下ろした。4月以降は、日曜午前のドラマ枠「日曜ワイド」に移ったが、土曜ワイド劇場の再放送が多いのが実情だ。

土曜ワイドの放送開始は昭和52年。2時間ドラマの草分けとして、市原悦子主演の「家政婦は見た!」(昭和58~平成20年)や、渡瀬恒彦の「タクシードライバーの推理日誌」(平成4~28年)などの作品を世に送り出した。

2月には、船越英一郎の「刑事吉永誠一 涙の事件簿」(16~28年)などを生んだテレビ東京の「水曜ミステリー9」も放送を終了している。

黎明(れいめい)期には「お茶の間で見られる映画」として人気を博し、最盛期には週7~8本が放映されるなど各局の競争が激化。風光明媚(めいび)な名所での殺人、高所から突き落とす殺害方法-など「お決まり」の定着は、各局が安定的に視聴率を得られる内容を選んだ結果だ。しかし、レンタルビデオ店の増加やインターネットの動画配信サービスの普及に伴い、コンテンツとしての魅力が薄れていった。

上智大の碓井広義教授(メディア文化論)は「時代の変化や内容の陳腐化、ファンの高齢化などで視聴率は低下。数千万円の予算と数カ月単位の時間をかけて制作するには費用対効果が悪くなった」と指摘する。

◆午前午後2枠

連続ドラマと比べると、スポンサーとなる企業側の考えも見えてくる。2時間ドラマの視聴者の中心は50代以上であるのに対し、連ドラは20~40代。就職や結婚などで大型家電や住宅の購入など消費が増える時期で、「企業として2時間ドラマ枠よりも広告を出す価値がある」と碓井教授は分析する。

しかし、2時間ドラマがコアなファンを抱えているのも事実だ。放送を終了した土曜ワイド劇場も「視聴者から惜しむ声がある」(早河洋テレ朝会長)。2時間ドラマファンという主婦(58)=横浜市=は「毎週欠かさずみていたのに残念。ストーリーを先読みできるけれど、安心してみていられるところがいいのに」と嘆く。

「ファンの多くはBS放送に流れている」。テレビ東京の高野学編成部長はこう解説する。BSの2時間ドラマは、時代劇や趣味の特集などと並んで主力コンテンツの一つだ。

各局とも平日昼に高視聴率を得た過去の人気作の再放送に力を入れる。テレ東系のBSジャパンは「ザ・ミステリー」、BSフジは「BSフジサスペンス劇場」を放送。BSTBSでは午前と午後の1日2枠を設けており、「各局ともファンを積極的に取り込み、視聴者の定着に成功している」(高野部長)。

◆本数を絞って

地上波から2時間ドラマが姿を消していく中、枠を堅守しているのがTBSテレビだ。同局は月曜夜に「月曜名作劇場」の2時間枠を設け、新作ドラマを中心に放送している。同局編成局の橋本孝担当局長は「2時間ドラマは今でも魅力的なコンテンツ」と力を込める。以前は午後9時からのスタートだったが、午後10時を過ぎるとテレビを見るシニア層が減るため、1月から開始時間を午後8時に前倒しした。

「謎を解明する展開さえあれば、切り口は自由でいい。育児放棄など社会性のあるテーマは2時間ドラマにこそ向いている。訴求力のあるドラマを作りたい」

テレ東の高野部長も「決して2時間ドラマに見切りをつけたわけではない。もっと予算と時間をかけ、スペシャルドラマとして本数を絞って今後も放送していく」としている。

(産経新聞 2017年5月30日)


言葉の備忘録 60  物に接するにも仁義が第一である

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然らば如何にして、物に接すべきか。  

それには、その物を愛する、
この心がけが最も重大なものであつて、
これは仁である。

その物を理解し正しく取り扱ふ、
これは次に大切な心がけであつて、
これは義である。

物に接するにも仁義が第一である。



―――幸田 露伴「些細なやうで重大な事」

書評した本: 渡辺 保 『感性文化論』ほか

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「週刊新潮」に、以下の書評を寄稿しました。


東京五輪のあった1964年、
それは大変化の前夜だった

渡辺 保『感性文化論
      ~〈終わり〉と〈はじまり〉の戦後昭和史』
春秋社 2808円

NHK朝ドラ『ひよっこ』の物語は1964(昭和39)年秋から始まった。ヒロインの高校生・谷田部みね子(有村架純)たちは、東京オリンピックの聖火リレーが自分たちの村を通らないことを知り、自前の聖火リレーを実行しようと奔走する。

この「手作り聖火リレー」、なんと実話である。茨城県北部の村での出来事をドラマが取り込んだのだ。当時、オリンピックの開催は国民的慶事だった。国際社会復帰の証しというだけでなく、新幹線や高速道路などのインフラ整備は成長する日本の象徴でもあった。しかもそれは東京だけでなく、地方に暮らす人たちにも様々な影響を与えていった。

そんな東京オリンピックのあった64年という時期を、68年から70年代にかけて起こる「文化の大きな変化」の“前夜”として位置付けようというのが本書だ。聴覚文化論と音楽社会史を専門とする著者は、東京オリンピックの「実況中継」と市川崑監督の公式記録映画『東京オリンピック』に着目する。

その分析によれば、「実況中継」の文言はまるで一編の物語やドラマのストーリーのごとく構成されていた。映像が主軸であるテレビ中継のアナウンスとは異なっており、むしろラジオ中継に近い。この時期はテレビ時代の始まりというより、戦前から続いたラジオ時代の終わりだったのだ。

また映画『東京オリンピック』について、著者は映像における「記録」と「フィクション」の関係を探り、テレビという新興勢力との差異化を指摘する。「記録」という概念の捉え方が変わり始める、やはり“前夜”の作品だったのだ。

本書では69年に登場した、新宿西口地下広場「フォークゲリラ」の軌跡も検証している。政治の「感性化」「イメージ化」という現在につながる現象として興味深い。時代は一挙に変わるのではなく、地下水脈のような歴史の流れと共に動く。そのことを再認識させる力作評論である。


井上ひさし、井上綾 
『井上ひさしから、娘へ~57通の往復書簡』
文藝春秋 1728円

井上ひさしの三女・麻矢には『夜中の電話~父・井上ひさし最後の言葉』という著書がある。今回、次女の綾が公開するのはタウン誌に掲載された互いの手紙だ。父は少年時代の思い出から病床での夢想まで、半世紀に及ぶ物書き生活の総括とも読める言葉を記している。


大重史朗 
『実践メディアリテラシー
 ~”虚報”時代を生きる力』
揺籃社 1080円

著者は記者職を経て、現在はジャーナリスト。新聞やテレビなど既存メディアとインフラ化したネットメディアの両方を踏まえ、情報氾濫時代の生き方を探っている。話はすべて具体的だ。朝日新聞を主な対象として、報道の裏側と記事の“読み方”を伝授していく。


鈴木信平 『男であれず、女になれない』
小学館 1296円

小学館ノンフィクション大賞選考会を紛糾させたそうだが、さもありなん。「女になりたい訳じゃない。私は私になりたかった」という著者は2年前、36歳で男性器を摘出。卑下もせず尊大にもならず、生きづらさを抱えてきた軌跡を率直に語る姿勢はいっそ爽やかだ。


中森明夫 『アイドルになりたい!』 
ちくまプリマ―新書 842円

アイドルと聞いて思い浮かべるのは山口百恵、松田聖子、それともおニャン子クラブ? 乱立する現在のグループアイドルも含め、アイドルとは一体何なのか。それは、「好き」になってもらう仕事だと著者は言う。アイドル評論家が書き下ろした初のアイドル入門本だ。

(週刊新潮 2017.06.01号)

大学生たちは、ドラマ「あなたのことはそれほど」をどう見ているのか!?

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今期は、「小さな巨人」(TBS系)、「警視庁捜査一課9係」(テレビ朝日系)、「緊急取調室」(同)など刑事ドラマが林立しています。そのおかげで逆に目立っているのが、「あなたのことはそれほど」(TBS系)かもしれません。


異色の不倫ドラマ「あなそれ」

ヒロインは、優しい夫・涼太(東出昌大、怪演)との2人暮らしに物足りなさを感じていた美都(波瑠)。彼女が中学時代に憧れていた同級生・有島(鈴木伸之)と出会い、不倫関係に陥ります。

最大の推進力は、美都が有島との再会を「運命」と感じたことです。また有島の方も、妻の麗華(仲里依紗、好演)が出産を控えて実家に戻っていたという、実にわかりやすいタイミングでした。これで美都と有島が芸能人や政治家だったら、フツーにゲス不倫報道されるところです。

現在、涼太はすでに美都の浮気を知ってしまいました。その涼太の“壊れっぷり”が話題になっています。美都は離婚を切り出し、涼太は拒否。あの不自然な笑顔が怖いです(笑)。

また有島のほうも、勘のいい妻に戦々恐々で、美都に向かって「友達に戻ろう」などと言い出す始末です。

このドラマが異色なのは、主な登場人物である2組の夫婦、その4人の誰にも“共感”できない、もしくは共感しづらいことですね。

何より、ヒロインである美都のキャラクターが破天荒です。思い込んだらまっしぐら。直情径行。既婚者意識や倫理感どころか、躊躇(ちゅうちょ)という文字さえ、彼女にはほとんどありません。「運命」行きの暴走列車みたいなものです。

また往年の“冬彦さん”を彷彿とさせる涼太。“運命の人”とは言うものの、夫としても愛人としても軽すぎの感のある有島。そして、じわじわと怖くなってきた麗華。みんな、いわゆる「共感」とは距離のあるキャラクターです。


大学生たちは「あなそれ」をどう見ているのか

ところで、初めて大学の教壇に立った23年前から現在まで、ずっと続けていることがあります。年に4回のドラマ改編に合わせて、授業の合間に、その時放送されている連続ドラマのタイトルを全部読み上げ、それぞれどれくらいの学生が見ているのか、手を挙げてもらうのです。いわば簡便な視聴率調査みたいなものですね(笑)。

これは結構面白い結果が出るもので、高視聴率だった90年代のフジテレビ「月9」であっても、「あれ?これしか見てないのか」というものもあれば、逆に視聴率は振るわないけれど、教室にいる学生たちの20%が見ているというドラマもありました。

つい先日、この教室内視聴率調査を2つの授業で行ってみました。すると、今期ドラマのタイトルを次々と挙げていった中で、「あなたのことはそれほど」(TBS系)が驚きの数字を叩き出したのです。

ひとつの授業では、なんと約60%の学生が見ていました。そして別の授業でも約50%の学生が手を挙げたのです。

実は、「見てます!」という人のパーセンテージとして、50~60%というのは23年間で最高のものです。最近の「逃げ恥」や「カルテット」も遠く及ばない高さです。

またリアルタイムで見ている人が約45%で、残りの学生たちは録画かネット(ティーバーなど)でした。ちなみに、いずれの授業も受講生のほとんどが女子学生です。

そこで、「なぜ、このドラマを見ているのか」を彼女たちに訊いてみました。以下は、回答のいくつかです。


・“縛られないヒロイン”がどうなるか、見てみたい。

・“正常な人”がいないドラマだから、気になる。

・ヒロイン以外の人たちも面白く、人間ドラマになっている。

・「みんな、アホやなあ」と思いながら、毎週見ている。

・罪悪感のない妻とサイコパスな夫の組み合わせに興味。

・どうなるのか予想がつかない。思っていることを直接言わない怖さを感じる。

・「いるんだろうなあ、こういう人」という怖いもの見たさ。

・普通に見えた人が徐々に変わっていく。その怖さが面白い。

・客観的には、あり得ない話なので、逆にヒロインの“のめり込み方”が気になる。

・以前自分も似たような体験(え?)があり、これからの展開に注目している。


全体として、やはりヒロインに対して一般的な「共感」を抱いているわけではなさそうです。かと言って、単純な「反感」でもない。

自分たちとは大きく異なるがゆえに、気になる。むしろ共感できないからこそ、見たい。ちょっとした“覗き見”感覚で、4人の様子を観察しているようでした。

特に美都に関しては、あの調子でどこまで行けるのか(行けないのか)、その行く末を見届けたい。そこには、「まさか幸せになったりしないよね」(笑)という興味も見え隠れします。

また美都の暴走や涼太の狂気には、息苦しいコンプライアンス社会からの無意識の脱出、逃走という要素があるのかもしれません。

いずれにせよ、若者のテレビ離れ、ドラマ離れがずっと言われてきたわけですが、”局地的なんちゃって視聴率調査”によれば、「あなたのことはそれほど」はこの23年間で、「大学生に最も見られたドラマ」ということになりました。

北海道新聞で、将棋「藤井四段」について解説

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将棋・藤井四段20連勝 
注目度「羽生七冠」以上 「マジック」で形勢逆転
2日に関西将棋会館で行われた棋王戦予選。藤井聡太四段目当てのテレビ関係者らが早朝から集まり、午前10時の対局開始時には約40人の報道陣が2人を取り囲んだ。

千日手で指し直しとなった対局の終盤は、一時藤井四段が劣勢に見えたが、棋士室で検討する脇謙二・八段らプロ棋士も「藤井マジックだ」と驚く妙手で形勢を覆し公式戦20連勝を達成した。対局後、藤井四段は「(20連勝は)自分の実力からすれば僥倖(ぎょうこう)(幸運)としかいいようがない。連勝は意識せず、一局一局を大切に指して、しっかり実力をつけたい」と語った。

藤井四段は、2月に将棋チャンネルを開設したインターネットテレビ局「AbemaTV(アベマティーヴィー)」の企画「炎の七番勝負」で、非公式戦ながら羽生善治3冠(46)を破り、一躍「時の人」に。

この七番勝負の第1局は視聴数が約12万だったが、羽生戦の第7局は65万に急上昇。19連勝目は75万件に伸び、アベマ自体の認知度もアップした。アベマは藤井四段の対局について、今後も可能な限り生中継する構えだ。

(中略)

藤井現象は、まだまだ続く。テレビのワイドショーもこぞって追うが、上智大文学部新聞学科の碓井広義教授(メディア文化論)は、「羽生3冠らと同じ、5人しかいない中学生棋士というだけでも話題性は十分」と前置きしつつ、素朴で礼儀正しく、どんな時にも動じない藤井四段の姿に「主な視聴者層の主婦が『うちの子も個性のある子に育てたい』と注目している」と解説。その上で「連勝が止まっても、物語としては逆に葛藤や成長が際立つ。今後もマスコミは追いかけるだろう」とみている。

【文化部 大原智也】
(北海道新聞 2017.06.03)

現代の”世話物” 日曜劇場「小さな巨人」の学園問題

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北海道新聞に連載している「碓井広義の放送時評」。

今回は、日曜劇場「小さな巨人」について書きました。


現代の「世話物」としての刑事ドラマ
日曜劇場「小さな巨人」の学園問題
今期、刑事ドラマが林立している。「CRISIS 公安機動捜査隊特捜班」(関西テレビ―UHB)、「警視庁捜査一課9係」(テレビ朝日―HTB)、「警視庁・捜査一課長」(同)、「緊急取調室」(同)などだ。

その中で、「小さな巨人」(TBS―HBC)に注目したい。主人公は元警視庁捜査1課の刑事・香坂(長谷川博己)だ。出世街道を順調に歩んでいたが、上司である捜査1課長・小野田(香川照之)によって所轄署へと飛ばされる。前半の芝署編ではIT企業社長の誘拐事件や社長秘書の自殺などが発生。真相を探るうち、黒幕として署長(春風亭昇太)が浮かんでくるという大胆な展開だった。誰が味方で誰が敵なのか。「敵は味方のフリをする」のであり、見る側も気を抜けない。

そして現在の豊洲署編では、事件の現場が「早明学園」という学校法人となっている。経理課長が失踪するが、その背後には学園の“不正”があった。しかも内偵中の刑事(ユースケ・サンタマリア)も殺害されてしまう。この学園には元警視庁捜査一課長の富永(梅沢富美男)が専務として天下っている。かつて捜査一課刑事だった香坂の父親を自殺へと追い詰めた、因縁の人物でもあった。香坂はここでもまた警察という巨大組織の力学に翻弄され、苦戦を強いられる。

徐々に明らかになってくるのは、早明学園が行っている「不正な土地取引」だ。しかもそこには“政治家との癒着”が見え隠れする。となると、やはり思い浮かぶのは「森友学園問題」であり、「加計学園問題」である。単なる政治家ではなく、総理大臣という最高権力者の関与が指摘される現在進行形の事件。もちろん現実の“学園問題”とは設定が異なるが、「学校を舞台とする政治家がらみのスキャンダル」という意味で実にタイムリーだ。

そういえば、歌舞伎の演目には時代物と世話物がある。江戸時代の人たちから見て、過去の世界を舞台にした歴史物語が時代物。一方、当時のリアルタイムな出来事を扱っていたのが世話物だ。近松門左衛門「心中天網島」のような心中事件や殺人事件、さらにスキャンダルも世話物の題材となった。

この「小さな巨人」は、まさに現代の世話物かもしれない。今年2月、ドラマが準備されていた頃に森友問題が発覚し、制作者たちは急きょ、この現実の事件を物語の中に取り込むことを決意した。今後、政治家の倫理と犯罪性をどこまで描くのか。リアルとフィクション、双方の“学園問題”の進展は予断を許さない。

(北海道新聞 2017.06.06)
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