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大河ドラマ『軍師官兵衛』は、「朝鮮出兵」をどう描く?

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発売中の「週刊ポスト」最新号に、大河ドラマ『軍師官兵衛』に関する記事が掲載されました。

テーマは、秀吉の「朝鮮出兵」をどう描くのか。

うーん、脚本家も制作陣も、結構悩むところではないでしょうか。

記事では、歴史学者や時代考証の専門家などと並んで、話をさせていただきました。

以下は、私の「予測」部分です。

記事全体は、ぜひ本誌をご覧ください・・・・


テレビドラマに詳しい上智大学の碓井広義教授は、朝鮮出兵を「全く描かないわけにはいかない」としてこんな描写を予想する。

「現地ロケは不可能だし、中途半端に出兵を大きく取り上げると韓国の怒りに油を注ぐ。結局はピンポイントで1シーンのみ描くなど、イメージ映像で処理すると思います。

本当に最小限の描写にとどめるというならば、『〜がありました』とナレーションだけの紹介もありえますが、そこまで及び腰になっては作品としてのクオリティが落ちる。賛否はあろうと、朝鮮における官兵衛の業績は、史実としてきちんと映像化してほしい」

(週刊ポスト 2014.02.07号)


・・・・大河ドラマとなると、内外からさまざまな注目のされ方をします。

「歴史認識」といった言葉も出てくるでしょう。

まあ、「外交問題に発展」なんてことにならなければいいのですが(笑)。


「明日、ママがいない」の放送継続について

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日刊ゲンダイに連載している「TV見るべきものは!!」。

今回は、「明日、ママがいない」(日本テレビ)について書きました。


日テレの判断と対応、BPOの見解に注目
期せずして、この冬最大の話題作になってしまった「明日、ママがいない」(日本テレビ)。

初回放送直後に熊本県の病院などが放送中止や内容改善を要求したことに始まり、批判や批難の拡大、スポンサーのCM自粛と騒動は現在も進行中だ。

まず、当たり前だが、これがドラマでありフィクションであることを再確認したい。その上で、このドラマは子どもから見た親を描きつつ、一般的に“弱者”と思われがちな子どもの強さも描いている。

また経済的事情から虐待まで、様々な理由で自分の親に養育してもらえない子どもたちの問題を提起していることも事実だ。芦田愛菜をはじめ子役たちの圧倒的な演技力も評価できる。

もちろん、主人公に「赤ちゃんポスト」からとった「ポスト」というニックネームを付けるなど、当事者も含む視聴者に対する想像力と思慮に欠けていたことは否めない。

これまでもエグい物語展開や人物設定で名を馳せてきた野島伸司を脚本監修に置いたことで、「クレーム上等!」くらいに思っていたのかもしれないが、同じ野島の「家なき子」の時代と今では社会の環境や意識が大きく変わっている。それはスポンサー企業も同様だ。

とはいえ、物語の全体像が見えていない現段階で放送を中止することがいいとは思えない。日テレの判断と対応、BPOの見解にも注目したい。

(日刊ゲンダイ 2014.01.28)


・・・・日テレは27日の定例記者会見で、放送継続の意向を明らかにしたそうです。

日テレ「明日、ママがいない」
スポンサー全社がCM見合わせ
日本テレビの連続ドラマ「明日、ママがいない」が児童養護施設の団体などから内容改善を求められている問題で、番組スポンサーの花王、三菱地所、小林製薬の3社は27日、CMの放送を見合わせると決めた。番組を提供しているスポンサー全8社がCM放送を見合わせることになった。一方で同局の大久保好男社長は同日、放送を継続する意向を明らかにした。

3社は29日放送の第3話のCMをACジャパン(旧公共広告機構)の公共CMに差し替える。契約は継続しているが、スポンサー全社がCMを見合わせるのは異例。

日本テレビ総合広報部は「当社では番組の契約に関する個別の事項についてはお答えしていません」としている。

また、大久保社長は定例記者会見で「抗議や申し入れは重く受け止めるが、最後まで見れば私たちの意図を理解していただける」と述べた。当初の予定通り全9話を放送する方針。

会見で佐野譲顕制作局長は脚本や演出の大幅な変更は予定していないと明言。「子どもたちの視点から愛情とは何かを描きたい」と、あらためてテーマを説明した。

ドラマをめぐっては「こうのとりのゆりかご」(赤ちゃんポスト)を設置する慈恵病院(熊本市)や全国児童養護施設協議会が「養護施設の子どもや職員への誤解や偏見を与えかねない」として放送の中止や内容改善を求めている。

ビデオリサーチによると、関東地区の視聴率は第1話で14・0%を記録、注目を集めていた。(共同)

放送評論家こうたきてつやさんの話
「インターネットの普及などもあって、スポンサーは視聴者の批判に敏感になっているのだろう。視聴者を引きつけるためのセンセーショナルな“つかみ”を重視しているように見える表現や、関係者への説明に丁寧さを欠いている点など今回のドラマに問題はあるが、日本テレビは最後まで放送を続けるべきだと思う。放送を中止すれば、制作者の表現が萎縮してしまうと懸念する」

(サンスポ 2014.1.27)

【気まぐれ写真館】 今日の夕景 2014.01.29

「明日、ママがいない」  エグい表現を多用して数字を取ろうという手法は古い!

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発売中の「週刊SPA!」最新号に、「明日、ママがいない」に関する記事が掲載されました。

タイトルは、<大論争ドラマ『明日、ママ』 是か?非か?>

見開きの右ページには「全国初の児童養護施設出身の市長」である草間吉夫・茨城県高萩市長、左ページに私の談話が載っています。

記事全体は本誌をご覧いただくとして、私の部分を転載しておきます。


大人が子供を信用しなさすぎ!?
少女からもあがる擁護論
「偏見を助長する!」と批判の声があがり、「赤ちゃんポスト」を設置する慈恵病院がBPO(放送倫理・番組向上機構)の放送人権委員会に審議を申し立てる騒動にまで発展している『明日、ママ』。

だが、果敢にも擁護論を唱える人もいる。ナインティナインの岡村隆史は自身のラジオ番組で「これで放送中止になったら、もうテレビの未来はないです」とコメント。

“はるかぜちゃん”こと中学生タレントの春奈風花は、『明日、ママ』の裏番組に出演していながら、ツイッター上で「ちゃんとセリフを聞いて。役者の表情をみて。優しい作品だよ」と擁護しつつ、「今回の件で、子どもはおとなに本当に信用されてないんだなと思いました」と、騒ぎ立てる大人にカウンターパンチを浴びせたのだ。

元番組プロデューサーでメディア論が専門の碓井広義・上智大学教授も次のように話す。

「親が子をあやめてしまうニュースも流れる世の中で、その解決法は一向に示されていません。虐待などの児童問題に対する意識を喚起させる点においては、意義のあるドラマです。『ポスト』という過激なあだ名が問題視されていますが、ドラマをしっかり見れば、自分を捨てた親との関係を断ち切るために強い意志で『ポスト』を名乗っていることもわかる。

このドラマは子供から見た親を描きつつ、一般的に“弱者”と見られがちな子供の強さも描いているのではないでしょうか? 『児童養護施設の子供が傷つく』『親のいない子供が学校でイジメられる』という批判もありますが、『なんで、そこまで大人は子供を信用できないの?』という疑問をドラマのなかで投げかけているように感じます」

もちろん、制作サイドに落ち度がないわけではない。

「NHKの『あまちゃん』では壊れたジオラマと橋本愛ちゃんの表情だけで、東日本大震災の衝撃を見事なまでに描きました。津波の映像がたっぷりあるはずなのに、その映像を使わなかったのは、当然、被災者に配慮してのこと。その点、『明日、ママ』に両親のいない子供たちに対する思慮や想像力が欠けていたのは事実です。

脚本監修を手掛けたのは『家なき子』などで知られる野島伸司さんですが、『家なき子』がヒットした時代と今は違う。情報はすぐさまネットを介して拡散されるし、企業のコンプライアンス意識も格段に上がっている。そんな時代に、エグい表現を多用して数字を取ろうという手法は古い!と言わざるをえない」(碓井氏)

それでも、『明日、ママ』が注目を集めてしまうのは、「芦田愛菜ちゃんをはじめとした子役たちの圧倒的な演技力にくぎ付けになる」(碓井氏)から。

表現の自由なんて陳腐な擁護論を振りかざすまでもなく、完全に彼女たちはプロの仕事を見せているのだ。果たして打ち切りが望ましいのか?さらなる議論が必要だろう。

(週刊SPA! 2014.02.04号)

日刊ゲンダイで、都知事選報道「イメージ操作」についてコメント

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細川を悪人に仕立てる露骨なイメージ操作
(中略)

細川―小泉のツーショット街頭演説には実は何千人もの聴衆が詰めかけている。しかし、テレビはそれを積極的に報じない。というより、都知事選の話題そのものを取り上げず、あえて選挙戦が盛り上がらないようにしているかのようだ。

シラけた無党派層が選挙に行かなければ、自公でガッチリ組織固めした舛添が勝つ。そういう魂胆なのだろうが、彼らの手口はあまりに露骨で悪質だ。

「何を伝えるかと同時に、何を伝えないかというのも報道です。今回の都知事選は脱原発が争点でもあり、東京の人だけの問題じゃないのに、『都知事選なんてあるの?』というくらい報道が少ない。

クローズアップされるのは佐川1億円です。猪瀬前都知事が退任に追い込まれた資金問題とは時期も状況も違うのに、細川さんを“悪人”に仕立て上げるイメージ操作が繰り返さているように見える。

それもジワジワではなく、露骨でむき出し。既得権益べったりのメディアの報道姿勢には異常な危うさを感じます」(上智大教授・碓井広義氏=メディア論)

(日刊ゲンダイ 2014.01.30)


・・・・1面の記事にもありますが、民主党で政権交代を果たした小沢一郎が、官僚の既得権益に切り込もうとして潰された時と、確かに
雰囲気が似てますよね。


「金曜オトナイト」のゲストは戸田奈津子さんでした

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1月30日(金)夜10時54分
BSジャパン 「大竹まことの金曜オトナイト」

<出演者>
ゲスト: 戸田奈津子(映画字幕翻訳家)

大竹まこと、山口もえ、碓井広義(上智大学教授)
繁田美貴(テレビ東京アナウンサー)



昨夜の「大竹まことの金曜オトナイト」。

1月最後のゲストは戸田奈津子さんでした。

戸田さんが字幕を翻訳した作品というだけで、名作って感じさえしちゃいます(笑)。

日本の字幕翻訳者が、まだ10人でよかった時代。

しかもベテランの男性ばかりだった時代。

戸田さんが、コッポラ監督の通訳をしたことをきっかけに、「地獄の黙示録」の翻訳者に抜擢されたエピソードも興味深かったです。



今週の「繁田美貴アナウンサー」

日刊ゲンダイで、「明日ママ」内容変更について解説

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日刊ゲンダイに、日テレ「明日、ママがいない」の内容変更に関する記事が掲載されました。

この記事の中で、解説をしています。


日テレ「明日、ママがいない」
スポンサー全降板で白旗
「最後まで見て判断してほしい」のはずが・・・・
ついに白旗だ。

30日、全国児童養護施設協議会(以下、全養協)がドラマ「明日、ママがいない」(日本テレビ系)の番組内容変更を局と約束したと発表した。この日、日テレ佐野譲顕制作局長ら担当者が都内にある全養協を訪問。「申し入れを真摯に受け止めて、改善を検討したい」と話した。具体的な改善内容、変更のタイミングなど明確な変更点は話されなかったそうだが、来月4日までに届く「回答書」で詳細を提示するという。全養協はこう言う。

「抗議書を出してからきょう初めてお越しいただきまして、話し合いの場を設けました。日テレさんに提出した要望書の中身について話し、<ポストというあだ名><子供たちへの暴力や暴言><子供たちをペット扱いする表現>の3点をやめてほしいということ、被害者が出ているということについて指摘いたしました。日テレさんからは<ストーリー展開として子供たちが力強く生きていけるよう成長するさまを描きたい>といったお話をいただきました。4日の回答書次第ではまた要望を出す可能性もあります」

当初は「最後まで見て判断してほしい」と強気だったが、結果的に日テレが折れた形となった「明日ママ問題」。決定打となったのは、第3話で提供スポンサー全8社のCM放映見合わせだろう。差し替えとして放送されたうちのほとんどが「ACジャパン」(計10回)。他にも、自社宣伝や「エスエス製薬」「エイブル」などのスポットCMが流れたものの、断続的なAC放映に、「3・11(東日本大震災)がフラッシュバックする影響は考えなくてもいいのか」という声まで飛び出した。

上智大学の碓井広義教授(メディア論)はこう言う。

「今回の内容変更はスポンサー問題が大きいと思います。タイム枠で買っているわけですから、収入自体はすぐに変わるわけではないが、これ以上もつれると局のイメージが非常に悪くなる。処置を誤ると今後のスポンサー契約にも関わるし、協議会も2度抗議しているということもあって軌道修正したのでしょう。今回の“素材”は、警察や医療現場などとは違った養護施設という一般的には知られていない世界。日テレには、それを扱うことに対する視聴者の反応をイメージする想像力が足りなかったのも大きな要素です。とはいえ、もともとのドラマ全体を検証したいと思っていたので、ある意味、残念です。日テレは<最初はこういうストーリーだったが、こういうふうに修正した>という内容を公表してもいいかな、と思います。打ち切りではないにしろ、<抗議すれば局はドラマの内容を変えるんだ>という実例を作ってしまった。こういった前例ができると、テレビ局は萎縮し、扱うテーマや表現において自主規制をするようになります」

「表現の自由」のお題目も、スポンサーには勝てないという現実をはからずも証明してしまった。

(日刊ゲンダイ 2014.01.31)


・・・・上記の記事、WEBの「ゲンダイネット」でのタイトルは、
「明日ママ」内容変更 日テレの“白旗”がTV界に与える影響
でした。

トータル訪問者「100万人」に、感謝です!

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この「碓井広義ブログ」のスタートは、2008年4月。

そして本日、訪問してくださった人の数が、トータル「100万人」を
超えました。

総閲覧数も、約388万件。

本当に、ありがとうございます!

読んでくださっている皆さんの存在が、大きな励ましです。

これからも、メディアをめぐるあれこれを書いていきますので、
引き続き、どうぞ、よろしくお願いいたします。

【気まぐれ写真館】 土曜日のキャンパス 2014.02.01

朝日新聞で、「NHK新会長発言」報道についてコメント

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1日付、朝日新聞の「NHK新会長発言」報道に関する記事。

この記事の中に「談話」が掲載されました。


新会長発言、報道に開き 
NHK、国会の模様だけ紹介
NHK新会長の籾井勝人氏が就任会見で、従軍慰安婦問題や首相の靖国参拝などに関して「持論」を述べたことについて、大手メディアの間では報じ方に違いが見える。また、NHK自身は会長発言について、国会で取り上げられる模様を紹介する形にとどめている。

 ■連日伝える民放も

NHKは会長の就任会見があった25日夜のニュースで、籾井氏が「不偏不党や公平をうたった放送法の順守に努める」などと述べたことを紹介した。だが従軍慰安婦や領土問題など、政治的中立性が疑われるとして各メディアが報じた発言は伝えなかった。

28日夜のニュースで、民主党の海江田万里代表が衆議院本会議で、籾井氏の従軍慰安婦についての発言をただしたことを伝える形で、初めて報じた。

籾井会長が参考人として出席した31日の衆院予算委員会については中継し、同日夜7時のニュースで放送。特定秘密保護法について籾井会長が「まあ通っちゃったんで」などと発言したことを民主党の原口一博氏が「放送法第4条に違反する」と指摘し、籾井会長は「何回も聞かれたので私見と断った」「非常に不慣れであったこと。これは誠に申し訳ない」などと答えた模様を伝えた。

籾井氏の発言についてのNHKの報道姿勢について、同広報局は朝日新聞の取材に「会長は、個人的な見解を放送に反映させることはないと述べている。報道にあたってはこうした点を踏まえ、適宜、判断している」と文書で回答した。

民放はどう報じたか。

テレビ朝日広報部によると同局は27、28日、朝や夜の5番組で籾井会長の発言について取り上げた。

TBSは26日から31日までほぼ連日、昼と夕方のニュースで報道している。

フジテレビは27日夕方のニュースで取り上げ、日本テレビは31日のニュースで籾井会長が発言について陳謝したことを報じた。

 ■各紙社説、批判と擁護

朝日新聞は就任会見の翌26日から1面や社会面などで連日、籾井会長の発言について報じてきた。28日の社説では「(籾井氏は)政府の立場に寄り添うような発言を繰り返した。(中略)NHKが向くべきは政府ではなく、受信料を納める国民の方である」と指摘した。

毎日新聞は26日朝刊1面で「政治的中立を疑われかねない不用意な発言」とするなど連日記事を掲載。29日朝刊では、公共放送のあり方についても「政府見解と正反対の事実についても取材を重ね、伝える義務があり、それには政治との距離が問われる」とした。

東京新聞も「公共放送トップ見識疑問」(26日)、「揺らぐ『政治的中立』」(28日)などの見出しで展開。社説では「どこかの専制国家の国営放送のように、権力側の言い分を押し付けるのなら存在意義はない」(同日)と批判した。

読売新聞は26日朝刊で尖閣諸島などの領土問題や慰安婦問題の発言内容を紹介。30日の社説では「元慰安婦への補償問題は、1965年の日韓請求権協定で法的には解決している」などと、籾井氏の見解に理解を示した。

産経新聞は26日、「NHKのボルト、ナットを締め直す」という籾井氏の発言を引き、「偏向是正へ問われる手腕」と展開。30日、社説にあたる「主張」で国際放送において「国益に沿った情報発信を行うのは当然の姿だ」とした。(清水大輔、今村優莉)

◆NHK、公共性否定
林香里・東大大学院教授(ジャーナリズム研究)の話 

NHKは就任会見を伝えるニュースで籾井氏の発言を報じなかった。視聴者への役割を放棄したのか。あたかも(政治的中立性が疑われるような)発言がなかったかのような報道の仕方に驚いた。価値判断をするしないはともかく、言及したことは触れるべきで、報道機関としての公共性を否定したに等しい。

◆民放、腰引けている
碓井広義・上智大教授(メディア論)の話

NHKは、国の統制からも距離を置くべき報道機関だ。だが籾井会長の発言は、NHKが国営放送の道を進むのではないかと心配になる。これを報じた新聞各紙は、濃淡はあるが一定の批判をしている。一方、民放は腰が引けている。公共放送トップの発言が安倍政権とほとんど重なっていることへの危機感が足りない。

(朝日新聞 2014.02.01)

TBS「サンデーモーニング」に、インタビュー出演

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2日(日)のTBS「サンデーモーニング」に、インタビュー出演しました。

「風をよむ」のコーナーで、テーマは「メディアの使命」でした。



<放送内容>

風をよむ「メディアの使命」 概要

NHK・籾井勝人新会長の就任会見では、従軍慰安婦問題、領土問題、特定秘密保護法などについての言及で大きな物議を醸した。1月31日には、衆院予算委に呼ばれ、一連の発言について説明を求められた。籾井会長は「会見における意見は私的なコメント」と述べたが、民主党の原口一博議員は「個人的な見解で通るわけがない」と厳しく非難。街でも、「中立でない」「自民党よりに聞こえた」などの意見があがった。





公共放送の草分けとして、長い歴史を持つBBCは、真実を報道するため、政府と対立することもしばしばあった。1985年には、北アイルランド独立問題を扱った番組が国益に反するとして、放送中止を求め政府から圧力がかかった。しかし、BBCの職員らはストを決行し、放送にこぎつけた。




また、2003年には「大量破壊兵器」の実態報道について当時のブレア首相と激しく対立。こうした姿勢が評価され、BBCは2012年に英・ガーディアン紙が調べた「イギリスで最も信頼できるニュースソースは」というランキングで1位となった。上智大学の碓井広義教授(メディア論)は「メディアの最大の使命は国民の知る権利の代行」と述べる。かつてアメリカでは、大統領の側近が不正を暴き、大統領を辞任に追い込んだ「ウォーターゲート事件」があった。




メディアが時の権力に利用され、戦争へ加担することになったり、国の宣伝機関となったりするケースは、歴史にその例を見ることができる。日本では、ここ最近の政治状況を踏まえ、メディアにより重要な役割が求められている。上智大学の碓井広義教授(メディア論)は「原点に立ち返って権力を監視する。批判すべきところは批判する」と話す。



浅井信雄は、籾井会長の発言について、政府の宣伝機関と同じだと話し、国民益を考え、何のために放送しているのかNHK職員に考えてもらいたいとコメントした。田中優子は、NHKの熱意を持った人が気の毒と述べ、就任会見での発言の軽さに対し会長の資格はない、従軍慰安婦問題についての論点がずれていると指摘した。西崎文子は、NHKのドキュメンタリー番組などは良いのに会長の発言が投げやりであると述べ、政府など権力を持った人を批判するのがメディアの役割とコメントした。アーサー・ビナードは特定秘密保護法について非難すべきメディアが擁護したことに違和感を持ったとコメントした。

(価格.COM テレビ紹介情報)

小林信彦『伸びる女優、消える女優』は、二度おいしい

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例によって、単行本を持っているにもかかわらず、文庫本を入手しました。

小林信彦さんの『伸びる女優、消える女優』(文春文庫)です。

週刊文春の連載が年に1度、単行本になる。

この文庫本の元は、2011年に、『気になる日本語』のタイトルで出版された。

ただし、中身はほぼ同じでも、ちゃんとオマケが付いている。

映画評論家・品田雄吉さんとの特別対談だ。

これだけでもモトは取れます(笑)。

また、巻末には小林さんの“文庫版あとがき”風の文章が入る。

これが楽しみなのだ。

収録されたエッセイが書かれたのは2010年であり、約4年のタイムラグがある。

巻末の文章では、その間のあれこれにも触れているので、見逃せません。

小林さんが、女優の名前で挙げているのは、綾瀬はるか、堀北真希、貫地谷しほり、真木よう子、武井咲、能年玲奈、橋本愛などなど。

この辺りも面白い。

さらに、文庫本には「解説」が付く。

今回は芝山幹郎さん。

「堅気と狂気」というタイトルは、ズバリ小林さんの本質をついています(笑)。





今週の「読んで、書評を書いた本」は、次の通りです。

倉本 聰 『ヒトに問う』 双葉社

後藤正治 『探訪 名ノンフィクション』 中央公論新社

清水 潔 『犯人はそこにいる』 新潮社

立花 隆 『読書脳』 文藝春秋

天野祐吉 『天野祐吉のCM天気図傑作選』 朝日新聞出版

中村 稔 『食卓の愉しみについて』 青土社

中島義道 『純粋異性批判』 講談社

* これらの書評は、
  発売中の『週刊新潮』(2月6日号)
  読書欄に掲載されています。

北海道新聞で、『明日、ママがいない』について考察

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北海道新聞に連載している「碓井広義の放送時評」。

今回は、期せずして、この冬一番の話題のドラマとなってしまった、『明日、ママがいない』を取り上げました。


『明日、ママがいない』の波紋
制作意図と表現 丁寧に説明を
1月から始まったドラマ『明日、ママがいない』(日本テレビ―STV)。児童養護施設を舞台に、経済的事情から虐待まで、さまざまな理由で実の親に養育してもらえない子どもたちが懸命に生きようとする姿を描いている。しかし、初回放送直後に熊本県の病院などが放送中止や内容改善を要求したことから批判やひ非難の声が高まり、スポンサーのCM自粛へと発展。騒動は現在も進行中だ。

確かに、主人公(芦田愛菜)に「赤ちゃんポスト」からとった「ポスト」というニックネームを付けたり、施設長(三上博史)に「ペットショップの犬と同じだ」というセリフを言わせるなど、見る側にショックを与える内容に問題がなかったとは言えない。「赤ちゃんポスト」は実在の取り組みであり、全国で一ヵ所だけという熊本の病院が、この名称の使われ方に異をとなえるのは当然だろう。

また、舞台となっている「コガモの家」は、「児童養護施設」であり、「グループホーム」であると設定されている。どちらも現実の存在であるだけに、「誤解、偏見、差別を生む」「施設の子供たちが傷つく」という当事者からの批判が起きることも予想できたはずだ。

このドラマのように、現実性と物語性の入り混じった表現をする場合、制作側は想像力と創造力をフル稼働しなくてはならない。たとえばNHK『あまちゃん』では、東日本大震災の衝撃を、壊れたジオラマに加え、変わり果てた風景を目にした駅長(杉本哲太)とユイ(橋本愛)の表情だけで表現していた。それはもちろん被災地の皆さんに配慮してのことだが、同時に被災地以外の場所にいる視聴者をも納得させる見事な演出だった。その点、このドラマは当事者も含む視聴者に対する想像力と思慮に欠けていたのではないか。

脚本監修を手掛けたのは『家なき子』などで知られる野島伸司だが、あのドラマの時代と今とでは社会環境や視聴者の意識が違っている。もしもセンセーショナルな表現の多用で視聴率を稼ごうとするのであれば、「そんな手法はもう古い」と言わざるをえない。

だが、その一方で、現在の状態のまま放送を途中で打ち切ることには反対だ。これが前例となって放送局の自主規制が強まり、ドラマが扱うテーマや素材が限定され、また制作者が萎縮することで表現の幅を狭めてしまう可能性があるからだ。その意味でも、日本テレビと制作陣は関係者と視聴者に対し、自らの制作意図と表現について、あらためて丁寧に説明する必要がある。

(北海道新聞 2014.02.03)


・・・・田村憲久厚生労働相が、3日の衆院予算委員会で、「明日、ママがいない」が児童養護施設の子供に与えている影響を調査する方針を示しました。

まだまだ騒動は続きそうです。

“時をかけて”大人になった原田知世が主演「紙の月」

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日刊ゲンダイに連載している「TV見るべきものは!!」。

今回は、4日の夜に最終回を迎えた、原田知世主演のNHKドラマ10「紙の月」について書きました。


NHKドラマ10「紙の月」
見どころは主演の原田知世に尽きる
NHKドラマ10「紙の月」(火曜夜10時)が今夜、最終回を迎える。

家庭ではごく普通の主婦であり、パート先の銀行では模範的な渉外担当だった梨花(原田知世)。

ふとしたきっかけで1億円もの金を横領し、海外へ逃亡することになる。若い男との出会いもあったが、理由はそれだけではない。これは40代の中年妻が心の奥に抱える闇と孤独を描く意欲作だ。

見どころは主演の原田知世に尽きる。

原田といえば映画「時をかける少女」だ。1983年の作品だから30年が経過しているし、コーヒーのCMや朝ドラ「おひさま」などにも出ていたのだが、そのピュアなイメージはデビュー作の頃と変わらない。実に稀有な女優だ。

とはいえ現実の原田は結婚・離婚も経験した46歳である。これからは文字通り「大人の女優」として歩みたいはずだ。その意味で、中年女性が自らを追い込みながら「私の人生って何だったの?」と問うこのドラマは、今の原田が挑戦すべき1本だったと言える。

「あまちゃん」で薬師丸ひろ子、そして本作で原田知世。かつての角川映画の2大ヒロインにして、“永遠の少女”だったこの2人に、ドラマという「舞台」を用意し、堂々の“成人”にしたのはNHKのお手柄だろう。

原作は角田光代の同名小説で、ヒロインの心の軌跡を追うのに全5回は短いが、印象は鮮烈だ。

(日刊ゲンダイ 2014.02.04)

【気まぐれ写真館】 雪の立春 2014.02.04


【気まぐれ写真館】 入試期間中のキャンパス 2014.02.05

ドラマ「明日、ママがいない」の今後

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昨日(5日)、日テレ「明日、ママがいない」に動きがあったので、以下に記録しておきます。



日テレ「明日ママ」で協議会に謝罪 
取材不足認める
児童養護施設を舞台にした日本テレビ系の連続ドラマ「明日、ママがいない」について、人権への配慮を求めている全国児童養護施設協議会(藤野興一会長)は5日、東京都内で記者会見し、日本テレビが協議会側に文書で謝罪したことを明らかにした。施設で暮らす子供を傷つけないよう配慮することも明記しており、協議会は日本テレビに番組内などで改めて謝罪するよう求めた上で、今後の対応を見守ることにした。

協議会によると、日本テレビの制作局長らが4日に事務所を訪れ、協議会の抗議に対する回答の文書を手渡し謝罪した。日本テレビは文書で、ドラマを見た施設の子供が自傷行為に及んだことについて「そのような事実が存在するのであれば、結果を重く受けとめ、子供たちにおわびする」と記載。施設の現状について取材不足との指摘には「表現上留意すべき点などをより慎重に確認しておく必要があった」と認めた。

ただし、子役が「ポスト」のあだ名で呼ばれるなど問題と指摘された点を改善するかについては「これまで以上に子供たちに配慮し、誤解を生まないよう細心の注意を払う」と記すにとどめ、「改めてドラマを最後までご覧になっていただきたい」と放送を継続する意向を示した。5日夜放送の第4話では、あだ名は変わっていなかった。

協議会には自傷や「ポスト」とからかわれたといったケースが全国の施設から約20件報告されたといい、藤野会長は「具体的な改善点は教えてもらえなかったが、日本テレビの言葉を信じ番組を見守りたい」と話した。

会見には、親が育てられない子供を匿名で受け入れる「赤ちゃんポスト(こうのとりのゆりかご)」を設置する慈恵病院(熊本市)の蓮田健産婦人科部長と全国里親会(星野崇会長)も出席。蓮田部長は「放送中止を求めてきたが、施設の子供が傷ついている以上、その対策が優先。大人のメンツにこだわらず病院の要望を撤回し、日本テレビ側の自主的な改善を期待したい」と述べた。

日本テレビ総合広報部は「協議会に出した文書を5日、ホームページに掲載した」とし、番組内などでの謝罪については「施設の子供の自傷行為を日本テレビとして確認しておらず、コメントを控えたい」とした。【桐野耕一、土屋渓】

(毎日新聞 2014.02.05)


・・・・おそらく再来週の放送分(第6話)あたりから、ドラマの中で、主演の芦田愛菜が「ポスト」というニックネームで呼ばれる場面が、何気に少なくなるんだろうな、と思います。

それに、施設長である三上博史の「魔王的言動」も、当初のような過激さと比べればトーンダウンさせるはず。

全体としては、やがて来る最終回の“ソフトランディング”に向けて、高度やスピードを調整していくのではないでしょうか。

「放送批評懇談会シンポジウム2014」は、豪華4連続講演

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講演者のひとり、鈴井貴之さんと


3月4日(火)に開催される「放送批評懇談会シンポジウム2014」の
お知らせです。

今年は、なんと次の4人の方々に、「講演」をお願いしました。


 是枝裕和 (映画監督・テレビディレクター)

 森 達也 (作家・映画監督)

 鈴井貴之 (俳優・映画監督・放送作家)

 橋本 元 (WOWOW常務取締役)


昨年から企画事業委員長を務めさせていただいていますが、この
放懇シンポジウムで、「4連続講演」というスタイルは、過去にも例がありません。

委員会メンバー全員の、「今、この人の話を聞いてみたい! 聞いてほしい!」という強い思いが、実現させたものです。

この“ちょっとあり得ない”ゼイタクなキャスティングの連続講演、
ぜひ、たくさんの皆さんに参加していただきたいと思っています。


放送批評懇談会シンポジウム2014
再発見!クリエイティブパワー
日時:2014年3月4日(火曜日) 13:00〜17:00

会場:海運クラブ 2階ホール 東京都千代田区平河町

主催:NPO法人放送批評懇談会

対象:民放、NHK。番組制作会社。企業のメディア担当者。通信事業者。衛星放送事業者。ケーブルTV。インターネット関連会社。広告会社。新聞社、出版社。官公庁。自治体。各種権利団体。大学、研究者ほか。

定員:200名(先着順受付)

申込締切:2月24日(月) 
ただし、定員になり次第、締め切らせていただきます。


<開催趣旨>

テレビ、ラジオには娯楽の提供によって公共の福祉にこたえることと、報道の力で世の中の真実を伝えて、ひとりひとりの知る権利をかなえることが託されています。ローカルの文化を支え、地域を豊かにするのも使命です。さらに、コンテンツをビジネスとして成り立たせる力と発想が求められます。それらを支えるもの、それが「クリエイティブパワー」です。

放送批評懇談会の2014年開催シンポジウムは、放送のクリエイティブな力を論じ、ジャーナリズムの自覚を新たにし、ローカルでの使命を考え、ビジネスとして成功することで放送の自立を目指すために、4人のキーパーソンを招きました。

カンヌ国際映画祭審査員賞を受賞するなど、常に新しいクリエイティブを模索する映画監督・是枝裕和さんが、テレビのクリエイティビティを論じます。表現のタブーに挑み続ける作家で映画監督の森達也さんには、放送ジャーナリズムに必要な覚悟を聞きます。「水曜どうでしょう」神話を作り上げた鈴井貴之さんにはローカルにこだわり続けるわけを語ってもらいます。そして、デジタルへの取り組みもいち早く、テレビとWebのコラボに挑み、1800タイトルにも及ぶVODで注目を浴びるWOWOWの橋本元さんに、コンテンツビジネスの戦い方を聞きます。


<プログラム>
13:00-13:10
主催者あいさつ


13:10-14:00
講演 クリエイティブ
「いま、クリエイティブに求められるもの」
 是枝裕和 (映画監督・テレビディレクター)


14:00-14:50
講演 ジャーナリズム
「放送ジャーナリズムの自律と自覚」
 森 達也 (作家・映画監督)


14:50-15:10
コーヒーブレイク


15:10-16:00
講演 ローカル
「僕がローカルにこだわり続ける理由」
 鈴井貴之 (俳優・映画監督・放送作家)


16:00-16:50
講演 コンテンツビジネス
「WOWOWのチャレンジ〜VISION2020」
 橋本 元 (WOWOW常務取締役)


16:50-17:00
エピローグ
(敬称略。講師は変更の場合があります。)

 
*参加申込については、放送批評懇談会のサイトをご覧ください。
 http://www.houkon.jp/

金曜オトナイトで、「テレビ・CMクレーム時代」を語り合う

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2月7日(金)夜10時54分
BSジャパン 「大竹まことの金曜オトナイト」

<出演者>
ゲスト:東国原英夫
大竹まこと、山口もえ、碓井広義(上智大学教授)
繁田美貴(テレビ東京アナウンサー)





昨夜の「金曜オトナイト」のゲストは、東国原英夫さんでした。

2回目の登場です。

今回、番組では「テレビ・CMクレーム時代」と題する企画を放送。

最近、放送が中止となったCM2本について、スタジオで語り合いました。






さらに、日テレ「明日、ママがいない」問題も取り上げました。

この辺り、たぶん民放地上波ではなかなか出来ない内容であり、BSならではというか、「オトナイト」ならではだったと思います。











<番組内容>
◆流出ワイド
(秘)着たままトイレも!人型寝袋フリース本格発売


(秘)テレビ・CMクレーム時代
お酒のCMにカエルはダメ!?つけ鼻金髪は外国人差別!
「明日ママがいない」問題をどう思う?
(秘)「猛禽女子」がやってくる エッチOKの女性 この手で見分けろ
(秘)努力か諦める力か?

◆特集
オリンピックを違う角度で見てみよう!
オリンピック決定で株上昇!?
世界に誇る「ニッポンのコンドーム」
限界ギリギリ耐久実験!植木が○○!?
大人の工場見学「相模ゴム」へ…

◆文化情報コーナー
東国原英夫おススメ映画
お笑いを目指した!いつまでも反骨精神と笑いを!
「アニマル・ハウス」
意外とロマンチスト?東国原が思わず涙した訳とは!?
「ゴースト/ニューヨークの幻」

<番組サイト>
http://www.bs-j.co.jp/official/otonight/



今週の「もえちゃん」

【気まぐれ写真館】 大雪警報の土曜 2014.02.08

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