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「しつこい口説き」が実る名作!?

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週刊プレイボーイに、山本耕史さんと堀北真希さんの結婚をめぐる特集記事が掲載されました。

この記事の中で、解説しています。


山本×堀北で再発見!
しつこい口説きが実ったドラマの名作
堀北真希との“交際0日結婚”に成功した山本耕史。

彼が明かした「40通のラブレター」や「同じ新幹線に乗り込む」などの“しつこいアプローチ”も反響を呼んだが、わざとらしい違和感を感じた人も少なくない?

しかし、ドラマや映画の世界ではこのような“しつこく口説いた末、恋が実る”名作、ヒット作がかなり多い! 

上智大学の碓井広義教授はこう語る。

「97年にドラマ『ストーカー 逃げきれぬ愛』が放送されて以降、ストーカーという言葉が広く認知され、“しつこい愛=怖い”というイメージを植えつけられてしまいました。

そのためドラマの題材としては扱われることが少なくなったのですが、それ以前に放送されたドラマ『101回目のプロポーズ』は今でも語り継がれる名作となっています。現代の女性もDVDや再放送などで広く視聴していることを考えると、“何度もアタックされる”ことに憧れを感じる傾向は不変なのではないでしょうか」

では、実際に「しつこい口説き」が実る名作について、その成功理由を恋愛コラムニストの菊池美佳子氏に分析してもらった。


【「しつこい口説き」が実る名作はコレだ!】
■ドラマ『101回目のプロポーズ』

《あらすじ》
星野達郎(武田鉄矢)が100回目のお見合いで出会ったのは死んだ婚約者を忘れられない矢吹薫(浅野温子)。ボーナスを全額競馬につぎ込んだり、トラックに飛び込んだりのアタックを続けて成功

《成功理由分析》
「注目したいのはヒロインが交際を断る口実で放った暴言をうのみにし、ボーナス全額を競馬に突っ込んだシーン。女性のむちゃぶりに誠実に向き合い、愛情を言葉でない物質的な形で見せたのが勝因でしょう」(菊池氏)

■ドラマ『北の国から』

《あらすじ》
医者と駆け落ちしたはずの蛍(中嶋朋子)が地元に戻ってくる。幼少時代から蛍を好きだった正吉(中澤佳仁)は、ここぞと結婚を申し込むが断られる。しかしその後100万本の花を送り続け、見事成功

《成功理由分析》
「100万本の花を送るなど、彼女の顔色をうかがわず自分のスタイルでアプローチを貫いたことで、思いの強さを伝えた例。幼少期から知っている間柄だけに、結婚アプローチを短期間に数の多さで勝負したのもよし」(菊池氏)

■マンガ『めぞん一刻』

《あらすじ》
おんぼろアパート「一刻館」の住人・五代裕作が初見で管理人・音無響子にひと目ぼれ&告白。その後、浪人時代、大学時代、社会人時代と長きにわたりアタックを続けゴールイン。2007年に主演・伊東美咲でドラマ化もされた

《成功理由分析》
「主人公は就職浪人をしたり、保育士を目指したり、キャバレー従業員をしたりと常に新しいことをしている人物。相手が常に変化しているので、飽きなかったことや危なっかしさが母性をくすぐったのでは」(菊池氏)

■映画『フォレスト・ガンプ』

《あらすじ》
ガンプ(トム・ハンクス)は小学校でいじめられていたが、ジェニー(ロビン・ライト)のおかげで俊足が開花。その後、大人になって再会したジェニーは変わり果てた姿に。それでもアタックし、最後に実を結ぶ

《成功理由分析》
「いじめられっ子だったガンプは大人になって名声を手に入れましたが、ジェニーへの態度を変えませんでした。立場が逆転しても偉ぶることなく接するガンプの姿が、閉じていた彼女の心を開いたのでしょう」(菊池氏)
この他にもそれぞれ思い返し、一途なドラマ・漫画等を酒の肴(さかな)に居酒屋談義もよいのでは? 山本クンみたいなイケメン俳優ばかりが物語のような恋愛を成就させるのではないと信じつつ…。

(週刊プレイボーイ 2015.09.21号)


【気まぐれ写真館】 ただいま工事中

書評本: 真山 仁 『ハゲタカ外伝 スパイラル』ほか

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火山の噴火、地震、大雨、洪水、そして安保法案と、どうにも重たい秋になっています。

本の世界では、村上春樹さんの新刊エッセイ『職業としての小説家』を読んでいる秋、ということになりますが、これまでのエッセイとはまた違った意味で面白い。

こんなふうに、作家としてのこれまでや、芥川賞について、村上さん本人が語る日が来ようとは。

「ふむふむ」や「なるほど」の言葉もたくさん。

重たい秋を払拭とはいきませんが、気持ちの支えとなる一冊に感謝です。




「週刊新潮」の書評欄に書いたのは、以下の本でした。

濱谷浩:著、多田亞生、片野恵介:監修 
『生誕100年 写真家・濱谷浩』
クレヴィス 2401円

戦前からの写真家である濱谷が、マグナム・フォトで日本人初の寄稿写真家となったのは昭和35年。安保闘争で亡くなった樺美智子さんを捉えた1枚もある。「モダン東京」から「戦後昭和」まで200点が並ぶ。「雪国」や「裏日本」は民俗学的価値も高い。


真山 仁 『ハゲタカ外伝 スパイラル』
ダイヤモンド社 1620円

シリーズ最新作にして、初のスピンアウト書き下ろし。企業買収の奇才・鷲津政彦と戦い続けてきた、事業再生家・芝野健夫が主人公だ。舞台は芝野が転じた大阪の町工場。高い技術力を持ちながら経営難にあえぐ零細企業の現実を踏まえ、緊迫の攻防戦が展開されていく。


四方 洋 『新聞のある町~地域ジャーナリズムの研究』
清水弘文堂書房 1620円

元「サンデー毎日」編集長が注目するのは地域紙だ。ブロック紙や県紙よりも小さなエリアを対象とした、地域密着型新聞である。登場するのは、北海道の十勝毎日新聞から熊本県の人吉新聞まで26紙。現地取材で見えてくるのは、報道以上の役割を担う真摯な姿だ。 


成毛眞、折原守 『国立科学博物館のひみつ』
ブックマン社 1994円

猛烈な博物館マニアと前副館長による科博マニアックツアーだ。樹木、鉱物、動物を手掛かりに列島を縦断するかと思えば、何万年もの歴史を遡る。科博は多様なジャンルのマニアやファンに開かれたワンダーランドだ。標本という“実物”の力は測り知れない。

(週刊新潮 2015.09.17号)

民放連賞の発表

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17日に、日本民間放送連盟賞(民放連賞)が発表されました。

昨年6月から今年5月までに放送された番組が審査対象となっています。

私が審査委員を務めている「放送と公共性」をはじめ、番組各部門と特別表彰部門の最優秀賞は以下の通りです。

おめでとうございます!


【ラジオ】
報道=宮崎放送「機銃掃射に怯えた日々~昭和20年宮崎の空の下で」

教養=山形放送「未完の五線紙~戦没作曲家・紺野陽吉が託した音楽」

エンターテインメント=北日本放送「高原SONGS~富山に歌う」

【テレビ】
報道=山口放送「奥底の悲しみ~戦後70年、引揚げ者の記憶」

教養=テレビユー福島「TUFルポルタージュ ふつうの家族 ある障がい者夫婦の22年」

エンターテインメント=テレビ東京「家、ついて行ってイイですか?」

ドラマ=中京テレビ「マザーズ」

【特別表彰】
青少年向け=テレビ山梨「ウッティ発!アンニョンハセヨ!ワタシ桑ノ集落再生人」

放送と公共性=福井テレビ「アーカイブスを地域に活かす~『人道の港』番組制作と教育活用」

芸能人による、安保法案「意見表明」について

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北海道新聞に、芸能人による、安保法案に対する「意見表明」についての記事が掲載されました。

この記事の中で、解説しています。


芸能人も黙っていられない

個別的自衛権で十分/平和ボケ。世界は変化/反対運動大切
安全保障関連法案について、普段は多様な考えを持つファンを意識し、政治的なテーマに触れることを避けがちな芸能界で、著名人がテレビ番組やツイッターなどで積極的に発言するケースが目立っている。

タレントの石田純一さんは17日、国会正門前に突然姿を見せ「今年は戦後70年。世界に誇る平和国家を100年、150年と続けていこう。この国は個別的自衛権で守れる」とデモ参加者にマイクで呼びかけた。

落語家の笑福亭鶴瓶さんは8月、戦後70年に関するテレビ番組で、「放送で一回も言うたことない」と前置きし、安保法案に否定的な見方を示した。「(政府は)憲法を変えようとしている。違憲という人が多いにもかかわらず、何しとんねん。僕らは微力ですけど『違う』と言い続けないとあかん。政府が変な解釈しているが、絶対あかん」

お笑い芸人の松本人志さんとSMAPの中居正広さんは、8月放送のバラエティー番組で意見をぶつけ合った。松本さんは「このままでいいち思っているのならば、完全に平和ボケ。世界情勢は変わってきている」と、法案の反対派を批判。

中居さんは「若い子が声を上げるのはいいこと」「(戦後)70年間、日本人は戦地で死んでいない。これはすごいこと」と話した。

女優の吉永小百合さんは、母校の早大で今月6日開かれた法案反対集会に、激励メッセージを寄せた。「集会の開催は素晴らしいことであり、大切なことと思っております」。

俳優の渡辺謙さんはツイッターに「一人も戦死しないで70年を過ごしてきたこの国。どんな経緯で出来た憲法であれ僕は世界に誇れると思う」と記した。

上智大の碓井広義教授(メディア論)は「芸能界では、暗黙のルールで政治的なことは言わない。自分と逆の意見の人もいて、はっきり言わない方が安全だからだ。今回、(安保関連法案に関して)何人もの俳優やタレントが意見を表明するのは珍しいケース。口をつぐんでいられないほど重要なテーマということだ」と分析した。

(北海道新聞 2015.09.18)

9月入試、行われる 2015.09.20

歴代テレビドラマ「名女優・名役柄」を選ぶとしたら・・・

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先日、「週刊現代」の取材を受けました。テーマは、「歴代ドラマ最高の名女優・名役柄」。5人の女優さんと、その役柄を挙げるよう依頼されたのです。

熟考するというより、訊かれた瞬間、パッと頭に浮かんだのが、今も強い印象を残している彼女たちでした。

もちろん、個人の独断と偏見による選択です。

この特集記事では、短いコメントとなって掲載されていますが、実際には、年代順に以下のような説明をさせていただきました。

『TVドラマの女優たち 「あの役」が最高なんです!』と題された記事の全体は、ぜひ本誌(9月26日・10月3日合併号)をお読みください。



●「岸辺のアルバム」(TBS、1977年) 八千草薫=田島則子

山田太一さんが脚本を手がけた「岸辺のアルバム」は、それまでのほんわかとしたホームドラマの概念を、がらりと変えてしまった、テレビ史上の事件です。そこでは、家族の崩壊と再生という重いテーマが、驚きのストーリーとなって表現されていました。八千草さんが演じたのは、ごく普通のサラリーマン家庭の主婦・田島則子。貞淑な妻であり、しっかり者の母である則子が、電話を通じて知り合った男(竹脇無我)とラブホテルに入ってしまう。それが八千草さんだったからこそ、インパクトが尋常ではなかった。主婦と呼ばれる女性たちの”心の揺れ”を見事に見せてくれたのです。


●「西遊記」(1978、日本テレビ) 夏目雅子=三蔵法師

「西遊記」の三蔵法師といえば、当然のことながら男性で僧侶。それを女性が演じたのだから衝撃的でした。しかも画面の中の夏目さんは、輝くような美しさと気品に満ちていました。その後は映画を中心に大女優へと成長していきましたが、27歳の若さで亡くなったことは、くれぐれも残念でした。かつて私は、「人間ドキュメント 夏目雅子物語」(1993、フジテレビ)というスペシャルドラマを制作しましたが、その夭折も含めた”夏目雅子伝説”は、いまでも多くの人たちの中で生き続けています。


●「金曜日の妻たちへ」(1983、TBS) いしだあゆみ=中原久子

東急田園都市線沿線の美しい街並みが新鮮でした。そして、「金妻」は中年に差しかかった男女の、どこか狂おしい恋愛模様を、団塊世代のライフルタイルも取り込みながら洒脱に描いて秀逸でした(脚本:鎌田敏夫)。いしださんが演じた中原久子は、夫(古谷一行)と親友(小川知子)の不倫関係を知って苦悩しますが、その悩む姿自体が実にセクシーでもありました。同世代の男たちは、いしださんのような女性との不倫に憧れ、また当時の若者たちは、いしださんを通じて「大人の女性」の魅力を学んでいったのです。


●「HERO」(2001、フジテレビ) 松たか子=雨宮舞子

型破りな検事・久利生公平(木村拓哉)を補佐する担当事務官・雨宮舞子。雨宮は、仕事も私生活も、その生真面目さ、もっと言えば「身持ちの堅さ」が最大の特徴でしょう。だからこそ、ふとした瞬間に見せる「隙」が好ましい。この雰囲気は、松たか子さんならではのものです。そこには、松さんの生まれや育ち、また男性的ともいえるさっぱりした性格などの背景があります。申し訳ないけれど、シリーズ最新作での北川景子さんには出せないニュアンスなんですね。久利生を本当に理解し、支えられるのは、松さんが演じる雨宮だけです。


●「JIN-仁-」(2009、TBS) 綾瀬はるか=橘咲

「JIN-仁-」で、綾瀬さんが演じた橘咲は、時代の制約を受けながらも、可能な限り自分の思いを大切にして生きようとした女性。その姿が何とも健気でした。私は、是枝裕和監督『海街diary』を「平成の小津映画」、長女を演じた綾瀬さんを「平成の原節子」と呼んでいます。その佇まい、凛とした美しさ、そして強さと優しさ。さらに、どこか自分を無理に律している切なさも、小津映画のヒロインに通じるものがあるからです。その意味でも、「仁」の橘咲は、綾瀬さんが「平成の原節子」へと成長していくきっかけとなった名役柄だったと思います。


・・・ちなみに、週刊現代に掲載された「TVドラマの名女優・名役柄ベスト50」では、1位に輝いたのが「雑居時代」(1973、日本テレビ)の大原麗子=栗山夏代。

2位は「男女七人夏物語」(1986、TBS)の大竹しのぶ=神崎桃子、そして3位が「おくさまは18歳」(1970、TBS)の岡崎友紀=高木飛鳥となっています。

私が選んだ夏目雅子=三蔵法師は4位、綾瀬はるか=橘咲が9位、八千草薫=田島則子が11位、松たか子=雨宮舞子は13位に入っていました。

今回の選者は、私の他に泉麻人さん、宇野常寛さん、尾木直樹さん、齋藤孝さん、佐高信さん、福田雄一さん、堀井憲一郎さん、森永卓郎さんなど20数名の方々です。

さて、皆さんなら、どの女優さんの、どんな役柄を選びますか?

(ヤフー!ニュース個人/「碓井広義のわからないことだらけ」
 2015.09.21)


<参考>
週刊現代「TVドラマの名女優・名役柄ベスト50」の1位から10位
1位 雑居時代(1973、日本テレビ) 大原麗子=栗山夏代
2位 男女七人夏物語(1986、TBS)  大竹しのぶ=神崎桃子
3位 おくさまは18歳(1970、TBS) 岡崎友紀=高木飛鳥
4位 西遊記(1978、日本テレビ)  夏目雅子=三蔵法師
5位 篤姫(2008、NHK)      宮崎あおい=篤姫
6位 東京ラブストーリー(1991、フジテレビ) 鈴木保奈美=赤名リカ
7位 夢千代日記(1981、NHK)   吉永小百合=夢千代
8位 王様のレストラン(1995、フジテレビ) 山口智子=磯野しずか
9位 JIN-仁-(2009、TBS)   綾瀬はるか=橘咲
10位 やまとなでしこ(2000、フジテレビ) 松嶋菜々子=神崎桜子

超リアル映像で迫るディザスター映画「カリフォルニア・ダウン」

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思わぬ拾いモノ的な1本だ。

映画「カリフォルニア・ダウン」です。

巨大地震が発生し、猛烈な揺れに襲われたカリフォルニア。超高層ビル群やゴールデンゲートブリッジが次々と倒壊し、ロサンゼルスなどの大都市が相次いで壊滅。救難活動に奔走するレスキュー隊のパイロット、レイ(ドウェイン・ジョンソン)はサンフランシスコに残された娘(アレクサンドラ・ダダリオ)の救出に向かうが……。

大地震を描いたパニック映画、いや、現在はディザスター映画と呼ぶそうです。

主演は、あの筋肉の塊みたいなドウェイン・ジョンソンで、彼が出ている「ワイルド・スピード」シリーズも嫌いじゃない。

で、ドウェイン・ジョンソンだから、まあ、アクション系のディザスター映画(?)といった、わけのわからん予想をしていて。

そして、いい方向に裏切られた、というわけです。

いやあ、かなり面白かった。

「レスキュー隊員のジョンソンが、家族の救出ばかりでいいのか」みたいな意見もありましょうが(笑)、一難去ってまた一難みたいな連続ハードルの展開と、何より大都市を襲う巨大地震と津波の映像が思いっきり本格的というか、感心するほど超リアルで、最後まで目が離せませんでした。

ロスもサンフランシスコも、本当に破壊されたような臨場感。

あれが東京だったら、どうなるか。どうサバイブしたらいいのか。つい考えちゃいました。

やはり映画は、事前情報や前評判だけで判断せず、自分の目で見てみないと、わからないものですね。


【気まぐれ写真館】 渋谷 2015.09.23

映画「NORIN TEN~稲塚権次郎物語」の完成・公開に拍手!

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現在、旧知の方たちが携わった映画が公開されています。

まずは、「NORIN TEN~稲塚権次郎物語」を見てきました。

世界の小麦の70%以上の基となった「農林10号(ノーリン・テン)」の育種者で、第2次世界大戦後の世界的な食糧危機を救い、「農」の神様と呼ばれた稲塚権次郎の半生を仲代達矢の主演で描く。農学校卒業後、農家の跡取りとして農作業に勤しむ権次郎だったが、彼の向学心がやむことはなかった。親戚の応援を受け、東京で育種家の道を歩んだ権次郎は、その生真面目な性格から、周囲からは変人扱いされながらも研究に没頭した。のちに妻となるイトとの出会いや、世界を救うこととなる「小麦農林10号」育種の成功など、稲塚権次郎の生涯と彼が生きた時代が描かれる。監督は「仲代達矢『役者』を生きる」などのドキュメンタリー映画を数多く手がけ、稲塚氏の遠戚でもある稲塚秀孝。

稲塚権次郎は実在の人物で、「現在の“こしひかり“の基となる種や小麦の代表品種“農林10号“を生み出し、世界の飢餓を救った男」です。

タイトルの「NORIN TEN」は、小麦の農林10号のことなんですね。

明治末期に生まれた権次郎は、実に真面目な人です。

東京帝大の農学部で学んだエリートですが、当時の貧しい農家を救いたいという思いから、「美味しくて収量が高い米」を生み出すことを目指します。

「育種家」という言葉も、この映画で知りました。

戦争末期の中国に赴任していた権次郎夫妻は、戦後まで苦労するのですが、農業に対する真摯な姿勢は変わりません。

この映画もまた、生真面目で、誠実な作品でした。

私にとって、稲塚秀孝監督は、テレビマンユニオン時代の先輩です。

映像監督の中堀正夫さん、音響監督の菊池正嗣さんも、ずっとお世話になってきた方たち。

特に中堀さんは、故・実相寺昭雄監督のまさに片腕であり、現在も実相寺研究の集まりで、ご一緒させていただいています。

“無私の心”で厳しい時代を生きた、ひとりの男を描く。

そんな稲塚監督の思いを、中堀さんや菊池さんたちが支えて、完成した作品です。

たくさんの皆さんが見て下さるといいな、と思いました。

【気まぐれ写真館】 札幌は秋の空 2015.09.25

札幌で、「NORIN TEN~稲塚権次郎物語」稲塚秀孝監督に遭遇

HTB北海道テレビ「イチオシ!」 2015.09.25

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MCの国井アナとヒロさん

オクラホマ河野さん



今週の「国井美佐アナウンサー」

HTB北海道テレビ「イチオシ!モーニング」 2015.09.26

書評本: 北大路魯山人 『魯山人の真髄』ほか

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「週刊新潮」の書評欄に書いたのは、以下の本です。

北大路魯山人 『魯山人の真髄』
河出文庫 821円

北大路魯山人は陶芸、書など多彩な芸術家であると同時に、料理家、美食家としても知られている。また“美と食の巨匠”と呼ばれる一方で、その人間性を含めた批判も多い人物だ。

本書は、これまで文庫に収録されたことのない文章を集めた一冊。食から交友までを綴った文章を通じて、本人の肉声に触れることができる。

妻や料理屋の「宛てがい食」に甘んじていると、「身も心もおのれ自身から凡俗化して行く」と、食への無関心を嘆く。

また絵画については、「腕が画を描くのではない。人間が画を描くのだ」と、技巧重視を厳しく批判する。自らの審美眼を信じ、何事にも妥協しない強靭な精神がここにある。

                                                                             
手塚治虫、赤塚不二夫ほか 『原水爆漫画コレクション』
平凡社 全4巻各3024円

戦後70年にふさわしい好企画である。1950年代から60年代に発表された、原水爆をテーマとする漫画の代表作が集められた。原子力施設の事故が世界を崩壊させる、手塚治虫「大洪水時代」。第五福竜丸の悲劇を描いた、花乃かおる「ビキニ 死の灰」など必読。


五木寛之、佐藤優 『異端の人間学』
幻冬舎新書 842円

対談ではなく、対論である。メインテーマはロシア、そして宗教だ。長年ロシアと関わってきた2人が、互いの知見をぶつけ合う。世界を動かす問題としての「異端」。また、「イスラム国」が初期のソ連と酷似している、といった鋭い指摘も本書ならではだ。
                                                                            
宮木あや子 『帝国のおんな』
光文社 1404円

この連作小説の舞台は帝国テレビだ。登場する5人は宣伝部員、プロデューサー、脚本家など全て女性。まだまだ男性中心の業界を生き抜く、その仕事ぶりがすこぶるリアルだ。また恋愛も一筋縄ではいかない。格闘と葛藤の本音を、男たちも知っておいたほうがいい。


市川哲夫:編 
『70年代と80年代~テレビが輝いていた時代』 
毎日新聞出版 2700円

編者はTBS「調査情報」編集長。この放送専門誌での特集を再構成したのが本書だ。70年代と80年代の20年間を戦後史における青年期として捉え、当時の日本人がそれを通じて森羅万象を見聞きした、「テレビ」というメディアを多角的、多面的に考察している。

((週刊新潮 2015.09.24号)



「磯野フネ」こと麻生美代子さんに、拍手!

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アニメ「サザエさん」(フジテレビ)で、サザエの母・磯野フネを演じてきた、声優の麻生美代子さん。

この番組からの引退を表明し、27日の夜が、最後の放送でした。

この日の3話目「穴子さんの月見論争」。

サザエが、お月見のために食材などを買いに行き、家に戻ってきたところでフネが言います。

「お帰り。随分、買い込んできたね」

“麻生さんの磯野フネ”としては、これが最後の台詞となりました。




「サザエさん」の放送開始は1969年10月。

第一回をリアルタイムで見ています。

以来46年間、出かけている日は録画してでも、ほぼ毎回見てきました。

長年の習慣というか、これを見ないと、どうにも一週間に区切りがつかなくて。

いわば「逆・サザエさん症候群」(?)でしょうか。

私にとっては、フネさんと麻生さんは、まんま同一人物です。

とはいえ、プロデューサー時代に一度、麻生さんにナレーションをお願いしようとしたことがありました。

諸事情で実現しませんでしたが、後に「和風総本家」で麻生さんの語りを聞いた時、ちょっと悔しかったことを覚えています。


そんなこんなで、麻生さんが演じるフネさんに、この46年間、随分癒されてきました。

麻生さん、ありがとうございます。

そして、おつかれさまでした!

どうぞ、これからも、お元気で。

トヨタCM、AKB48「3人のセンター」そろい踏み!

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日経MJ(流通新聞)に連載しているコラム「CM裏表」。

今回は、トヨタ「ジャイ子とT-子編」を取り上げました。


トヨタ自動車「ジャイ子とT-子編」
アイドルらしい
明るい緊張漂う
数バージョンあるCМだが、前田敦子、渡辺麻友、指原莉乃が共演する「ジャイ子とT-子編」が抜群に楽しい。

ドライブ中、ナビのT-子(渡辺)が、「私、T-子なんて名前、イヤなの」と言い出す。しかも突然、渡辺は“裏T-子”指原に変身して怒鳴るのだ。「しずか(ドラえもんのヒロイン)とか、はるな(小嶋陽菜?)とか、カワイイ名前がよかった!T-子なんてイヤ!」。

すると今度は前田がキレる。「甘えないで!私なんてジャイ子よ!」。その剣幕に、「私、T-子でいいです」と引き下がる渡辺。だが、前田の怒りは収まらない。「ジャイって何じゃい!」。

この3人、AKB48の元センター、前センター、そして現センターに当たる。前田が在籍していた頃からの仲間でありライバルだ。そう思って眺めると、一段と味わい深い。アイドルグループならではの明るい緊張感を乗せ、ナビに導かれたクルマはすいすいと進んでいく。

(日経MJ 2015.09.28)

「デザイナーベイビー」は刑事ドラマと医療ドラマのハイブリッド

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日刊ゲンダイに連載している「TV見るべきものは!!」。

今回は、NHKドラマ10「デザイナーベイビー」について書きました。


NHKドラマ10「デザイナーベイビー」
特色は刑事ドラマと医療ドラマのハイブリッド
ある病院で新生児が誘拐される。優秀な物理工学博士(池内万作)と、元トップアスリート(安達祐実)の間に生まれたノゾミだ。

捜査に当たるのは妊娠8ヵ月の刑事・速水(黒木メイサ)。先週の初回は、早々に犯人と思われる夫婦が判明し、捕えようとしたが・・・という展開だった。

舞台となる病院が何やら怪しい。アリバイ不明の医師・須佐見(渡部篤郎)は、誘拐犯夫婦と因縁があるらしい。彼とライバル関係にある医師・崎山(渡辺いっけい)が手掛ける、高度生殖補助医療にも裏がありそうだ。

高度生殖補助医療とは、卵子と精子の両方を操作して行う不妊治療。デザイナーベイビーの発想はその先にあり、遺伝子操作によって親が望む外見や知能などを持つ子供を生み出そうというのだ。

“神の領域”だった部分に、医学がどこまで手を突っ込んでいいのか。技術面、倫理面での問題点も指摘されている。

つまり、このドラマの特色は、刑事ドラマと医療ドラマのハイブリッドになっていることだ。誘拐も単なる営利目的ではないはずで、捜査陣は最先端医療の闇に触れることになるかもしれない。

3年前、私生活で第一子の女児をもうけた黒木は、“妊婦刑事”役も実に自然。妊婦だからこそ見えてくる真実もある。やや複雑な設定ながら、新機軸の刑事ドラマが期待できそうだ。

(日刊ゲンダイ 2015.09.29)

1年生研修

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文学部の1年生研修会で、ミニ講義。

大学で何を学ぶか。

大学は、「知」と「学び」の入り口。

自分が「知りたいことは何か」を知る。

自分は「何を知らないか」を知る。

知らないことを、「どうしたら知ることができるか」を知る。

そのためには・・・・

というような話をしました。





秋学期のスタートで、にぎわうキャンパス

【気まぐれ写真館】 四谷も秋の空 2015.09.30

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