3月になりました。
大学は年度末であり、4年生には卒業式が控えています。
今月から、3年生は就職活動が本格化。
街には、新しいリクルートスーツの学生の姿が見えます。
どこか慌ただしい3月のはじめ。
「週刊新潮」での書評、次の3冊です。
佐藤 優 『神学の思考~キリスト教とは何か』
平凡社 2482円
キリスト教は欧米文化の基盤である。国際情勢を読むためにも、その論理を知ることが必要だ。著者によれば、キリスト教神学の特徴は「一般の人々に見えない事柄を可視化すること」。本書では、神、創造、人間、キリストなど神学の基礎編が語られている。
毎日新聞特別報道グループ:編著
『老いてさまよう~認知症の人はいま』
毎日新聞社 1512円
介護事業者に囲い込まれ、軟禁状態の老人。終の棲家ではないはずの保険施設で他界する老人。記者たちは社会の“圏外”に置かれた人々の姿を伝え続ける。記事がきっかけで、身元不明の認知症男性「太郎さん」が家族と再会を果たした。地道な調査報道の成果だ。
西部邁、佐高信 『西部邁と佐高信の思想的映画論』
七つ森書館 1944円
保守とリベラルの論客二人が映画について語り合う。『カサブランカ』で描かれなかった故郷や祖国に触れ、『東京物語』における戦争の影を子細に見つめ、『ドクトル・ジバゴ』のロシア革命を解読する。映画対談としての意外な取り合わせが生んだ刺激的一冊。
(週刊新潮 2105.02.26号)