発売中の「女性セブン」最新号が、フジテレビに関する特集記事を掲載しました。
この記事の中で解説しています。
記事タイトル:
もう一度わくわくさせてよ フジテレビ
記事は、フジテレビの現状に始まり、フジテレビの元アナウンサー・露木茂さんや、元ディレクター・永峰明さん、そしてペリー荻野さんなどに、お話を伺っています。
以下は、私の解説部分のみですので、記事全体は本誌をご覧ください。
元テレビプロデューサーで上智大学文学部教授の碓井広義さんも手厳しい。
「過去の成功体験にしがみついて、視聴者が求めるような新しいコンテンツを生み出せていない。例えば『アイアンシェフ』(12年10月~13年3月)は、かつての大ヒット番組『料理の鉄人』(93年10月~99年9月)のリメイクでした。スタートが11年の東日本大震災の翌年ということもあって、豪華な料理対決というエンタメを大衆が求めていない機運をフジはまったく分かっていなかった」
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70年代までのキャッチコピーは「母と子のフジテレビ」。子供向けの『ひらけポンキッキ』や主婦向けの『小川宏ショー』が看板番組だった。
「70年代までのフジは、本当に地味な放送局でした。若者が見るような派手な番組はほとんどありませんでした」(碓井さん)
当時、視聴率トップだったのはTBS。
「そのTBSを追いかけていたのが日本テレビ。フジは2強に大きく離されて、万年3位でした」(碓井さん)
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91年にバブルが崩壊すると、フジの勢いにも陰りが見え始め、94年には視聴率三冠王の座を日本テレビに奪われてまった。その理由を碓井さんが推測する。
「フジはバブル崩壊後もバブルっぽい雰囲気を残していたので、次第に世の中とズレが生じてきたんだと思います。いったんは日テレからトップの座を奪い返しましたが、それはタレントの魅力など、昔の遺産で食いつないだだけのことでしょう。
そのことがかえって過去の成功体験を引きずる原因になっているように思います。時代はとっくに変わっているのに、いまだにバブルの匂いがする。誰もやったことのない新しい番組にチャレンジしてこそフジなのに。今では『フジはダサイ』というイメージすらあるように思います」(碓井さん)
(女性セブン 2015.05.28号)