北海道新聞に、芸能人による、安保法案に対する「意見表明」についての記事が掲載されました。
この記事の中で、解説しています。
芸能人も黙っていられない
個別的自衛権で十分/平和ボケ。世界は変化/反対運動大切
安全保障関連法案について、普段は多様な考えを持つファンを意識し、政治的なテーマに触れることを避けがちな芸能界で、著名人がテレビ番組やツイッターなどで積極的に発言するケースが目立っている。
タレントの石田純一さんは17日、国会正門前に突然姿を見せ「今年は戦後70年。世界に誇る平和国家を100年、150年と続けていこう。この国は個別的自衛権で守れる」とデモ参加者にマイクで呼びかけた。
落語家の笑福亭鶴瓶さんは8月、戦後70年に関するテレビ番組で、「放送で一回も言うたことない」と前置きし、安保法案に否定的な見方を示した。「(政府は)憲法を変えようとしている。違憲という人が多いにもかかわらず、何しとんねん。僕らは微力ですけど『違う』と言い続けないとあかん。政府が変な解釈しているが、絶対あかん」
お笑い芸人の松本人志さんとSMAPの中居正広さんは、8月放送のバラエティー番組で意見をぶつけ合った。松本さんは「このままでいいち思っているのならば、完全に平和ボケ。世界情勢は変わってきている」と、法案の反対派を批判。
中居さんは「若い子が声を上げるのはいいこと」「(戦後)70年間、日本人は戦地で死んでいない。これはすごいこと」と話した。
女優の吉永小百合さんは、母校の早大で今月6日開かれた法案反対集会に、激励メッセージを寄せた。「集会の開催は素晴らしいことであり、大切なことと思っております」。
俳優の渡辺謙さんはツイッターに「一人も戦死しないで70年を過ごしてきたこの国。どんな経緯で出来た憲法であれ僕は世界に誇れると思う」と記した。
上智大の碓井広義教授(メディア論)は「芸能界では、暗黙のルールで政治的なことは言わない。自分と逆の意見の人もいて、はっきり言わない方が安全だからだ。今回、(安保関連法案に関して)何人もの俳優やタレントが意見を表明するのは珍しいケース。口をつぐんでいられないほど重要なテーマということだ」と分析した。
(北海道新聞 2015.09.18)