日刊ゲンダイで、4月からスタートする「クローズアップ現代+(プラス)」について解説しました。
美女7人日替わり制へ
新「クロ現」は国谷イズム継げるか
NHKの新年度からの新キャスター発表会見が2日、同局で行われた。中でも注目は、「クローズアップ現代+(プラス)」。1993年から22年間にわたってキャスターを務めた国谷裕子(58)が3月末で降板する報道番組「クローズアップ現代」の後番組だ。
4月からは杉浦友紀(32)、久保田祐佳(33)、小郷知子(37)、松村正代(34)、伊東敏恵(43)、鎌倉千秋(37)、井上あさひ(34)の7人がテーマに合わせて交代制でキャスターを務めることになった。放送時間帯も月~木曜の午後7時30分から午後10時に変更。
久保田アナは「国谷さんと比べると知識も少ないので、もっと勉強していきたい。ひとりの生活者としておかしいと思うことはおかしいと言いたいし、疑問に思ったことはぶつけていきたい」と語ったが、これまでは豊富な知識に裏打ちされた歯に衣着せぬ「国谷節」が見どころで、官邸までもキリキリさせていたが、7人の美女軍団で番組はどう変わるのか。
上智大・碓井広義教授(メディア論)はこう言う。
「7人の美人キャスターが日替わりで、となると、『クローズアップ現代』とは似て非なるものになるかもしれません。これまでは国谷さんの突っ込んだ物言いや追及姿勢が売りでしたが、新番組はマイルドな報道バラエティーのような雰囲気の番組になりそうです。
ただでさえ、『報ステ』の古舘さんや『NEWS23』の岸井さんなど、物言うキャスターがどんどんいなくなっている状況なので、NHKにはぜひ肩ひじ張ってほしかったですね。できるだけ無難に、官邸から睨まれないソフト路線を目指している感じがします。
ただ、質より量で勝負している分、“お客さん”はつきやすい。今まで『クロ現』を見なかった人たちも、『日替わりママ』を並べればお目当てのキャスター見たさにチャンネルを合わせる可能性があります。NHKも案外、商売っ気があるなあと。『報ステ』や『NEWS23』など裏番組のライバル店に通っていたオヤジたちが『クロ現』に流れたら、リニューアルオープン大成功でしょう」
“骨抜き”になって翌朝、ママの顔しか覚えていない、では困るが、新番組は「NHK報道の良心」とまでいわれた国谷の気概と矜持をどこまで引き継げるか。
(日刊ゲンダイ 2016.02.04)