「週刊新潮」の書評欄に書いたのは、以下の本です。
奥田英朗 『向田理髪店』
光文社 1620円
その理髪店は北海道の元・炭鉱町にある。過疎化と高齢化で風前の灯の町だ。しかし、そこにも人の暮しとささやかな事件がある。親元に戻ってきた若者。中国からやってきた花嫁。新規開店したスナック。現代の“北の国”をリアルとユーモアで描く連作小説集だ。
山口道宏
『介護漂流~認知症事故と支えきれない家族』
現代書館 1728円
介護問題の深刻さを象徴する秀逸なタイトル。認知症患者が起こした事故に、介護家族はどこまで責任を負うのか。年間10万人の介護離職はなぜ起きているのか。高齢化社会、単身化社会の現状を踏まえ、誰もが“他人事”とは言えない「在宅介護」の深層に迫る。