発売中の「週刊新潮」最新号で、フジテレビがトライする、日テレ「24時間テレビ」潰しについてコメントしました。
日テレ「24時間テレビ」潰しに
フジが送り込む「20歳刺客」
今年で36回目、しかも日本テレビ開局60周年記念となるのだそうである。何がって、8月24日〜25日放送の「24時間テレビ『愛は地球を救う』」のことだ。
「今年は森三中の大島美幸が24時間チャリティーマラソンに挑戦しますが、25日夜のグランドフィナーレでは、例年のように“感動のゴール”が用意されています」(芸能記者)
老舗テレビ局の看板番組だけに、この“感動”に対抗する局はこれまでなかった。が、今年は事情が違う。フィナーレと同時間帯の午後7時から2時間、あえて日本テレビに挑戦してきた局がある。フジテレビだ。
「フジはなんろ『ダイヤモンドグローブスペシャル』なるボクシング中継をぶつけてきたのです」(同)
世界戦? いや違う。高校生でボクシング史上初のアマチュア7冠を獲得し、プロ転向後も3戦3勝の期待の新星・井上尚弥(20)の日本ライトフライ級タイトルマッチと、ロンドン五輪の金メダリスト・村田諒太(27)のプロデビュー戦という豪華なもの。これはボクシング好きには垂涎の内容だ。
しかしここ2年、平均視聴率17%を誇る「24時間テレビ」に20歳の刺客を送って、“フィナーレ”潰しに出るとは、フジも豪胆な策に出たものだが、「日テレに一矢報いたいフジの最後っ屁ですね」と見るのは、碓井広義・上智大学教授(メディア論)。
「8月3日〜4日放送のフジ『27時間テレビ』が平均視聴率9.8%と大惨敗で、打ち切りが噂されるほど。年間資料率でもフジの威光は見る影もなく、テレビ朝日と日テレの後塵を拝し、4位のTBSに猛追されています。
こうなったら、“自分たちだけが退場してなるものか”と、過去最もテレビの力を体現してきた“キラーコンテンツ”のボクシングをぶつけ、ケンカ売ってきたんですよ」(同)
汗と涙にまみれた大島の顔か、鮮やかなKOシーンか――軍配はどっちに?
(週刊新潮 2013.08.29号)