Quantcast
Channel: 碓井広義ブログ
Viewing all articles
Browse latest Browse all 5568

ドラマ「コウノドリ」を支える、吉田羊の存在感

$
0
0



TBS系「コウノドリ」
吉田羊の存在感が大きい
今期の綾野剛主演「コウノドリ」は第2シーズンだ。しかし主人公の鴻鳥サクラ(綾野)が、患者の気持ちに寄り添いながら出産をサポートしていく、心優しい産科医であることは変わらない。

鴻鳥の信条は「妊娠は病気じゃない。でもお産に絶対はない」。確かに妊娠・出産は病気ではないが、リスクを伴うことも事実だ。たとえば第5話ではIUFD(子宮内胎児死亡)というつらいエピソードが描かれ、第6話では切迫早産で入院していた若い妊婦(福田麻由子)が、甲状腺クリーゼで命を落とした。

実際、死産の4分の1は原因不明だという。産科専門医にもわからないことはあるし、出来ないことも多い。鴻鳥たちはその現実を真摯に受け止め、何が出来るのかを徹底的に考えていく。

しかも一人のスーパードクターの活躍ではなく、「チーム」としての取り組みを描いていることがこのドラマの特徴だ。特に助産師の小松留美子(吉田羊)の存在は大きい。視聴者は、異なる職種のメディカルスタッフが対等の立場で連携して、治療やケアと向き合う「チーム医療」の現場を垣間見ることができる。

先週、小松が「卵巣チョコレート嚢胞(のうほう)」という病気で子宮摘出手術を受けた。「母にならない選択」をした女性の気持ちに、ドラマ自体が丁寧に寄り添っていることに、あらためて感心した。

(日刊ゲンダイ 2017.11.29)

Viewing all articles
Browse latest Browse all 5568

Trending Articles