日高晤郎さん死去
ラジオ司会者 率直な語り口人気
率直な語り口で道民に親しまれたラジオパーソナリティーの日高晤郎(ひだか・ごろう、本名細谷新吾=ほそたに・しんご)さんが3日午前10時50分ごろ、がんのため札幌市内の病院で死去した。74歳。大阪市出身、自宅は東京都内。葬儀は近親者で密葬を行う。7日までの午前10時から午後4時、札幌市中央区のSTVホール(北1西8)に記帳台を設置する。
大映の「第1回ミス・ミスターフレッシュフェースコンテスト」で優勝し、1962年に映画「江戸へ百七十里」で俳優としてデビュー。67年には「流れ者小唄」で歌手デビューも果たした。映画「007」シリーズで、ジェームズ・ボンド役のショーン・コネリーの吹き替えをするなど、声優としても活躍した。
(中略)
「時代の案内人」悼む
日高晤郎さんの悲報に、親交のあった人々から惜しむ声が相次いだ。
STVテレビの番組で共演するなどかねて交流してきた歌手の天童よしみさんは、今月1日に見舞いの電話をしたという。「振り絞るような声で『天童の歌に会えて良かった』と言っていただいたのが、最後の言葉になってしまいました」と声を詰まらせた。
STVラジオで長年番組を持ち、日高さんが「戦友」と呼んだパーソナリティーの河村通夫(みちお)さん(70)は「とことん物事を極めようとした人。番組を長期間続けるのは難しいが、彼がいてくれたからこそ僕もエネルギーを出そうと思った。すごいショックです」と悼む。闘病を知り、先月「日高晤郎ショー」本番中にスタジオを訪問した。「番組で音楽が流れている時で放送はされませんでしたが、ものすごく喜んでくれました」としのんだ。
札幌市中央区のSTVホールには3日夕から記帳台が設けられ、多くのファンが訪れた。「日高晤郎ショー」の公開生放送に毎週通っていた札幌市西区のパート木村幸美(ゆきみ)さん(62)は「いいところも悪いところも含めて最後までかっこよかった」と号泣。ススキノでお好み焼き店を営む工藤敦子さん(60)は「同じ大阪出身でいつもお店に足を運んでもらっていた。大好きでした」と泣きじゃくった。千歳市の会社員小林了太さん(29)は「発言は物議をかもすこともあったが、自分の意見として言っていて尊敬できた」と語った。
地方のテレビやラジオに詳しい碓井広義・上智大新聞学科教授(メディア文化論)は、日高さんを「事件や政治経済から近所のうわさ話まで、市井の人たちと一緒に笑ったり怒ったりする『時代の案内人』だった」と評した。
【千葉佳奈】
(北海道新聞 2018.04.04)