週刊新潮に、以下の書評を寄稿しました。
大沢在昌 『爆身』
徳間書店 2052円
主人公の名はキリ。フリーのボディガードだ。仕事の依頼人と待ち合わせたが、相手は目前で爆死してしまう。被害者にキリを紹介した大物フィクサーから、ことの真相を探るよう依頼を受ける。謎の古武術。宗教集団。「呪い」をめぐって水面下での死闘が始まる。
楠木 新
『定年準備~人生後半戦の助走と実践』
中公新書 886円
昨年話題となった『定年後』の続編。人はいきなり変わることはできない。だから定年前の助走が必要だと著者は言う。魅力的な先人に学びながら、「もう一人の自分」を見つけるのだ。同時に地域と家族にも目を向けておくべし。人生の時間を大切にしたくなる。
穂村 弘 『水中翼船炎上中』
講談社 2484円
なんと17年ぶりの最新歌集。SMAPの曲を思い出させる「夜ごとに語り続けた未来とは今と思えばふわふわとする」。記憶の中で昭和の家庭がよみがえる「ちちははが微笑みあってお互いをサランラップにくるみはじめる」。想像力を刺激する328首が並んでいる。
(週刊新潮 2018年7月12日号)