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Channel: 碓井広義ブログ
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「テレビ局のSNS活用」についてコメント

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ドラマ宣伝 若者に照準 
SNS活用/拡散力絶大 
テレビ局 可能性を実感
若者のテレビ離れが進む中、各局による会員制交流サイト(SNS)の活用がドラマの分野で広がっている。複数のSNSでアカウントを作るのは当たり前。工夫を凝らす挑戦からは、新たな可能性も見えてくる。

「カワイイすぎる」「応援してるだお」。今年、男性同士の恋愛を描き話題となったテレビ朝日の「おっさんずラブ」。吉田鋼太郎演じる部長が、愛する部下を隠し撮りしてインスタグラムに投稿する設定の「武蔵の部屋」に、ファンの熱いコメントがあふれた。

最盛期のフォロワーは約51万人。テレビ朝日は「ドラマが終わってからもSNSで盛り上がりが衰えず、放送終了後のグッズ販売など異例の展開も生んでいる」と驚く。

日本テレビは2017年放送の「過保護のカホコ」を宣伝するため、友達登録すると主人公を模した人工知能(AI)が受け答えをしてくれるLINE(ライン)のアカウント「AIカホコ」を開設。SNSなどで評判が広まり、友達は44万人、ラインのやりとりは計1億回以上に上った。

利用停止の際には「やめないで」と多くの声が上がり「AIカホコロス」も発生。宣伝部専門副部長の西室由香里は「現実とフィクションがボーダーレスになった」とみる。主な利用者は10~20代の女性で「テレビを見ない層への効果が大きかった」。AIを使ったSNSでの新たな計画も進む。

NHKは大河ドラマ、連続テレビ小説、その他のドラマで、それぞれアカウントを設ける。9月まで放送した朝ドラ「半分、青い。」では、ツイッターでリハーサルの様子など話題になりやすい素材を提供し、インスタグラムでは若い世代を狙った動画を多く使うなど、メディア特性に応じた展開を試みた。

ツイッターのフォロワーは最多約15万人、インスタグラムは約43万人にまで増加。広報プロデューサーの川口俊介は「放送後に情報を発信し、反応がニュースになるなど新しい情報の転がり方が生まれつつある。可能性が広がった」と話す。

他のテレビ局も「番組に対する興味を高めるのに最適なツール」(TBS)、「既になくてはならない存在」(フジテレビ)と高く評価。

上智大の碓井広義教授(メディア文化論)は「ネット動画の利用など視聴スタイルは変化しているが、面白ければ若者もドラマを見る。むしろ、連続ドラマでは次回の放送までをSNSがつなぐ形となり、良いとなったら拡散力がすごい」と指摘。

「テレビ局には、インターネットと一緒にドラマを育てていくという姿勢で臨んでほしい」と話している。

(共同通信発、河北新報2018.11.05ほか)

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