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岩手日報で、「嵐」休止について解説

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SNS時代 スター苦難 「嵐」活動休止発表 
言動拡散、強まる重圧 
「引退増える」有識者が予測
人気グループ「嵐」が2020年末をもっての活動休止を発表した。芸能人は人気が高まれば高まるほど公私の別なく注目される立場になる。会員制交流サイト(SNS)の普及でスターを演じ続ける重圧が強まり、芸能活動の”転機”をファンにどう伝えるかも問われている。

「自由に生活をしてみたい」。27日夜に急きょ行われた記者会見で、嵐のリーダー大野智さんは率直に心情を語った。

タレントの認知度や「見たい」「知りたい」との意向をアンケートしたアーキテクト社の「タレントパワーランキング」では、嵐は桑田佳祐さんや宇多田ヒカルさん、福山雅治さんらを上回り「歌手・ミュージシャン」で1位。男女問わず幅広い世代に人気だ。

嵐の5人は歌の他、テレビのバラエティー番組やドラマ、映画でも活躍。国民的スターとしてあらゆる場面で注目され、批評の対象にもなってきた。

音楽マーケッター臼井孝さんは「芸能人の生きづらさが高まっている。SNSで批判や中傷が広まって活動を続けられない芸能人も出ており、活動休止や引退は今後増える」と予測する。

アイドルが芸能マスコミだけに気を付けていれば良かった時代と異なり、今はSNSの発達で「一億総ジャーナリスト時代」だと上智大の碓井広義教授(メディア文化論)も指摘する。

「自分の言動が思わぬ形で拡散してしまう時代なので、10~20年前のアイドルとは違うプレッシャーがあるだろう」

その上で嵐の会見について「運動体としての『嵐』を可能な限り自分たち5人でコントロールする意思を感じた」と語る。16年のSMAP解散を巡る騒動を、同じジャニーズ事務所の後輩に当たる嵐のメンバーが見て「『着陸』の仕方の大切さを感じたのではないか」。

話し合いを重ねたことを強調し、約2年後のグループ活動の休止を、時に笑顔を交えながら穏やかに伝えた嵐の”ソフトランディング(軟着陸)”。

「今回、嵐が示した形は、さまざまなグループや芸能人が今後、休止や解散などの局面に立った際のロールモデルになるのではないか」と碓井教授はみている。

(岩手日報 2019.01.29)




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