大石静氏が『大恋愛』で脚本賞
戸田×ムロの恋人役に「これはいける」
【18年10月期ドラマ賞】
オリコンによるエンタテインメントビジネス誌『コンフィデンス』が主催し、有識者と視聴者が共に支持する質の高いドラマを表彰する「コンフィデンスアワード・ドラマ賞」が、18年10月期(第14回)の結果を発表。「脚本賞」は、金曜ドラマ『大恋愛~僕を忘れる君と』でオリジナルの純愛物語を紡いだ大石静氏が受賞した。
『セカンドバージン』(NHK総合)など、オリジナルによるヒット作を多数手がけ“ラブストーリーの名手”とも称される大石氏が今回挑んだのは、若年性アルツハイマーにおかされる女医(戸田恵梨香)と、彼女を明るく支え続ける元小説家の男(ムロツヨシ)の10年間を描く純愛ドラマ。
時代性やテレビ視聴スタイルの変化により、近年はこうしたラブストーリー作品が苦戦を強いられる状況にあるなか、大石氏は「恋人が記憶を失っていく」という使い古されたフォーマットを用いながら、見事に“愛の奇跡”を描き上げた。
同作が切なくも終始明るさを纏っていたのは、劇的でありながらも地に足の着いたストーリー展開、登場人物の魅力的なキャラクター、そしてウィットに富んだ会話・やり取りがあったからこそと言えるだろう。
有識者からは、「病を抱えたヒロインとそれを支える男。2人の“生きる覚悟”には、最後まで見届けたいと思わせるだけの現代性と切実感があった」(碓井広義氏/上智大学文学部新聞学科教授 メディア文化論)、「“悲しいラストへの旅路”という全体像が見えているなかでの物語展開はやはり見事」(境真良氏/国際大学GLOCOM 客員研究員)との声が寄せられた。なお、大石氏の受賞コメントは以下のとおり。
◆脚本賞:大石静氏
本当にうれしく思います。光栄のひと言に尽きます。戸田恵梨香さん、ムロツヨシさんの驚きのカップルがキャスティングできた時に、これはいけるかもしれないと思いました。そして、撮影現場や完成した映像を観て、ラブラブなシーンが、観る人をこんなに幸せにするコンビは、他にいないと確信しました。『大恋愛』という大仰なタイトルは最初はイヤだったのですが(笑)、終わってみれば、このタイトルにふさわしいドラマだったと思っています。
※「コンフィデンスアワード・ドラマ賞」とは
オリコンのグループ会社oriconMEが発行する、週刊エンタテインメントビジネス誌『コンフィデンス』が主催し、有識者と視聴者が共に支持する「質の高いドラマ」を表彰する賞。視聴者の評価は、『コンフィデンス』が毎週、約700名を対象に調査しているドラマ満足度調査「オリコンドラマバリュー」の累積平均データを使用。審査員の投票結果と合計したうえで、最終的には有識者15名による審査会で決定する。
(オリコン 2019.02.01)
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