週刊新潮に、以下の書評を寄稿しました。
久米 明
『僕の戦後舞台・テレビ・映画史70年』
河出書房新社 3078円
俳優・声優である著者は、94歳の今も『鶴瓶の家族に乾杯』などのナレーターを務める現役だ。旧制麻布中学、東京商科大学(現・一橋大学)、そして学徒動員。役者人生は70年を超える。テレビ草創期から黒澤明監督や福田恆存についてまで、貴重な証言のオンパレードだ。
(週刊新潮 2019年1月31日号)
後藤正治
『拗ね者たらん~本田靖春 人と作品』
講談社 2592円
『誘拐』や『不当逮捕』などで知られる本田靖春。自伝のタイトルが『我、拗ね者として生涯を閉ず』だ。作品の徹底的な「読み」と、関わりのあった編集者たちの「証言」で構築された本書から、本田の“持続する志”が見えてくる。読み応えのある本格評伝だ。
(週刊新潮 2019年1月24日号)
蜂飼耳
『朝毎読~蜂飼耳書評集』
青土社 2160円
異能の詩人が新聞3紙に寄稿した書評集。新聞の書評の面白さを著者は「凝縮感」だと言う。本書に並ぶ文章もまさにそれだ。内容はもちろん、その本で何を考え感じたのか。さらに批評も加えた小宇宙。諏訪哲史『岩塩の女王』を、執筆の呼吸で語る鋭さに瞠目する。
中川右介
『サブカル勃興史』
角川新書 907円
70年代サブカルチャーの考察だ。70年の『ドラえもん』を皮切りに、71年『仮面ライダー』、74年『宇宙戦艦ヤマト』、そして79年『機動戦士ガンダム』などが登場する。注目すべきは、これらの作品が半世紀近くを経た今も“健在”であることだ。その秘密とは?
(週刊新潮 2019年1月17日号)
僕の戦後舞台・テレビ・映画史70年久米明河出書房新社
拗ね者たらん 本田靖春 人と作品後藤正治講談社
朝毎読 ―蜂飼耳書評集―蜂飼耳青土社
サブカル勃興史 すべては1970年代に始まった (角川新書)中川右介KADOKAWA