Quantcast
Channel: 碓井広義ブログ
Viewing all articles
Browse latest Browse all 5568

中日新聞などで、アーティストの「ライブ動画配信」について解説

$
0
0


 双方向で新しいつながり 
アーティストとファン
ライブ動画配信

新型コロナウイルスの影響で在宅時間が長くなる中、写真・動画投稿アプリ「インスタグラム」で歌手や俳優らのライブ動画配信が活発だ。視聴者はスマートフォンなどで配信中にコメントを送れるなど双方向性が魅力で、アーティストとファンが新たな関係を築きつつある。

大規模イベントの自粛要請を受け中止になった堂本光一主演のミュージカル「Endless SHOCK」は三月二十二日、東京・帝国劇場から舞台の一部を生配信、約二十一万人が視聴した。出演者同士の何げないやりとりなど、観劇とはひと味違う楽しみを提供した。フォロワーが九百万人超えの渡辺直美らタレントやスポーツ選手らも多数ライブ動画を発信する。

星野源は、生配信ではないが「家でじっとしていたらこんな曲ができました」と「うちで踊ろう」を歌う動画を公開。

「楽器の伴奏やコーラスやダンスを重ねてくれないかな?」という星野の呼びかけに芸能人、国内外のファンも続々と呼応し豊かな“セッション”を繰り広げている。

インスタグラムは二〇一〇年十月創業、一二年にフェイスブック傘下に入った無料アプリ。近年はスマホで「インスタ映え」する風景やスイーツなどを撮影、投稿するブームも起きた。

ライブ動画機能は日本では一七年に導入。インスタグラム広報の市村怜子さんによると、新型コロナ感染拡大が顕著になった今年三月、ライブ動画機能利用数は十一日からの一週間に比べ、十八日からの週は50%増加した。

ミュージシャンの坂本美雨もライブ動画を積極的に発信する一人。

「書き言葉は人によっていろいろな読み方ができて、場合によっては傷つけることもあるかもしれませんが、自分が生で話す言葉は、自分のキャラクターを含めて伝えられると思うんです」

今、会いたい人に会えず、孤独にさいなまれる人は多い。新型コロナが広がり始めて以降、坂本は二日に一回は生配信する。澄んだ歌声、時に友達とのおしゃべりも。

「夜中に配信しても見てくれる人の気配がする。そういう気配ってとても大切だと思うんです。人と関わることをやめない、ということも大切で、そのためにも生での配信を続けたいですね」

メディア文化評論家の碓井広義さんは「アーティストにとってライブ動画配信は新しいコミュニケーションの形。ファンはもちろん、幅広い世代に届けられ、見る側と双方向感を共有できるのも魅力だ。同じ空間、時間を共有するこれまでのライブの概念や仕組みが、コロナ禍を経て変わるのではないか」とみている。

(中日新聞 2020年4月22日)

*この記事は共同通信によって、
 京都新聞、岩手日報、熊本日日新聞、
 下野新聞、西日本新聞などにも配信されました。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 5568

Trending Articles