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Channel: 碓井広義ブログ
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週刊朝日で、「朝ドラ」11月以降開始について解説

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朝ドラ「おちょやん」杉咲花 

異例の晩秋スタートで現場困惑

 

現在放送中のNHK連続テレビ小説「エール」が、6月29日から一時、放送を休止する。新型コロナウイルスの感染拡大の防止で、撮影を見合わせているためだ。

この影響で、2020年度後期のドラマも調整せざるを得ないという異常な事態となっている。60年近くにおよぶ朝ドラの歴史上、初めてのことだ。

「放送休止のしわ寄せが次作に来るかもしれません」

そう話すのは、朝ドラ評論家の田幸和歌子さん。

朝ドラは、今回から4K放送対応となり、編集の作業が変化した。それに加え、働き方改革の影響もあり、放送はこれまでの月〜土の週6回から、月〜金の5回と短くなっている。

「そこからさらに短縮してコンパクトなものになってしまうと、せっかく練り込まれた作品なのでもったいない気がします。ただ、撮影が再開しても、現場対応はいろいろと大変です」

大人数が集まったり、出演者が密着、密接したりする場面は撮りづらくなるからだ。

「エール」は、窪田正孝の主演で、作曲家・古関裕而の人生を描いている。後期は、戦前から松竹で活躍した女優・浪花千栄子をモデルにした「おちょやん」(主演・杉咲花)。「エール」の放送休止にともない、「おちょやん」も11月以降の開始にずれ込みそうだ。

メディア文化評論家の碓井広義さんは、こう話す。

「『エール』も『おちょやん』も実在の人物がモデルであるため、話数の調整はしやすいのでは。実際に起こったことをベースに描いていくわけですから、始まり方と終わり方はある程度決まっています。その分、途中でのコントロールのしやすさはあります。逆に、架空のエピソードを足していくほうが難しい」

仮に「おちょやん」が年度末に終了せずに、次々作も5月以降にずれ込む可能性もある。

前出の田幸さんは、

「思い切って『おちょやん』を春スタートにまでずれ込ませ、その間、しっかり作ってあげたほうがいいのでは」と話す。

碓井さんは、

「朝ドラは、日々の時計代わりであるとともに、特に春スタートの作品は、季節、年度のスタートに合わせた、暮らしのリズムとも一致している側面もあります。しかし、今回学校の9月スタートも検討されているように、コロナによって社会のリズムも大きく変わる可能性がある。その影響はテレビ界にも出てくるかもしれません」

まずは、「エール」が再開しないことには始まらない話ではあるが……。【本誌・太田サトル】

(週刊朝日  2020年6月5日号)


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