NHK近江友里恵アナ
家族の反対を押し切った15歳の年の差婚
「私の家というか、ここは親戚の家なので……」
アナウンサーの職責が正しい情報を伝えるものであるならば、この場合は明らかに失当だろう。
声の主は、平日の朝8時15分から放送されている「あさイチ」でMCを務める近江友里恵アナ(31)。番組終了後の昼下がり、新居の前でそう口にした彼女は、朝の笑顔から一転、顔を曇らせるばかりだった──。
「近江アナは早稲田大学を卒業し、2012年に入局。初任地の熊本を経て福岡放送局、そして16年から東京勤務となりました」とは、スポーツ紙デスクである。
「その年の4月にはさっそく、桑子真帆アナの後任で人気番組『ブラタモリ』のアシスタントに抜擢されました。番組ではもっぱらタモリを立てて受け身に回りながら、持ち前の“ほんわか”した雰囲気で息の合った掛け合いを見せていました。
これでブレイクし、特に年配視聴者の好感度を高めた彼女は、退職した有働由美子アナの後任として18年4月から『あさイチ』のMCに収まった。局の期待がはっきり見てとれます」
かつてブラウスの前後を逆にしたままニュース番組に出演するなど、局内では“ドジキャラ”で通ってきたという彼女も「朝の顔」となって2年。
「前任者が押しも押されもせぬ大ベテランの有働アナだったため、その後任は荷が重かろうという懸念もあったのですが、有働アナが始めた、前番組の朝ドラの感想から入る“朝ドラ受け”も健在です。
現在放送中の『エール』では、近江さんの母校である早大の応援部が登場しますが、5月18日のオンエアでは『私も応援部でチアリーディングをしていた』と、突然カミングアウト。ツイッターでは“近江ちゃん”がトレンドワード入りするなど、大きな反響を呼びました」(同)
“番組の作法”も、大先輩からしっかり受け継いだわけだ。その一方、私生活では浮いた噂と無縁のまま現在に至り、当然シングルだと目されていたのだが、「実は近江さんは昨年春、ひそかに入籍しているのです。これは、局内でもごく一部の人しか知らされていません」と、およそイメージに似つかわしくない一面を明かすのは、さるNHK関係者である。
「お相手は15歳も年上の局員で、現在は仙台放送局に勤務しているプロデューサー職の男性。近江さんとは同じ福岡放送局での勤務時代に知り合い、交際が始まりました」 とのことで、「近江さんは16年に東京のアナウンス室へと移ってきましたが、相手の男性は一足先に福岡から渋谷の本局の経済社会情報番組部へ異動していました。交際自体は順調で、結婚も考える段階に至っていた。ところが大きな年齢差もあり、近江さんのご家族が難色を示していたのです」(同)
周囲の賛同が得られぬまま、19年初めには相手の男性に仙台放送局への異動が内々に示され、 「それを機に、男性の気持ちは“結婚できないのなら別れよう”という方向に傾いていったのですが、それでもなかなか踏ん切りがつかなかったというのです」
ところがその後、一緒に家屋を新築する話が持ち上がり、二人の仲はいっそう強まったというのだ。
“駆け落ち婚”ネックとなっていた近江アナの家族については、「近江さんが『私が説得するから』と言うので、一度は離別を考えた男性も了承し、その年の春に入籍しました。6月から男性は単身、仙台での勤務となり、夫婦の名義で土地を購入したのは7月だったと聞きました。新居が完成するまで、近江さんは引き続き都心のマンションで一人暮らしをしていたのです」(同)
家族の反対を押し切り、ひと回り以上も歳の離れた男性と一途に“駆け落ち婚”を遂げた近江アナ。その芯の強さは、番組で醸し出す雰囲気とはまさに対極である。
念願の新居は、今年の2月に完成。私鉄駅にほど近い、閑静な都内一等地の3階建てで、家屋もまた夫婦が等分で所有している。近江アナは平日の早朝、局の差し回すハイヤーに乗り込み、渋谷の本局へと赴く。
一方の夫は、仙台にてチーフプロデューサーという立場で番組制作を指揮しているという。仙台で男性に尋ねると、「(近江アナとは)昨年の5月1日に籍を入れました」と認めるのだ。
一方、東京でひとり新築一戸建てに住む近江アナを訪ねると、冒頭のようにはぐらかしつつも、「(結婚については)局の広報を通してください」と言うので、NHKに聞いたところ、 「職員のプライベートについてはお答えしていません」(広報局)
言わずもがな、看板たる“朝の顔”へは鉄壁のガードを敷く公共放送の姿である。
メディア文化評論家の碓井広義氏が言う。
「いまやNHKも、桑子さんのように“私が私が”と自らを前面に押し出すアナウンサーが増えましたが、近江さんは古き良きNHKの匂いがする珍しいタイプで、コロナ禍でステイホームが続く中、こうした人を観ると癒やされます。今回、年上の方と結婚したとのことですが、番組でのタモリさんとのやり取りのように、彼女の自然な素朴さを引き出せるのは、年上のお相手なのかもしれませんね」
まずは、人生の新ステージに立った彼女の“出口戦略”を見守るしかあるまい。
(週刊新潮 2020年5月28日号)