人気グラドル・園都(その みやこ)が
コロナ禍に「事務所独立」した理由語る
2020年は有名芸能人の「退社」が相次いで報じられ、1つの“トレンド”になっている。ジャニーズ事務所のNEWS・手越祐也の退所が記憶に新しいが、今年は米倉涼子や中居正広といった大御所から岡田結実のような若手ホープまで実に多くの芸能人が事務所を離れる決断をした。
ひと昔前の芸能界は、大手事務所を離れてフリーになったタレントがなかなか活躍しづらい実情があった。しかし近年は、SNSの発達によってタレントとファンの距離が近づいたことでそうした状況も変わってきている。そんななかでまた1人、事務所から独立し「フリー」として活動していく決断をしたタレントがいる。
人気グラビアアイドルで、バラエティ番組等でも活躍する園都だ。
「新型コロナウイルスの影響で皆さんにちゃんとお話できていなかったのですが、5月末にお世話になった所属事務所を退社いたしました。事務所とはちゃんと話し合った上で、円満に送り出していただきました。最近はファンの方と触れ合うイベントなどができないのが心苦しいですが、新しい門出のことを考えて前向きに過ごしていました」
園は2016年にグラビア活動を開始し、“愛人キャラ”で人気を博して以降、2019年には映画に出演するなど着実にキャリアを積み上げてきた。そんな彼女が独立を決意した背景には、「28歳」という年齢と仕事へのある想いがあった。
「お陰様で色々な仕事をさせていただいて、本当に充実した芸能生活を送ってきました。その中で、私にとって最近本当に楽しい仕事が『サウナ』に絡んだお仕事だったんです。元々趣味で週に5回はサウナに行っていたので(笑)、大好きなサウナにお仕事で関わることができるのは本当にやり甲斐がありました。
今年11月で28歳になるのですが、いまメインでやらせていただいているグラビアのお仕事だけでなく将来に向けて自分の『軸』となる仕事を大事にしていきたいと思ったんです。それがサウナでした。どうしても事務所に所属していると自分の思う通りにはオファーは選べません。ある程度の年齢に差し掛かったことと今回のコロナ騒動で、これからは『自分で後悔のない選択をしよう』と決めたんです」フリーになった園が驚いたのは、退所を報告した仕事関係者たちの反応だった。
「直接お仕事でご一緒した方々には、少しずつフリーになったことをご報告させていただいているのですが、皆さんからは揃って『おめでとう、応援してるよ』『頑張ってね!』など温かい言葉を頂戴しました。驚いたのが誰からも『なんで辞めたの?』と聞かれなかったことです。最近、フリーになることを選ぶタレントさんが多いからかもしれませんが、私の選択をまずは応援しようと自然に受け入れてくださったことが何より嬉しかったです」
令和のタレントは“個性の時代”
こうしたタレントたちの事務所独立を後押ししているのが、急速なSNSの普及だ。園も自身のインスタグラムでは42万人ものフォローを抱えている。そして現在はマネージャーをつけずに、SNSを通じて仕事のオファーを受けているという。
「昔だったら事務所という連絡の窓口がなくなると、仕事を受けること自体が難しくなっていたと思いますが、今はツイッターもインスタグラムもあります。直接メッセージのやり取りもできるので、ありがたいことに今もお仕事をいただけています」
元上智大教授でメディア文化評論家の碓井広義氏は、相次ぐタレントの事務所独立は「令和に入ってからの特徴だ」と分析する。
「令和のタレントは“個性の時代”と言われていて、有名なドラマや映画に出演するというこれまでのヒットの“王道”に囚われなくてもよくなってきたのです。 SNSでバズることで、コアなジャンルのファンに熱狂的な人気を得ているタレントの登場が急増しました。園都さんはサウナという男性愛好者が多いジャンルで女性としては稀有な存在ですし、コスプレイヤーの方などはSNSで話題になってから雑誌のグラビアやテレビのオファーを受けるようになった。タレント個人の発信力が増したことが、事務所独立を後押ししているのでしょう」
趣味や嗜好が多様化する時代にあって、タレントの仕事もより個性を重視する流れが訪れたようだ。今後もSNSはより一層の普及が見込まれるだけに、この流れはさらに加速していくかもしれない。
(NEWSポストセブン 2020年7月21日)