毎日小学生新聞で、カンニング竹山さん関連記事

＜NEWSの窓＞

　タレントのカンニング竹山たけやまさんが、３月がつ２８日にちのＴＢＳ系けい生放送なまほうそう番組ばんぐみで、小池百合子こいけゆりこ東京都知事とうきょうとちじらが出演しゅつえんする広報動画こうほうどうが制作せいさく費ひについて「１本ぽんに４．７億おく円えんがかかっている」などと述のべました。その後ご、「（東京都とうきょうとの）広告こうこく全体ぜんたいの経費けいひでした」などと番組内ばんぐみないで間違まちがいをただし、あやまりました。にもかかわらず、東京都とうきょうとが放送ほうそう後ご、「訂正ていせい内容ないようは都民とみんに十分じゅうぶんに伝つたわっていない」とＴＢＳと竹山たけやまさんの事務所じむしょに抗議こうぎしたことが、「表現ひょうげんの自由じゆう」をおびやかすのではと議論ぎろんになりました。

　毎日新聞まいにちしんぶんデジタルの４月がつ４（よっ）日か配信はいしん記事きじは専門家せんもんかの見方みかたを紹介しょうかいしました。元上智大学もとじょうちだいがく新聞しんぶん学科がっか教授きょうじゅの碓井広義うすいひろよしさんは、すみやかに訂正ていせい・謝罪しゃざいしたのだから竹山たけやまさんやテレビ局きょくに問題もんだいはないとし、「テレビ局きょくに『このタレントを起用きようしたら面倒めんどうくさい』という印象いんしょうを与あたえ、圧力あつりょくをかけているようにしか思おもえません。『前代未聞ぜんだいみもんの対応たいおう』と考かんがえます」と批判ひはんしています。

　一方いっぽう、芸能界げいのうかいの法務ほうむなどにくわしい石井いしい逸郎いちろう弁護士べんごしは「社会的影響しゃかいてきえいきょう力りょくのある人ひとがテレビでコメントをする以上いじょう、覚悟かくごが必要ひつようで、間違まちがった情報じょうほうを伝つたえてしまった時ときに抗議こうぎを受うけるのは当然とうぜんのことです」との見方みかたをしました。そして、「行政機関ぎょうせいきかんは基本的きほんてきにはマスコミや市民しみんの批判ひはんをそのまま甘あまんじて受うけるべきだ」としたうえで、誤あやまった情報じょうほうの拡散かくさんや過剰かじょうな演出えんしゅつは抑制よくせいされるべきだと指摘してきしました。

　新聞記者しんぶんきしゃ時代じだい、予算よさんや保険ほけんなどお金かねに関かんする記事きじを書かいた後あとに関係かんけいする官僚かんりょうらが「説明せつめいしたい」というので会あったら、「記事きじのここが問題もんだいだ」と“説明せつめい”されたことが一度いちどならずありました。「だったら訂正記事ていせいきじを求もとめればいいのに」と思おもいましたが、今後こんご記事きじを書かくときに慎重しんちょうになるよう「威圧いあつ」するために来きたのだと受うけ止とめました。今回こんかいの問題もんだいでも、東京都とうきょうとには、小池都政こいけとせいに厳きびしい竹山たけやまさんの今後こんごの発言はつげんをおさえようという意図いとがあるのでは？とかんぐってしまいました。

　毎日新聞社まいにちしんぶんしゃの政治部せいじぶ、夕刊ゆうかん編集部へんしゅうぶで政治せいじを長ながく取材しゅざい。週刊誌しゅうかんし「サンデー毎日まいにち」編集長へんしゅうちょうとして新聞しんぶんを外そとから見みる経験けいけんをして、メディアに関心かんしんを持もつようになった。１９６１年ねん生うまれ。

（毎日小学生新聞　2021.04.10）