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Channel: 碓井広義ブログ
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“時をかけて”大人になった原田知世が主演「紙の月」

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日刊ゲンダイに連載している「TV見るべきものは!!」。

今回は、4日の夜に最終回を迎えた、原田知世主演のNHKドラマ10「紙の月」について書きました。


NHKドラマ10「紙の月」
見どころは主演の原田知世に尽きる
NHKドラマ10「紙の月」(火曜夜10時)が今夜、最終回を迎える。

家庭ではごく普通の主婦であり、パート先の銀行では模範的な渉外担当だった梨花(原田知世)。

ふとしたきっかけで1億円もの金を横領し、海外へ逃亡することになる。若い男との出会いもあったが、理由はそれだけではない。これは40代の中年妻が心の奥に抱える闇と孤独を描く意欲作だ。

見どころは主演の原田知世に尽きる。

原田といえば映画「時をかける少女」だ。1983年の作品だから30年が経過しているし、コーヒーのCMや朝ドラ「おひさま」などにも出ていたのだが、そのピュアなイメージはデビュー作の頃と変わらない。実に稀有な女優だ。

とはいえ現実の原田は結婚・離婚も経験した46歳である。これからは文字通り「大人の女優」として歩みたいはずだ。その意味で、中年女性が自らを追い込みながら「私の人生って何だったの?」と問うこのドラマは、今の原田が挑戦すべき1本だったと言える。

「あまちゃん」で薬師丸ひろ子、そして本作で原田知世。かつての角川映画の2大ヒロインにして、“永遠の少女”だったこの2人に、ドラマという「舞台」を用意し、堂々の“成人”にしたのはNHKのお手柄だろう。

原作は角田光代の同名小説で、ヒロインの心の軌跡を追うのに全5回は短いが、印象は鮮烈だ。

(日刊ゲンダイ 2014.02.04)

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