池波正太郎さんも、山口瞳さんも、これまでずっと愛読してきた作家です。
そのお二人に接してきた山口正介さん(作家、山口瞳の長男)による、書き下ろしエッセイが、『正太郎の粋 瞳の洒脱』 (講談社文庫) 。
それぞれの旅、東京、母、家庭、家、食、健康などが、二人を対比させながら語られています。
この本の中で、以下のような文章を見つけました。
池波さんと瞳は二人とも、通ぶらないのが通である、という偉大なる逆説を体現していたことになる。
(寿司屋での失態)
池波さんの『男の作法』(新潮文庫)を取り出し、確認してみる。
確かに、扉ページに・・・・
鮨屋へ行ったときは
シャリだなんて言わないで
普通に
「ゴハン」と言えば
いいんですよ。
・・・・とある。
ずっと前にこれを読んで、以来、そのようにしております(笑)。
今週の「読んで、書評を書いた本」は次の通りです。
楡 周平 『象の墓場』 光文社
蜷川幸雄 『演劇の力』 日本経済新聞出版社
小林信彦・萩本欽一 『ふたりの笑タイム』 集英社
永 六輔 『むずかしいことをやさしく、やさしいことを深く、深いことを面白く』 毎日新聞社
野上照代 『もう一度 天気待ち〜監督・黒澤明とともに』
草思社
猪谷千香 『つながる図書館』 ちくま新書
* これらの書評は、
発売中の『週刊新潮』(2月27日号)
読書欄に掲載されています。