新刊の大場健治『銀幕の恋 田中絹代と小津安二郎』(晶文社)を読了。
書評で取り上げる予定です。
こういう本を読んでいると、やはり映画館に行きたくなる。
いや、往年の日本映画を上映する名画座もほとんどないから、映画館は無理か。
もうどれもDVDでしか見られないですね。
いやいや、DVDで見られるんだから、いい時代って言うべきなのかな?(笑)
小津作品は何本か手元にありますが、田中絹代のエピソードにある清水宏監督や吉村公三郎監督の作品は持っていません。
その代わりにはならないけど、吉村監督の『映像の演出』(岩波新書)を取り出してきて、パラパラと。
吉村監督曰く、
「映像のほどんどは<演出>されている」
確かに、そうです。
「映像は本当らしく作られ、<作られていること>をみる人に
気づかせないほど成功なのである」
これまた然り。
「映像がすべてを左右する今日の日本はまさに『映像独裁国家』
である」
監督がここで言う「映像」は、文脈ではテレビを指しており、この本が書かれたのが1979年であることを思うと、感慨深いものがあります。
今週の「読んで、書評を書いた本」は次の通りです。
伊東 潤 『峠越え』 講談社
姜尚中 『心の力』 集英社新書
田澤由利 『在宅勤務が会社を救う』 東洋経済新報社
適菜 収 『箸の持ち方』 フォレスト出版
坂崎重盛 『ぼくのおかしなおかしなステッキ生活』 求龍堂
* これらの書評は、
発売中の『週刊新潮』(3月20日号)
読書欄に掲載されています。