映画「渇き。」を観ました。
中島哲也監督の新作です。
元刑事のロクデナシ親父・藤島(役所広司)に離婚した元妻から連絡が入った。成績優秀なうえ、容姿端麗、学園のカリスマでもある女子高生の娘・加奈子(小松菜奈)が失踪したという。自分のせいで全てを失った男が、再び"家族"を取り戻すべく、姿を消した娘の行方を追うことに。娘の交友関係をたどって行く先々で、語られる「知らない加奈子像」に戸惑う藤島。想像を超えて肥大し、踏み入れるほどに見失う娘の正体。やがて藤島の激情は、果てしない暴走をはじめる―。
中島監督作品は、「下妻物語」「嫌われ松子の一生」、そして「告白」と観てきましたが、中では「告白」がマイベストです。
で、どうしても「告白」との比較をしちゃうんですね。
というか、「告白」の時の衝撃が味わいたくて、新作を待っていたような気がします。
さて、「渇き。」。
多分、監督は、自身のやりたいことをやり、撮りたいものを撮っていると思います。
映像も編集も音楽も、全編、“中島ワールド”ですから。
でも、どこか“手つき”が乱暴すぎるというか、雑な感じというか。
登場人物の中の誰にも感情移入できなくても、それはそれで構わないのですが、終わっての後味のようなものまで、ただザラザラしているのは、ややしんどかったです。
“中島マジック”の使い方として、この作品の方向じゃないほうがいいのでは、とさえ思ってしまいました。
うーん、ちょっと残念。
ただ、小松菜奈さんは、これからいろんな作品からオファーがあるでしょう。
二階堂ふみさんは、やはり印象に残りました。「私の男」が観たくなります。