日刊ゲンダイに連載している「TV見るべきものは!!」。
今週は、バラエティドラマ「アラサーちゃん無修正」(テレビ東京)に
ついて書きました。
テレビ東京「アラサーちゃん無修正」
金曜深夜には壇蜜がよく似合う
富士には月見草が、そして金曜深夜には壇蜜がよく似合う。オトナのためのバラエティドラマ「アラサーちゃん無修正」(テレビ東京)だ。
原作は峰なゆかが「週刊SPA!」に連載中の漫画。アラサー世代の日常を、セックスを軸にリアルに描いていて面白い。これに目をつけるあたり、さすが「極嬢ヂカラ」の工藤里紗プロデューサー(演出も兼務)である。
このドラマでは、たとえば元カレにして現セフレの男との情事の最中、「バック大好き。だって表情で演技する無駄なカロリー消費がないし」てな具合に、アラサーちゃん(壇蜜)の思っていることが本人の声で流れる。それは合コンという喧騒のゲームに参加している時なども同様で、アラサー女子の赤裸々な本音が開陳されるのだ。
また毎回、壇蜜やみひろのベッドシーンもお約束だ。深夜ドラマでエロといえば、「特命係長 只野仁」(テレビ朝日)の独壇場だったが、好敵手の出現といえる。男女の結合部分の手前に人形などを置く、プチ昭和な手法の映像も微笑ましい。
以前、放送倫理・番組向上機構(BPO)から「性表現が過激」と指摘を受けたのはフジテレビ系の昼ドラ「幸せの時間」だった。あの時は「昼間の番組にもかかわらず」とか、「子供への影響」が問題視されたが、こちらは金曜深夜0時52分。オトナの時間である。
(日刊ゲンダイ2014.08.05)