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読売新聞で、「産経新聞前ソウル支局長起訴」に関してコメント

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読売新聞に、産経新聞の前ソウル支局長が、韓国で起訴された問題に関する記事が掲載されました。

この中で、コメントしています。


韓国 日本の報道拡散
産経前支局長起訴
乱立のネット新聞で
インターネットに掲載した日本語コラムで、韓国の朴大統領の名誉を毀損したとして、産経新聞の加藤達也・前ソウル支局長(48)が8日、在宅起訴された。

朴政権の意向が働いたとされるが、背景には、韓国での5000法人に迫るネット新聞の乱立と、日本メディアの報道を日常的に翻訳して伝える韓国メディアの慣習もある。

■翻訳

「日本の報道機関が、日本の読者に向けて、日本語で執筆した記事を、関奥が国内法で処罰するということが許されるのかという疑問を禁じ得ない」。産経新聞の熊坂隆光社長は8日発表した声明で疑問を呈した。

コラムは8月3日に産経新聞のサイトに日本語で掲載された。それが韓国で広く読まれたのは、翌4日、韓国の左派系ニュースサイト「ニュースプロ」がこれを韓国語に翻訳して自社サイトに掲載したからだ。「ツイッター」などで拡散し、ネット上には大統領に批判的な書き込みが増えた。

韓国政府の統計によると、ネット新聞の登録件数(2013年)は4916件で、2005年の約17倍。韓国政府はネット上で飛び交う「流言飛語」に神経をとがらせてきた。朴大統領は9月16日の閣議で、「(ネットで)根拠のない暴露発言が度を越え、社会の分裂をもたらしている」と訴え、韓国検察も取り締りを強化する方針を示していた。

韓国は過去にも、日本メディアや関係者を刑事処分したり、民事訴訟を起こしたりしてきた。読売新聞は08年の島根県・竹島を巡る記事で、当時の韓国野党幹部から「韓国民の領土権や名誉が傷つけられた」と民事訴訟を起こされた。ソウル中央地裁は10年に請求を却下。原告は控訴したが、最高裁も下級審の判断を指示し、読売が勝訴した。

■「報道の自由」脅かす

こうした韓国の強行姿勢について、法律家や識者の多くは「報道の自由」を脅かすものだと指摘する。

韓国検察が産経新聞の前支局長に適用した情報通信網法が施行されたのは01年。1990年代から芸能人の私生活を撮影したビデオが流出するなど、ネット上の名誉毀損が急増し、社会問題化していた。

韓国刑法の名誉毀損罪の罰則が5年以下なのに対し、情報通信網法に基づく名誉毀損罪は7年以下の懲役から5000万ウオン(約508万円)以下の罰金で、より厳しい。ネット上で情報が無限に増殖することを考慮したとされる。

法律家の間では、日本でも、仮に日本在住の外国人記者が外国語で、日本人の名誉を傷つけるような虚偽の記事をネット上に載せた場合、記者を名誉毀損罪で起訴することは可能だとの見方が強い。日本でネットの記事を閲覧できれば、日本国内で被害が生じたとみなせるためだ。

しかし、日本では、報道は「公益性」の高さが重視され、その内容が真実か、もしくは真実だと信じる相当の理由があれば、違法性はないとされる。たとえ報道の内容が真実でなくても、刑事責任まで問われることはほとんどない。報道が、政治家のような公人に関するものであれば、なおさらだ。

碓井広義・上智大教授(メディア論)は「『報道の自由』は社会を支える重要な柱の一つで、日本の捜査機関もそれを十分に認識している」と話す。

■引用

コラムは無断で韓国語に翻訳され、韓国のニュースサイトに掲載されたことで拡散した。前支局長に、朴大統領の名誉を韓国内でおとしめる意図があったか疑問が残る。

韓国検察は、前支局長は取材を尽くさず、虚偽の記事を書いたと指摘している。ただ、問題のコラムは、韓国紙「朝鮮日報」のコラムを引用したものだった。朝鮮日報やその執筆者は起訴されておらず、元東京地検特捜部副部長の若狭勝弁護士は「一義的に朝鮮日報の記事が対象となるべきで、産経新聞だけが起訴されるのは公平性に欠ける」と話す。

韓国紙「韓国日報」も9日、「(朝鮮日報のコラムは)大きな脈略では(加藤氏のコラムと)同じとの指摘があり、産経新聞だけを問題視すれば公平性が問題になる」と指摘した。

(読売新聞 2014.10.10)

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