日刊ゲンダイに連載している「TV見るべきものは!!」。
今週は、「ディア・シスター」(フジテレビ系)を取り上げました。
“盛りすぎ”を支える石原さとみの演技力
焼酎「ふんわり鏡月」のCMに出ている石原さとみがいい。
夏に流れた「間接キッスしてみ?」も目が離せなかったが、現在放映中の「冬・こたつ編」がまた憎たらしいほど可愛いのだ。
あの独特のユルさ、無防備感が幅広い世代のオトコたちを刺激する。もはや石原の“代表作”と言えるのではないか。
そんな彼女の新作ドラマが「ディア・シスター」(フジテレビ系)だ。
一応、姉役の松下奈緒とダブル主演ということになっている。しかし石原演じる妹が物語の主軸であることは明らかだろう。
真面目で大人しい姉に比べ、勝手気ままで自由奔放な妹だが、実は家族や友達のことを人一倍心配する優しい娘であることも分かってきた。
また石原は妊娠しており、その相手は松下も憧れていた元高校教師(田辺誠一)だ。さらに石原は難病まで抱えている。
普通はこのあたりで「話を盛り過ぎだろう」と言われそうだが、意外や破綻していない。支えているのは、昨年の「ラスト・シンデレラ」(フジ)で篠原涼子を見事な“おやじ女子”に仕立てた中谷まゆみの脚本であり、かつて演出家のつかこうへいに鍛えられた石原の演技力である。
美人姉妹の恋愛ドラマでありながら、実は結婚とは? 家族とは? 命とは?といったテーマを織り込んだ、なかなか骨太な1本になっているのだ。
(日刊ゲンダイ 2014.11.25)