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【気まぐれ写真館】 札幌 気温22度  2017.09.22


【気まぐれ写真館】 本日も札幌のMY定番  2017.09.22

【気まぐれ写真館】 HTB北海道テレビ  2017.09.22

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ロビーにある「どうでしょう道祖神」

HTB「イチオシ!」 2017.09.22

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にぎやかなスタジオ



謎の美人スタイリストさん

オクラホマ藤尾仁志さん

スポーツ担当の小俣彩織さん

ニュース担当の国井美佐アナウンサー


「HTBアナウンス講座」受講生の皆さん



今週の高橋春花アナウンサー

HTB「イチオシ!モーニング」 2017.09.23

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ガンちゃんこと岩本さん
オクラホマ藤尾さん
菊池アナウンサー
期待の新人、登場!
福永裕梨アナウンサー



10月から「報道の顔」となる依田アナウンサー
異動前、記念の2ショットです


今週の木村愛里さん

【気まぐれ写真館】 今月も、いつもの千歳「柳ばし」で  2017.09.23

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チキンに特製トマトソース

カトリック高校対象特別入試 2017.09.24

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24日(日)に行われた、カトリック高校対象特別入試


書評した本: 池内 紀 『闘う文豪とナチス・ドイツ』ほか

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「週刊新潮」に、以下の書評を寄稿しました。

困難な中も続けたマンの日記を繙く

池内 紀 
『闘う文豪とナチス・ドイツ』
中公新書 886円

北杜夫『どくとるマンボウ青春記』では、旧制高校の寮がトーマス・マン『魔の山』に喩えられる。「ありとある人種が集まって、息の長い比較するものとてない物語が進行してゆく」と。これが喩えとして成立していたように、かつてはマンも『魔の山』も、当たり前の教養だったのだ。

昨年、邦訳『トーマス・マン日記』全10巻が完結した。1933年1月にヒトラー政権が成立した直後、国外で講演旅行中だったマンは帰国差し止めの対象とされてしまう。それは長い亡命生活と日記の始まりだった。池内紀『闘う文豪とナチス・ドイツ トーマス・マンの亡命日記』は、マンがこの困難な時代をどう生き、何を思っていたのかを探った力作だ。

マンが堅持した日記の原則がある。まず、たとえ短いメモ程度でも毎日書くこと。また日記のつけ方にも型があり、執筆中の小説の経過、その日の体調、そして世界情勢と続く。中でも記された世界情勢は、「ドキュメントとして並外れて優れている」と著者。マンは複数の新聞を読み較べ、情報の精度を確認していた。

本書を読み進めると、ナチスに対するマンの立ち位置がわかってくる。キーワードは「共犯の罪」だ。ある体制を容認するどころか、有利にはかることを「第一級の犯罪行為」と捉え、ナチスを「許し、肥大させ、暴走させた罪」をドイツ国民と共有しようとしたのだ。しかもそれが容易ではなかったことも、現代の私たちは知っておくべきだろう。


下川 裕治 
『シニアひとり旅 
 ~バックパッカーのすすめ アジア編』
平凡社新書 864円

著者のデビュー作は27年前の『12万円で世界を歩く』。本書は同世代に向けたアジアガイドだ。上海で探す金子光晴の住居。タイから陸路で越える国境。ソウルの専門店で知る韓国料理の奥深さ。各国の歴史を踏まえ、現在の街や人と向き合う旅の流儀は変わらない。

(週刊新潮 2017年9月21日菊咲月増大号)



【気まぐれ写真館】 オープンした、北門  2017.09.26

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秋学期開始に合わせて完成、オープンした北門

山本耕史が好演する、“日本一の無責任男”植木等

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日刊ゲンダイに連載中のコラム「TV見るべきものは!」。

今週は、NHK土曜ドラマ「植木等とのぼせもん」について書きました。

NHK土曜ドラマ
「植木等とのぼせもん」
“ミスター無責任”を山本耕史が好演!
植木等の名を知る世代も限られてきた。しかし戦後芸能史を語る際には欠かすことのできない俳優であり、コメディアンであり、歌手であることは間違いない。

満島ひかり主演「トットてれび」で黒柳徹子とテレビ草創期を描いたNHK土曜ドラマが、今度は植木等に挑んでいる。「植木等とのぼせもん」だ。

昭和30年代後半の約4年間、植木の運転手兼付き人を務めた若き日の小松政夫を、物語の“狂言回し”にしたことがこのドラマの特色だ。

昭和36年、「ハナ肇とクレージー・キャッツ」が、植木等の歌で「スーダラ節」という大ヒットを飛ばす。翌年には映画「ニッポン無責任時代」「ニッポン無責任野郎」も大人気。植木は“ミスター無責任”のイメージと共にスターとなった。だが、植木本人は「無責任男」でも「面白い男」でもない。寺の子として生まれ育った真面目な男である。そんな植木が大マジメに無責任男を演じたからこそ、「植木等」は面白かったのだ。

このドラマでは、「こんな歌を歌っていていいのか」と悩みながらも、世間が求める笑いを届けようとするマジメ男を、山本耕史が懸命に演じている。本人に似せることよりも、植木の心情や人柄の表現に意識を向けた芝居に好感がもてる。

また小松政夫役の志尊淳も「のぼせもん(お調子者)」を熱演。全8回は今週から後半戦だ。

(日刊ゲンダイ 2017.09.27)

明かされた『やすらぎの郷』誕生の秘密と、ひとりの「女優」

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4月に始まったドラマ『やすらぎの郷』も、今週末で幕を閉じます。やがて最終回がやってくるのはわかっていましたが、来週からこのドラマが流れないことを寂しく思う人は多いのではないでしょうか。

私もその一人なだけに、脚本の倉本聰さんが雑誌のインタビューで、自分自身が「やすらぎロス」になりそうだと語っているのを読んで、仲間を見つけたような嬉しさがありました。

最終週ということで、このドラマをどんなふうに着地させるのか、注目しているのですが、さすがに『ひよっこ』とは異なるので、何組もの幸せなカップルを誕生させて終わりというわけにはいきません(笑)。

そんなラスト前に、物語の一つの「謎」が解けたことと、その背景について、少し書いてみたいと思います。


老人ホーム「やすらぎの郷」は、なぜ生まれたのか?

その「謎」とは、“芸能界のドン”加納英吉(織本順吉)は、なぜ私費を投じて、テレビ人専用の老人ホーム「やすらぎの郷」を作ったのか、ということです。

先週の第121話。加納が亡くなる直前に、海軍参謀時代からの友人で秘書でもある川添純一郎(品川徹)が、菊村栄(石坂浩二)に説明してくれました。


川添「大道道子さんをご存知でしょう」

間。

栄 「――友人でした」

川添「彼女の不慮の死がきっかけでした」

音楽――消える。

栄。

川添「彼女は昔、加納プロの所属でした」

栄 「――」

川添「加納はあの娘を、我が子のように可愛がってました。しかし彼女はあいつを裏切り、他所の事務所に移籍しました」

栄 「――」

川添「怒る。というより、あいつは悲しかったみたいです」

栄 「――」

川添「だから黙って、云うがままにさせました。本当に云うがままにさせたンです。でもあいつの傘下のプロダクションや、テレビ局が勝手に気をまわし、あいつを恐れて大道道子を使わなくなった」

栄 「――」

川添「それから先は御存知でしょう」

栄 「――(かすかにうなずく)」

川 添「彼女には仕事が全く来なくなり、彼女は精神に異常を来し、その為友だちもどんどん離れ、芸能界から忘れられて――3年位経っていましたか――アパートで独り死んでいるところを、死後1週間たって発見された」

栄 「――」

川添「あの事件が全てのキッカケでしたよ」


・・・ドラマというフィクションの世界であることは承知していますが、かつて倉本さんのドラマでヒロインを演じ、後に孤独死した女優さんが思い浮かびました。

それを決定づけたのは、今週25日に放送された第125話です。菊村が、川添から聞いた話を仲間たちに伝えていました。



栄 「一つはもちろん、姫(九条摂子=八千草薫)のことさ。それともう一つはな」

一同「――」

間。

栄 「大道道子のことだったそうだ」

聞き入る冴子(浅丘ルリ子)たち。

栄 「俺を含めて、あいつは最後、みんなから孤立して、――死後一週間して一人アパートで死んでいるのを発見されたじゃないか」

一同「――」

栄 「加納さんはあいつのことを、娘みたいに可愛がってて、――だけどあいつは勝手に独立した。――みんながそのことで加納さんに気を使って、それでテレビ界の仕事から完全に干された」

一同「――」

栄 「そのことで加納さんはショックを受けて――自分の責任を痛感したんだそうだ」

一同「――」

栄 「一時代、みんなに愛されたものが、――あんな死に方をしていいのかってね」

マヤ(加賀まりこ)の目に涙が浮かんでいる。

栄 「やすらぎの郷の、それがそもそものきっかけだったらしいよ」

冴子の目もじわっとうるんでくる。

マロ(ミッキー・カーチス)「可愛かったもんなア! あの時代の洋子は」

大納言(山本圭)「市川崑さんの撮った有名なウイスキーのCMがあったよなア」

マロ「うン」

大納言「あン時の洋子、最高だったね」

栄。

その耳から、オールデイズが遠のいていく。

栄のクローズアップ。

洋子のCMの声がささやく。

声 「すこし愛して。ながーく、愛して」

栄。

――グラスを口へ運ぶ。

その目から突然涙が吹き出す。

はるかから流れてくるトランペットの音。


・・・「洋子のCMの声」は、紛れもない大原麗子さんでした。市川崑監督が演出した、「サントリーレッド」のテレビCM。1977年から数年続いた人気シリーズです。

中でも記憶にあるのは、登山に行く夫のために荷造りをしている大原さん。レッドをセーターでくるみ、リュックに入れようとしますが、自分を置いてゆく夫がちょっと恨めしくなり、リュックを蹴飛ばします。痛がる大原さんに、あのハスキーな声がかぶります。「すこし愛して。ながーく、愛して」

ドラマでは声だけでなく、画面に彼女の写真も挿入されました。大道道子を演じているのは、まさしく「女優・大原麗子」です。

先週発売された女性週刊誌で、倉本さんが語っていました。

「(富良野に移り住んで40年)ここに小屋を建てて、最初に泊まりに来たのが女優の大原麗子(享年62)でした。あれだけの大スターが孤独死して、3日も発見されなかった。異常な死でしたよね。あまりに衝撃が大きくて、近しい人間としてはこたえました。実は、彼女の死が『やすらぎの郷』の執筆に深くかかわっています。

テレビ局の人間と違ってぼくら現場の人間はフリーの一匹狼で、何の保障もない。俳優だって、売れなくなったら事務所から捨てられちゃうだろうし。そんな老いた一匹狼たちを受け入れるのが“やすらぎの郷”です」(女性セブン 2017年9月28日号)

もちろんドラマの中での設定は、実際の大原さんそのままにはなっていませんが、彼女を“大道道子役”とすることでイメージを鮮明にし、また大原さんへの哀悼の意を表したわけです。


大原麗子主演の倉本ドラマ『たとえば、愛』

以前、倉本さんと差し向かいで、「倉本ドラマ」について話をさせていただいた時、大原麗子さんのことが話題になりました。

大原さんは、高倉健さん主演の『あにき』(77年、TBS)で、健さんの妹を演じました。そして2年後の『たとえば、愛』(79年、TBS)は、大原さんが主役となったドラマです。10年以上もラジオの深夜番組のDJ(ディスクジョッキー)を務めている、九条冬子の役でした。

共演は津川雅彦さんと原田芳雄さん。原田さんが「前の夫」で、津川さんが「再婚相手」。ふと2人の間で揺れてしまう冬子が、かなり素敵でした。豊島たづみさんが歌っていた主題歌、『とまどいトワイライト』も忘れられない一曲です。

この『たとえば、愛』を、倉本さんは「愛着のある1本」として挙げて、大原麗子という稀有な女優を惜しみ、またその亡くなり方を嘆いていました。

自身の“最後の連ドラ”になる可能性もある『やすらぎの郷』で、約40年ぶりに大原麗子さんが倉本ドラマに“出演”したことを、たぶん倉本さんは誰よりも喜んでいると思います。

さて、愛すべき女優へのオマージュも、無事果たしました。残るは、かつて菊村が愛した若手女優の孫娘・榊原アザミ(清野菜名)へのモヤモヤした思い(笑)などの決着でしょうか。ゴールは今週末の金曜です。

書評した本: 佐々木 譲 『真夏の雷管』ほか

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「週刊新潮」に、以下の書評を寄稿しました。

佐々木 譲 『真夏の雷管』
角川春樹事務所 1728円

北海道警察シリーズの最新作だ。ホームセンターで発生した窃盗事件を追う、大通り署刑事三課の佐伯宏一。狸小路の店で工具を万引きした少年を探す、生活安全課の小島百合。別々だった出来事が同心円を描き始めた時、真夏の札幌を揺るがす爆破事件が見えてくる。


三島由紀夫 
『告白 三島由紀夫 未公開インタビュー』
講談社 1620円

三島由紀夫の自決は昭和45年11月25日。その約9か月前に行われたインタビューが発見された。録音テープの中の三島が、文章に余白がないことを自らの欠点とするなど、快活かつ率直に文学と人生を語っていて驚かされる。何度も話題になる『太陽と鉄』も併録だ。


澤田隆治 
『私説 大阪テレビコメディ史
 ~花登筐と芦屋雁之助』
筑摩書房 2376円

著者は『てなもんや三度笠』『ズームイン!! 朝』『花王名人劇場』などを手がけてきた伝説のテレビ制作者。昭和30~40年代の大阪のテレビ界が、作家・花登筺と役者・芦屋雁之助という異能の2人を通じて描かれる。一個人の回想に留まらない、貴重な放送文化史だ。

(週刊新潮 2017.09.28号)

さらば、夏クール! 2本の「刑事ドラマ」に感謝です

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夏クールのドラマが続々と終了しました。そんな中で、特に大人を楽しませてくれた、2本の「刑事ドラマ」に感謝です。連続ドラマ『遺留捜査』と単発ドラマの『琥珀』。いずれも枠にはまらない異色刑事が主人公でした。


『遺留捜査』の異色刑事には京都の街がよく似合う

主人公の糸村刑事(上川隆也)が、遺留品への並外れた「こだわり」によって事件を解決していく『遺留捜査』。東日本大震災の年に始まったこのドラマも、今期の放送は堂々の第4シリーズでした。

大きく変わったのは、糸村が月島中央警察署から京都府警の特別捜査対策室へと異動したことです。室長の桧山(段田安則)、刑事の佐倉(戸田恵子)や神崎(栗山千明)など、顔ぶれも一新されていました。

ただし、いつも糸村にヒントを与えてくれる科捜研の村木(甲本雅裕)は、人材交流で京都に来ていたのでホッとしました。無理難題をふっかける糸村と、逃げ回りながらも協力してしまう村木。2人の掛け合いはこのドラマの名物と言っていいでしょう。

舞台が京都になっても糸村の観察眼とマイペースぶりは変わりません。被害者の部屋に落ちていた人形。遺体の手元にあったコイン。さらに事件現場から消えた万年筆などから、隠された事実を探っていきます。

たとえば、ある時の「遺留品」は、被害者である女性経営者(小沢真珠)が履いていた、かかとの折れたハイヒールでした。彼女にとって靴は戦いのツールであり、成功の証しでもあったのです。

遺留品というモノを通じて、人間の性(さが)や業(ごう)にまで迫ろうとするこのドラマ。回によってはストーリー的にやや弱い時もありましたが、上川さん演じる糸村の飄々とした雰囲気と、京都の風景が十二分に補っていました。

『相棒』や『ドクターX』などに続く「安心品質の定番」として、第5シリーズを楽しみにしたいと思います。


浅田次郎ドラマスペシャル『琥珀』に漂っていた濃密な情感

9月15日の夜に放送されたのが、浅田次郎ドラマスペシャル『琥珀』(テレビ東京系)です。放火殺人事件の容疑者で、25年間も逃亡を続けている男。そんな過去を知らないまま、男を好きになってしまった人妻。2人が暮らす北陸の港町に、突然刑事が現れて……という物語でした。

殺人逃亡犯と刑事が出てくるとはいえ、派手なアクションも、緊迫のサスペンスもありません。また男と人妻による濡れ場があるわけでもなかった。しかし、この3人を寺尾聰さん、鈴木京香さん、西田敏行さんという実力派たちが演じることで、見事な「大人のドラマ」となっていました。

脚本は朝ドラ『ひよっこ』の岡田惠和さんです。原作である浅田次郎さんの短編をベースにしながら、独自のイメージで物語世界を構築していました。

寡黙ですが実直な男(寺尾)は、なぜ妻と自宅を焼くようなことをしたのか。明るく振る舞いながらも、どこか影のある女(鈴木)は、どんな家庭を持っているのか。

さらに定年を数日後に迎えることになっていた刑事(西田)は、何を思ってこの町にやってきたのか。岡田さんの脚本は、彼らが抱える心の重荷をじっくりと丁寧に、そして優しい目で描いていきました。

ラスト近く、男が営む喫茶店「琥珀」の中で、3人の会話が約15分間も続く場面があります。それは告白であり、謎解きであり、人が生きる上で大切なものを提示するクライマックスでした。

岡田脚本と寺尾・鈴木・西田の演技が生み出した濃密な情感こそ、浅田ドラマの醍醐味だったと思います。そして、ピアニストでもある本田聖嗣のオリジナル音楽が、3人の役者をしっかりと支えていたことも記しておきます。


ヤフー!ニュース連載「碓井広義のわからないことだらけ」
https://news.yahoo.co.jp/byline/usuihiroyoshi/

【気まぐれ写真館】 9月最後の夕空  2017.09.30

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2017年9月30日の夕空

“成りきり”アーティスト風CMが笑える、「ロバート」秋山さん 

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日経MJ(日経流通新聞)に連載しているコラム「CM裏表」。

今回は、江崎グリコの動画CM「ALMONDPEAK presents マイクロズボラ」篇を取り上げました。


江崎グリコ「アーモンドピーク」
シンガーPV風 間奏で商品説明
主婦は毎日がんばっている。頼りになるのは自分だけ。やることは無限で時間は有限。ちょっとくらい手を抜いてもいいじゃないの。

という主婦の皆さんの心の声に応えるのは、お笑いトリオ「ロバート」の秋山竜次さんだ。アーティスト風の白い衣装で登場し、「♪いいんだよ、マイクロズボラ(ちいさなずぼら)~」などと極太の美声で歌い上げていく。

靴下を足で脱ぐ。洗った手をシャツで拭く。新聞を鍋敷きにしちゃうなど、ズボラといっても可愛いものばかり。でも主婦は真面目だから罪悪感をもっている。秋山さんが「いいよ」と、ひたすら肯定してくれることで癒されるのだ。

それにしても秋山さんの歌唱力と、じっと主婦を見つめる目ヂカラがすごい。動画全体が謎のシンガーのプロモーションビデオみたいなので、肝心のチョコレート「アーモンドピーク」はどうするのかと思っていたら、何と間奏部分でしっかり商品説明。これも笑える。

(日経MJ「CM裏表」 2017.10.02)


朝ドラ「ひよっこ」は、なぜ名作と言える一本となったのか

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北海道新聞に連載している「碓井広義の放送時評」。

今回は、先月末にゴールした朝ドラ「ひよっこ」を総括しました。


名作に育った「ひよっこ」
私たちの戦後史そのもの
先週末、NHK連続テレビ小説「ひよっこ」が幕を閉じた。開始直後は「主人公が地味だ」「話が進まない」といった声も聞こえたが、半年間で名作と言うべき一本となった。

その最大のポイントは、谷田部みね子(有村架純)というヒロインの設定にある。ここしばらく続いた実在の人物がモデルやモチーフの「実録路線」とは異なり、あくまでも架空の人物だ。

しかも、みね子は「とと姉ちゃん」の小橋常子のように雑誌を創刊したり、「べっぴんさん」の坂東すみれのように子供服メーカーを興したりはしなかった。

また実在の女性ではないから、人生の結末どころか、明日さえも見えない。まさに無名で、何者でもないみね子だが、家族や友だちを大切にしながら懸命に働き、明るく生きていた。そんな等身大のヒロインだからこそ、見る側は応援したくなったのだ。

さらに脇役たちが単なる脇役にとどまらず、それぞれ魅力的なキャラクターとして描かれていたことも、このドラマの長所だ。故郷・奥茨城の人たち。ラジオ工場で一緒に働いた「乙女寮」の仲間たち。赤坂の「すずふり亭」と「あかね荘」の面々。今もどこかで元気に暮していてほしい、愛すべき人々である。

次が時代設定だ。最終的に、このドラマは昭和39年から43年まで4年間の物語だった。まだ戦後の影を残し、暮らしも社会も緩やかだった昭和30年代。そして、この国が経済大国へと変貌していく40年代。

そのちょうど境目、東京オリンピックが開催された昭和39年から物語が始まったことも有効だった。私たち日本人が何を得て、その代わりに何を失ってきたのかを感じさせてくれたからだ。

同時に視聴者は「タイムトラベル(時間旅行)」も楽しめた。東京オリンピック、ビートルズの来日、テレビの普及とクイズ番組の隆盛、そしてツイッギーとミニスカートブームなど、同時代を生きた人には懐かしく、知らない世代には新鮮なエピソードが並んだ。

東京オリンピックの時に高校3年生だったみね子は、逆算すれば昭和21年生まれということになる。いわゆる戦後第一世代であり、この年に公布された「日本国憲法」と、いわば同期生だ。

憲法とみね子。戦後に誕生し、少しずつ成長しながら周囲を支え、また周囲に支えられてきた姿も、どこか重なるものがある。それだけに、今年71歳のみね子がどんな女性になっているのか、気になるのだ。無名のヒロインの歩みは、私たちの「戦後史」そのものだったのだから。

(北海道新聞 2017年10月03日)

産経新聞で、「過熱する不倫報道」についてコメント

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【ZOOM】
過熱する不倫報道 
放送時間2年前の6倍 視聴率に直結
渡辺謙さんに斉藤由貴さん、山尾志桜里前衆院議員など、今年に入って芸能人や政治家の不倫疑惑が相次いで報じられている。
不倫に関する話題に割かれるテレビ各局の放送時間は、2年前に比べて6倍以上と急増。不倫の2文字を目にする機会は劇的に増えた。不倫はなぜ多大な時間を割いて報道される国民的な関心事になったのだろうか。(三宅令)

◆ベッキーさん後…

メディアコンサルタントの境治さんは、不倫報道の転機について、「昨年1月、タレントのベッキーさん(33)と、歌手の川谷絵音さん(28)の不倫が発覚したことだった」と指摘する。

境さんがデータ会社に依頼し、在京キー局の不倫問題の放送時間を調べたところ、平成26、27年は年間30時間以下だったのに対し、ベッキーさんらの不倫が発覚した昨年は約6倍の170時間5分に急増。今年は8月27日までで120時間54分となっており、境さんは「明らかに報道が過熱している」と分析する。

ベッキーさんらの不倫問題では、ベッキーさんが記者会見で不倫を否定した後、2人の関係を裏付けるような無料通信アプリLINE(ライン)の生々しいやりとりが流出するという劇的な展開が強い関心を呼んだ。

週刊誌の報道を後追いしたテレビ番組は、約1年後にベッキーさんが地上波にレギュラー復帰するまで、「2人の動向を報じるたびに、通常より高い視聴率をマークし続けた」(境さん)という。

境さんは「この2年の不倫報道の急増ぶりは、ベッキーさんの件でテレビ局が『不倫は視聴率が取れる』と2匹目のどじょうを狙い続けた結果では」と話す。

◆ニュース番組でも

データではさらに、ワイドショーや情報番組だけでなく、ニュースや報道番組でも「不倫」を扱う時間が増加していることが明らかになった。

境さんは「ここ2~3年の間、とくに午前帯で、ワイドショー・情報番組と、ニュース・報道番組の垣根が低くなった」と分析する。インターネットの隆盛で速報性が重視されるようになり、民放各局の番組編成で、情報・報道分野のライブ番組の割合が増えていることが一因だという。とくに平日午前6時~昼過ぎまでは、ニュースとワイドショーが連なる。

「とはいえ毎日、そんなにキャッチーなネタがあるわけでもない。不倫は時間を埋めるのに手軽な話題になっている」

また、上智大の碓井広義教授(メディア文化論)は、報道番組で有名人の不倫が報じられるようになった背景について、「以前は視聴率とは無関係だった報道番組も、現在は数字を求められるようになってきている」と指摘する。

テレビの求心力の低下に伴い、各局の番組の判断基準が、「より視聴率に依存するようになってきた」といい、「『不倫』のような、一昔前なら下世話と躊躇(ちゅうちょ)していたような話題も、視聴率を考えると長い時間、取り上げざるを得なくなっている」と話す。

◆ネット連動で拍車

「インターネットの浸透が不倫報道の過熱に拍車を掛けた」と語るのは、同志社女子大の影山貴彦教授(メディアエンターテインメント論)だ。

不倫報道では、週刊誌がネット上で報道を予告し、その反響をテレビ局が取り上げることによって、さらにネットが盛り上がるという連動が起きている。

「ネット社会では個人が情報の受け手であり、発信者でもある。その場のたわいない発言でも、数が集まれば外部からは大きなムーブメントに見えてしまう」と分析。

それを社会的な問題としてテレビ局が取り上げることで、さらに話題が集まる。影山教授は、「不倫問題を取り上げること自体が悪いわけではない。ただ、今の状況は行き過ぎであり、『不倫報道バブル』とでもいうべきもの」と危惧した。

(産経新聞 2017.10.03)

サンデー毎日で、朝ドラ「わろてんか」についてコメント

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連続テレビ小説 「わろてんか」 
またもヒット確実か 丸わかりガイド

▼モデルは吉本興業創業者?「笑い」に生きる女の一代記

NHKの連続テレビ小説「わろてんか」が、今月2日にスタートした。吉本興業の創業者である吉本せいと思われる女性をモデルにした一代記。明治後期から第二次世界大戦後までの大阪を舞台に、寄席経営や笑いを求め奮闘するヒロインの姿を描いていく。

初代の桂春団治や花菱アチャコらのレジェンドから、明石家さんま、ダウンタウンまで数多くの芸人を輩出し、芸能界に君臨する吉本興業。明治末期の創業で、100年以上の歴史を誇っている。

創業者・吉本せい(1889~1950年)は、幼いころから笑い上戸な女の子だった。あるとき寄席に出かけ大きく心を動かされる。そこから、やがて日本中を笑いの渦に巻き込むべく、吉本の人生が地殻変動を起こしたように動き出した。

せいをモデルにしたと思われる主人公・藤岡てんを演じるのは、2000人以上の中からオーディションで選ばれた葵わかな(19)。ほんわかした笑顔が印象的な若手だ。TVコラムニストの桧山珠美さんはこう期待を寄せる。

「ここ数年の朝ドラのヒロインは、すでに知名度があり、完成された感のある女優が多かった。有村架純や吉高由里子、高畑充希などです。そうした中でまだ名前と顔が一致しない葵わかなは、ドラマで成長していくヒロインとともに、演じながら女優として伸びていく過程を見ることができるでしょう」

近年の「とと姉ちゃん」(2016年度上半期)や「べっぴんさん」(同下半期)のように、朝ドラといえば実在の人物をモデルにした実録路線が大半だった。そうした作品では、ヒロインの実人生から大きくはみ出ることが難しい。話があまり弾まず、ドラマチックな展開になりづらい弱点があったのだ。ところが今回のヒロインは、単なる優等生的な女性ではなく、芸能といういっぷう変わった事業を興した異色の人物。その人生がどう展開するのか、非常に楽しみな部分だ。

上智大の碓井広義教授(メディア文化論)は、こう指摘する。

「何といっても、吉本興業に触れることが勇気あるドラマといえるでしょう。単純にヨイショで終わるはずはありませんし、加えて、芸能あるいは芸能界の陰の世界をどこまで見せるのか、どう描くのか。それを切り捨ててしまうことはないと思いますし、踏み込んだ展開が楽しみです」

その見方でいくと、「カーネーション」(11年度下半期)で描かれた小篠3姉妹の母親の場合、その不倫までドラマの中に取り込み、一歩踏み込んだ作品となった。朝からいけない恋を描くのかと、当時大きな話題となった。

「今回の『わろてんか』も、単なる奇麗事の作品にするのではなく、描かなければならないことはしっかり描き、ドラマに広がりや奥行きをぜひ持たせてほしいところです。難しいところではありますが、恐らくそこまで描かないとドラマに真実味が出てこないでしょう」(碓井教授)

女子の大好物を揃えたキャスト

一方で、前出の桧山さんは逆にこんな危惧を抱く。

「最近のNHKは実際の番組で、吉本興業の芸人がまるでコラボしているかのようにいろいろな番組に食い込んでいます。ですから、あまり吉本を持ち上げすぎたり美談ばかりだと、意図しないところで反感を買うことになりかねない、そんな心配もあります」

そうであっても、“毎朝3回の笑いを取りたい”とNHKが謳(うた)い、芸能界の草創期を描く内容から、冒頭から視聴者の心をつかむのではないかと言うのは、朝ドラウオッチャーでライターの田幸和歌子さん。

「芸人が芸人としてキャラを押し出して出演したのは、ジェームス三木脚本で沢口靖子主演の『澪つくし』(1985年度上半期)での明石家さんまがルーツなんです。そこから芸人が本人のキャラを生かして出ることが始まり、いまではお馴染(なじ)みになっています。芸人が花を添えてきた朝ドラが、いよいよ本丸の世界を描くのかとワクワクしています」

今秋の朝ドラの見どころは、豪華なキャスティングにある。いまの朝ドラは、どんなイケメンが出演するかということも成否のカギを握っている。

「今回は、女子の大好物をよりどりみどり揃(そろ)えたような、あるいはかつての巨人軍のような強力な布陣を敷いています。『おんな城主 直虎』に出演し、異例のCDまで出した高橋一生を起用して、それだけでは飽き足らず、松坂桃李に千葉雄大、毛色が変わったところでは濱田岳に遠藤憲一。これだけでも見ますよ、という感じです(笑)」(桧山さん)

そこで、イケメン評論家の沖直実さんに今回の朝ドラ俳優を評価してもらった。松坂桃李は「梅ちゃん先生」(2012年度上半期)に続いて朝ドラ2回目の、ヒロインの相手役としての出演なので、安定的なポジションだ。遠藤憲一も大人の魅力が溢(あふ)れているという。

「主婦的に萌(も)えるのは、やはり高橋一生ですね。彼には引きの美学の色気があって、太陽ではなく月の魅力を感じます。前へ前へ出ようとする王道の王子様キャラではないけれど、必ず光っている存在なんです。また、イケメン評論家的にはスイート系の千葉雄大を推します。ヌクメン俳優と呼ばれていて甘く優しいのですが、初出演の朝ドラでそれをどう壊してくれるのか、期待が高まります。NHKが彼をどう使うのか、腕の見せどころです。これを機に、子犬のような可愛らしさから脱皮するかもしれませんね」(沖さん)

ヒロインの相手役、松坂桃李が演じる北村藤吉は夢が叶(かな)う前に亡くなることが既に分かっている。となると、藤岡てんは未亡人の期間がかなり長い。そこに登場するのが、日本のエンタメやショービジネスを普及させた青年実業家役の高橋一生だ。宝塚や東宝を立ち上げた小林一三を参考にしているといわれている。

「その高橋一生の関わり方が、作品全体を通しての注意ポイントになるのでは。もともとはヒロイン・てんの許嫁(いいなずけ)だったのが、てんが松坂演じる藤吉に思いを寄せていることを知り、それを後押しする報われない役です。ですけど、藤吉が亡くなってから再婚の可能性があるのではないかと私はみているんです」(田幸さん)

朝ドラマニアへのサービスも?!

確かに、NHKが「今回の作品はフィクションです。大胆に再構成します」と強調しているところを勘案すると、史実に忠実にというより思い切った展開が待っている可能性がある。しかもそれが、今を時めく高橋一生である。相当なボリュームが割かれることは十分に考えられ、期待大である。

近年、主演ではない朝ドラ俳優の中から、注目される存在が多く出てきている。「カーネーション」の綾野剛や、「ごちそうさん」(13年度下半期)では菅田将暉、「あさが来た」(15年度下半期)のディーン・フジオカもそうだ。意外な次代の注目俳優が巣立っていくことも楽しみだ。

女優陣も充実している。てんの母に鈴木保奈美、祖母には竹下景子、嫁ぎ先で意地悪をする義母役に鈴木京香らが顔を揃えている。

「鈴木保奈美はメジャーになる前に『ノンちゃんの夢』(1988年度上半期)にヒロインよりもきれいな従妹(いとこ)役で出演し、のちにトレンディードラマのスターになりました。久しぶりに朝ドラに戻ってきた印象です。個人的に驚いたのは鈴木京香。朝ドラの歴史の中でも1年間放送されたのは限られていますが、鈴木京香のスタート作品ともいえる『君の名は』(91年度)は、上品で美しいけれども演技が評価されませんでした。その後、民放で花開いたので、朝ドラに戻ってくることは感慨深いですね」(田幸さん)

「梅ちゃん先生」や「あまちゃん」(2013年度上半期)に出演していた徳永えりは今回、ヒロインの女中役。まったく面白くない芸人を演じる藤井隆も、かつて「まんてん」(02年度下半期)に出ていた。

「過去の朝ドラに出ていた俳優がこれだけ出演するのは、NHKは狙っていると思います。いま朝ドラというコンテンツは注目度が高くなり、細かい部分の読み解きを楽しむファンが増えている。もしかすると、再登場の人たちが、過去の作品に関係したことをちょろっと入れる、そんな細かいサービスをする可能性があると思います」(田幸さん) 朝ドラマニアには、たまらない展開が待っているかもしれない。

山崎豊子の『花のれん』は、今回の朝ドラと同じように吉本せいをモデルとした小説だ。舞台化もされている。また朝ドラ「心はいつもラムネ色」(1984年度下半期)にも吉本をモデルとした人物が登場している。それらとどんな差別化をした作品となるのか。

「わろてんか」とは笑ってください、笑ってほしいとの意。笑うことで生きる力が生まれてくる。そんな思いがちりばめられ、古きよきコメディータッチの温かい作品に期待が高まっている。 【本誌・青柳雄介】

(サンデー毎日 2017年10月15日号)

週刊朝日で、元「SMAP」3人のウェブ戦略について解説

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なぜ今SNSなのか…
稲垣・草なぎ・香取が挑むウェブ戦略の勝算
9月22日に公式ファンサイト「新しい地図」の開設を新聞の見開き広告で発表、大きな話題を集めた稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾の3人。

その後、稲垣はブログ、草なぎがYouTube、香取がインスタグラムと、それぞれウェブを活用した活動も発表された。

11月2日にはインターネットテレビ「AbemaTV」で、72時間連続の生番組「稲垣・草なぎ・香取 3人でインターネットはじめます『72時間ホンネテレビ』」を放送予定、3人が共演することも決まった。

3人の新たなメディア戦略に、ある人気放送作家は、

「今まで活用してこなかったSNSを使った。彼らのプロモーションとしては一番キャッチーな形になったと思う」

と言う。

「新しいことがスタートするんだという意識づけがうまくできたと思います。ファンにとっては、自分たちがやってほしかったことを3人がやってくれるかもという思いは強いでしょうね」(放送作家)

3人が行動を共にすることにも期待感が高まっている。

「ファンは、仲間意識というか、一緒にがんばっている姿にキュンキュンするところがあるので、72時間の生放送など、絆があるんだと実感できたと思います」(同)

上智大学の碓井広義教授(メディア文化論)は、

「一方的に情報を発信するテレビに対して、双方向でコミュニケーションをとれるウェブというメディアが非常に有効であると判断したのではないかと感じました。自分たちが主体性をもってやりたいことができることは大きい」

と分析する。

「彼らのファンの多くが、ウェブ、SNSを通じて彼らを応援する声を届けたということも、強く意識していると思います」(碓井教授)

動画でのアピールといえば、くしくも小池百合子都知事も同時期に衆院選を見据えたメッセージ動画を配信し、大きな話題を集めた。偶然のタイミングとはいえ、

「同じ方向への流れが重なって、道が広がっていくケースもありますね」(同)

ところで冒頭の新聞広告は、アナログメディアの代表のような存在であるが、それを選んだことも、彼らのメディア戦略のひとつではないかと碓井教授は言う。

「ウェブを使わない層のファンにも、僕たちはここにいるよ、元気でいるよと、実際に手に取れる形でアピールすることができた。メディアの向こうにいる受け取り手を考えた戦略、ここに、彼ら3人の優しさが表れています」

3人によって芸能界におけるメディアのあり方が、一気に進化する可能性は高い。【本誌・松岡かすみ、太田サトル、秦正理、永井貴子/黒田朔】

(週刊朝日 2017年10月13日号)

最後まで等身大だった、有村架純「ひよっこ」

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日刊ゲンダイに連載中のコラム「TV見るべきものは!」。

今週は、ゴールしたNHK朝ドラマ「ひよっこ」について書きました。


NHK朝ドラマ「ひよっこ」
最後まで等身大
有村架純「ひよっこ」が教えてくれたこと
ついに幕を閉じたNHK連続テレビ小説「ひよっこ」。開始直後は「主人公も話も地味」といった声もあったが、半年間で名作というべき一本となった。何より明るくて気持ちのいい朝ドラだったことが大きい。

最大の功労者はヒロインの谷田部みね子(有村架純、最後まで好演)だ。架空の人物であるみね子は雑誌を創刊したり、子供服メーカーを興したりはしなかった。

また「何者」かになることを目指していたわけでもない。しかし家族や友達を大切にしながら懸命に働き、いつも明るく生きていた。そんな等身大のヒロインだからこそ、視聴者はみね子の「日常」を見守り続けたのだ。

次に時代設定がよかった。暮らしも社会も緩やかだった昭和30年。経済大国へと変貌していく40年代。その境目の昭和39年から物語が始まったことで、私たち日本人が何を得て、何を失ってきたのかを感じさせてくれた。

同時に「タイムトラベル」も堪能した。東京オリンピック、ビートルズ来日、ミニスカートブーム等々。同時代を生きた人には懐かしく、知らない世代には新鮮なエピソードの連打だった。

終盤、何組ものカップルが誕生した。やや駆け込み乗車的なバタバタ感もご愛嬌。脚本の岡田恵和が丁寧に書き込んだ、愛すべき“名もなき人々”が、それぞれ幸せになるハッピーエンドに拍手だ。

(日刊ゲンダイ 2017年10月4日)
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