HTB北海道テレビでのコメンテーターの仕事で、毎月、札幌に飛んでいます。
新千歳空港からはJR快速エアポートで札幌駅へ。
改札を出ると、コンコースに設置された大きな時計を見て、時間を確認します。
この時計も、そして駅の南口外壁に掲げられた『星の大時計』も、五十嵐威暢(いがらし・たけのぶ)さんのデザインです。
さらに駅の地下広場には、同じく五十嵐さんのテラコッタ彫刻『テルミヌスの森』が設置されています。
また駅を出ると、そこには流政之(ながれ・まさゆき)さんの彫刻『テルミヌス像』も。
ちなみに、ターミナル(駅)の語源が「テルミヌス神」なんですね。
他にも、何人ものアーティストの作品が置かれているのが札幌駅であり、こうした、いわば「アートの駅」を作ったのが臼井幸彦さんです。
そんな臼井さんは映画評論家としても素晴らしい仕事をしていらっしゃいますが、ちょうど新刊が出たので書かせていただきました。
『女の駅~駅を彩るスクリーンの女神たち』
臼井幸彦
柏艪舎
著者は元JR北海道常務で現在は多摩美大客員教授だ。映画に造詣が深く、特に駅が登場する作品を語らせたら右に出る者はいない。本書では80人の女優の肖像を、駅の風景と共に描いている。読後、映画を見直すも良し、縁の駅を訪ねるのも良し。
『黒幕~巨大企業とマスコミがすがった「裏社会の案内人」』
伊藤博敏
小学館
情報誌『現代産業情報』の発行人、石原俊介が亡くなったのは13年5月のこと。「陰の情報フィクサー」と呼ぶにふさわしい人脈と影響力は政・財・官・報・暴の全てに及んでいた。その力はいかにして得られたのか。最後の情報職人を描く力作ノンフィクションだ。
『とまっていた時計がまたうごきはじめた』
細野晴臣・鈴木惣一朗
平凡社
『細野晴臣 分福茶釜』から4年。音楽舎弟である最良の聞き手を得てのインタビュー・ドキュメント最新刊だ。東日本大震災から政権交代までを体験しつつ、細野は音楽、世相、原発、老化や仲間の死などをどう見てきたのか。究極のご隠居がここにいる。
(週刊新潮 2015.01.29号)