日刊ゲンダイに連載している「TV見るべきものは!!」。
今回は、「○○妻」(日本テレビ系)について書きました。
日本テレビ系「○○妻」
「夫婦とは何か」「結婚とは何か」を問いかける
異色の社会派ドラマ
「家政婦のミタ」の脚本家・遊川和彦とスタッフが再結集したドラマ「○○妻」(日本テレビ系)。先週までの平均視聴率は14%を超え、「DOCTORS3」(テレビ朝日系)との首位争いを展開している。
ニュースキャスターである東山紀之の妻・柴咲コウは、夫を支えることにかけては完璧だ。家事全般はもちろん、服装のコーディネートから番組の感想まで手を抜かない。誰よりも尊敬する夫に尽くしたいからだ。
ところが、2人は正式な夫婦ではない。柴咲は「契約妻」なのだ。東山は普通の結婚を希望しているが、柴咲は断固拒否する。なぜ契約なのか。「家政婦のミタ」同様、ヒロインの秘密が徐々に明らかになっていくプロセスがスリリングだ。
しかし、それ以上に興味深いのは、契約妻という設定を通じて「夫婦とは何か」「結婚とは何か」を問いかけていることだ。遊川の脚本、連ドラ初主演の柴咲と華のある東山の好演に支えられて、異色の社会派ドラマと呼べる1本になっている。
それにしても人を食ったタイトルだ。美人妻とか昼顔妻とかを連想させながら、フタを開けてみれば「契約妻」だった。とはいえ、あえて「○○妻」としたのは、契約だけではない妻の“実相”がまだ隠れているからだろう。極悪妻ってことはないはずだが、勝手に当てはめてみるのも面白い。
(日刊ゲンダイ 2015.02.04)