日刊ゲンダイに連載している「TV見るべきものは!!」。
今回は、NHKドラマ10「激流〜私を憶えていますか?」を取り上げました。
NHK「激流〜私を憶えていますか?」
美少女はどこに消えたのか・・・
かつて1人の女子中学生が修学旅行中に失踪した。男女一緒のグループで京都の町を歩き回っていた際の出来事だ。
それから20年。30代半ばになった女子3人(田中麗奈、国仲涼子、ともさかりえ)にメールが届く。文面は「私を憶えていますか?冬葉」。冬葉は失踪した女子中学生(刈谷友衣子)の名前だった。
NHKドラマ10「激流〜私を憶えていますか?」(火曜夜10時)が始まった。原作は柴田よしきの長編小説。全8回の脚色は「Dr.コトー診療所」などの吉田紀子だ。
奇妙なメールをきっかけに、現在は刑事の桐谷健太と銀行マンの山本耕史も加えた5人が再会を果たす。しかも桐谷以外の4人は、それぞれ私生活や仕事にトラブルを抱えていた。
メールの差出人は本当に冬葉なのか。そうでないなら、誰がどんな目的で・・・。
謎解きもさることながら、このドラマの見所は田中、国仲、ともさかという同世代女優の競演にある。仕事の壁、離婚問題、主婦売春と、30代半ば女性の少しお疲れ気味の日常がリアルだ。
いや、それ以上に、これから明らかになっていくはずの15歳から35歳まで、20年という“女たちの激流”こそがドラマの核だろう。
さらに教師役の賀来千香子と母親役の田中美佐子による、50代熟女優対決も見逃せない。それにしても、美少女・刈谷はどこへ消えたのか。
(日刊ゲンダイ 2013.07.02)