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東京新聞で、“問題発言常習者”とメディアの関係について解説

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13日付けの「東京新聞」で、“問題発言常習者”とメディアの関係について解説しました。


元首相、NHK会長・・・問題発言の常習者
キャラで許していいの?
鈍感、冷笑・・・マスメディアに責任
元首相にNHKトップ、有名作家・・・。地位も名誉もある人の問題発言が目立っている。何度も連発されると、いちいち突っ込むのがバカらしくなってくるが、それぞれ影響力があるだけに、「ああいうキャラクターだから仕方がない」では済まされない。(三沢典丈)

鳩山由紀夫元首相は十日、ロシアがウクライナから一方的に併合したクリミア半島入りした。十一日には現地で記者会見し、「憲法に従い、クリミア住民の意思を反映していた」と、併合を容認する考えを示した。日本政府の意向に反する言動は、日本の外交に影響を及ぼしかねない。

鳩山氏は、そのとっぴな言動から「宇宙人」とからかわれてきた。首相在任中に直面した沖縄の米軍普天間飛行場移設問題では、移設先について「最低でも県外」とぶち上げたものの、結局は名護市辺野古に転換。米紙から「ルービー(間抜け)」と評された。

政治評論家の浅川博忠氏は「元総理としての自覚がなさすぎる。祖父の鳩山一郎元首相ゆかりの人が『あの人には困った』とこぼしていた」とあきれ顔だ。

問題発言の常習者といえば、やはり籾井勝人NHK会長だろう。昨年一月の就任会見で、慰安婦について「どこの国にもあった」と発言。先月の定例記者会見では、慰安婦関連の番組について「政府のスタンスがよく見えない中で放送するのが本当に妥当かを、慎重に考えなければ」と政府の姿勢におもねった。

アパルトヘイト(人種隔離)を容認するかのようなコラムが批判を浴びた作家の曽野綾子氏の差別的発言は枚挙にいとまがない。二〇〇九年のコラムで「『基地の町』で午前一時過ぎに基地の近くを出歩く女性は、性的商売をしていると思われても仕方がない」、一三年の雑誌の寄稿では、セクハラ、マタハラの改善を訴える企業の女性社員に向かって「出産したらお辞めなさい」といった具合だ。

新聞やテレビは、この手の問題発言に鈍感だ。籾井氏を当初こそ指弾したものの、ここ数ヶ月は通り一遍の報道にとどまっている。曽野氏のアパルトヘイトコラムは、海外メディアが先んじて問題視した。振り返れば、「三国人」などの問題発言を繰り返した石原慎太郎氏にも甘かった。こんなことでいいのか。

コラムニストの小田嶋隆氏は「石原氏や曽野氏のような『ぶっちゃけキャラ』を『無神経だけど正直者』と、支持する層は年配者を中心に一定数いる。ネットで本音主義がまかり通り、差別語が飛び交う今、彼らの需要は高まっている。マスメディアは、それを知っているから批判しない」とみる。「だが、コラムで問題があったなら、連載を終わらせるなど毅然とした措置を取るべきだ」

上智大の碓井広義教授(メディア論)も「マスメディアは彼らを『困ったちゃん』とみなし、『いつものことだから』と冷笑、無視する。その結果、問題発言を取り上げず、取り上げても批判しない」と指摘した上で、ジャーナリズムに警鐘を鳴らす。

「メディアが伝えなかったことは、一般市民には『なかったこと』になるし、批判されないと、彼らは自分の言動が肯定されたと思い込む。やはり彼らの言動を批判的に取り上げ、その背後にある本質的な問題をきちんと解説するのがメディア本来の役割。そうしないとジャーナリズムに対する信頼感を損ねかねない」

(東京新聞 2015.03.13)


・・・・“問題発言の常習者”としては、鳩山元首相や籾井会長などの他に、橋下徹・大阪市長も加えた方がいいかもしれません。



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