加藤達也・産経新聞前ソウル支局長が韓国から帰国。
15日の読売新聞で、この件についてコメントしました。
「帰国ほっとしている」
産経前支局長 笑顔で「感謝したい」
韓国政府から出国禁止措置を解除された加藤達也・産経新聞前ソウル支局長(48)は14日午後7時半過ぎ、羽田空港に到着し、「帰国してほっとしている。それが正直な気持ち」と安堵の表情を見せた。
出国禁止措置は昨年8月から8か月間続き、加藤達也・前支局長の帰国は、同7月以来。
同空港で報道陣に帰国して一番やりたいことを問われると、加藤氏は「日本にいる多くの人が心配してくださったことについて、感謝したい」と笑顔で答えた。
韓国政府の出国禁止措置については「自由に移動することを制限することは、非常に大きい問題だ」と延べ、「今後の裁判ではしっかりと主張が受け入れられるよう、論点を整理しながら分かりやすく説明していきたい」と力強く語った。
加藤氏は最後に、「どうもお世話になりました」と一礼した後、同社幹部に付き添われながら、大手町の産経新聞東京本社に車で向かった。
8か月もの出国禁止措置については、韓国内でも問題視する意見があった。
ある放送局記者は、「事実上の拘束だったが、過剰な対応だった。産経新聞が証人出廷を保証すると言っており、欠席することは考えにくかった」と指摘。
刑事事件に詳しい韓国の弁護士も、「もっと早く解除すべきだった。シフが最も重視していた『大統領密会説』で虚偽との結論が出たから踏み切ったのだろうが、判断が遅すぎた」と関奥検察の対応を批判した。
一方、日本国内では改めて、出国禁止措置を続けた韓国政府を非難する声が上がった。
ジャーナリストの田原総一朗さんは、「加藤氏が帰国できたのはよかった。そもそも、(出国禁止は)ジャーナリズム、そして表現の自由、報道の自由に対する弾圧であり、とんでもない措置だった」と話した。
また、碓井広義・上智大教授(メディア論)は、「日本の報道各社が一貫して韓国政府の対応を批判してきたことも、今回の解除につながったのだろう」とした上で、「これで問題が解決したわけではない。加藤氏は起訴されたままで、報道の自由が脅かされていることには変わりない。引き続きマスコミ全体にかかわる問題として注視していくべきだ」と述べた。
(読売新聞 2015.04.15)