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朝日新聞で、橋下徹・大阪市長「敗北」会見についてコメント

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朝日新聞で、橋下徹・大阪市長による「敗北」会見についてコメントしました。

映像として残り、また拡散していくことを十分計算した上での、言葉と表情だっと思います。


<ニュースQ3>
一世一代の大勝負、
敗者のあるべき振る舞いは?
「負けは負け」。一世一代の大勝負の敗北をきっぱり認めた橋下徹・大阪市長。政界からは引退をすると表明したが、その後も人生は続く。負けたときは、どうしたらいいのか。

 ■橋下市長会見、批判と称賛と

17日午後11時過ぎ、大阪・中之島のホテル。5年間ずっと主張し続け、政治生命をかけた「大阪都構想」を住民投票で否決された直後だった。約200人の報道陣の前に姿を現した橋下市長は、つきものが落ちたように晴れ晴れしていた。

敵をつくる手法で政治や市民を分断し、「リーダー」「独裁者」と評価も割れたが、会見では「ノーサイド」。

日曜の深夜にもかかわらず、ツイッター上では次々と投稿が寄せられた。「無責任だ」「傲慢(ごうまん)」との批判の一方、「敗軍の将として見事」などと称賛する意見が目立った。

 ■今後の展開を考えた戦略?

穏やかな表情。「残念」という言葉を使わないスピーチ。有権者を責めず、逆に感謝する姿勢。テレビ評論家の丸山タケシさんは「この場面で自分の努力をひけらかしたり泣いたりすると世間に嫌われる。それが分かっていたのでしょう」と指摘する。

上智大の碓井広義教授(メディア論)も「自身の会見映像がネットで拡散されることも想定して、今後の展開に有利なようにアピールしたのではないか」と分析する。

厳しい勝負を目の当たりにしてきたスポーツジャーナリストの二宮清純さんは、住民投票の結末や会見をみて「存在感を残した負け方。敗れてなお強し」との印象を抱いた。

「今回は下馬評が低い方が追い上げを見せ、最後までどちらが勝つか分からない展開だった。競馬でいえば『ハナ差』での負け。こういう負け方の馬には、次に賭けたくなる」という。

 ■その後の人生、言動が影響も

負けた時の振る舞いが、その後の人生に影響することもあるという。

過去に日本男子柔道の監督を務め、今はワイドショーの人気者の篠原信一さん(42)。2000年のシドニー五輪男子柔道決勝で微妙な判定で敗れ、「弱いから負けた。それだけです」とコメントした。「この発言に潔さを感じた人は多く、彼の今の人気にもつながっている」と二宮さんは話す。

92年のバルセロナ五輪マラソンのレース中に転倒し、8位入賞となった谷口浩美さん(55)。ゴール後の「こけちゃいました」という発言は、今も語りぐさとなっている。

「あれは、言い訳だったんです」。谷口さんは、そう振り返る。日本代表として優勝が当たり前と期待されていたなかでのトラブル。他の選手に足を踏まれ、靴が脱げた。自分が転んだことを知らない視聴者に説明しようと、自然に口をついた言葉だった。「『すてきだ』という周辺の反応に、驚きました」

当時は、自分の失敗に申し訳ない気持ちだったが、あの言葉で、逆に応援している人の存在にきづかされた。「そのおかげで次の五輪まで頑張れた」と話す。

その谷口さんに、橋下市長の振る舞いはどう映ったのか。「力を出し切ったようにも見える。でも、これからは、建前じゃなくて本音で接した方が、いいのではないでしょうか」
(千葉卓朗、吉浜織恵)

(朝日新聞 2015年5月20日)


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