日刊ゲンダイに連載している「TV見るべきものは!!」。
今週、取り上げたのは、TBSの新ドラマ「表参道高校合唱部!」です。
TBS系「表参道高校合唱部!」
連ドラ初主演 芳根京子が示す
驚異のポテンシャル
“オリジナル脚本のドラマ”と聞けば、どこか応援したくなる。池井戸潤の小説が原作の「花咲舞が黙ってない」も、往年の人気アニメを実写化した「ど根性ガエル」も結構だが、ゼロから物語を生み出そうとするオリジナル・ドラマは、テレビならではの楽しみだ。
主人公は、香川県小豆島から東京の私立高校に転校してきた真琴(芳根京子)。親が離婚し、母親の実家で暮らすことになった。とにかく合唱が好きで、廃部寸前の合唱部の再建に奔走する。
初回を見て驚いたのは、連ドラ初主演という芳根京子が示すポテンシャルの高さだ。ヒロイン生来の明るさや意志の強さだけでなく、感情の細やかさまで表現している。何より、表面的な美少女ではなく、地に足のついた骨太な少女像を体現している点に注目した。
舞台となる高校には、生徒を「一軍」「二軍」「圏外」などとランク付けするスクールカーストや、映画「キャリー」を思わせるイジメも存在する。しかし、ヒロインを際立たせるためのイジメ描写なら、あまりやらないほうが得策だろう。
このドラマの良さは、まず劇中の歌に本物感があること。仲間と歌う合唱の楽しさが伝わってくること。また芳根をはじめ、森川葵、吉本美優、志尊淳など“新たな波”を感じさせる若手俳優たちだ。ドラマと共に成長する彼らを見てみたい。
(日刊ゲンダイ 2015.07.21)