現在発売中の「週刊新潮」最新号に、ドラマ「ど根性ガエル」についての記事が掲載されました。
この中で、コメントしています。
新潮社のサイト「矢来町ぐるり」に、記事全文がアップされたので、転載しておきます。
http://www.gruri.jp/article/2015/08150815/
出足絶好調だった『ど根性ガエル』がつまずいて
「前田敦子」が悪いのか
根性、根性、ど根性で何事も突破できると信じられた昭和。実写版『ど根性ガエル』が好スタートを切れたのも、そんな時代を懐かしむ視聴者が多かったからではないか。だが、描かれた16年後は、根性のむなしい墓場。特に前田敦子(24)演じる京子ちゃんは……。
1972年に初めてテレビアニメ化された『ど根性ガエル』は、終了後も繰り返し放送され、79年には再放送で34・5%もの視聴率を記録した。実際、日本テレビは、子供時代に夢中になった親世代と、その子供をターゲットに実写版を作ったといい、狙いはドンピシャリと思われたのである。なにしろ、7月11日放映の初回は、13・1%もの高視聴率を記録したのだから。
「日テレはこれまでも、土曜夜9時枠でアニメ作品をなんども実写化し、昨年秋の『地獄先生ぬ~べ~』など、私の知人も親子で欠かさず観ていると言っていました。鬼の手を持つぬ~べ~は男子小学生の大好物でしょうし、母親はジャニーズの丸山隆平君に興味を持つ。子供とともに40~50代の心をつかもうと、二重三重に罠をかけるうまい戦略だと思いました」
ライターの吉田潮さんはこう評価しつつ、続ける。
「ただ、子供が好きなのは怪獣や妖怪など着ぐるみ系キャラクター。『ぬ~べ~』や『怪物くん』『妖怪人間ベム』は、変身するキャラクターが豊富でよかったけど、平面ガエルだけでは子供は脱落してしまう」
では、大人にとってはどうか。
上智大学の碓井広義教授(メディア論)は、
「往年の人気アニメを、それも、シャツの中のカエルをどうやって実写化するんだろう、という映像的興味はともかく、主人公のひろしは30歳になってもニートで、ダラダラした生活を送るばかり。2回目を観る気力が起きません」
と、にべもなく、現実に視聴率も、18日の第2回が8・5%、25日の第3回は6・4%と、急降下してしまったのである。
■ツキもないから
だが、碓井教授が最も引っかかったのは、京子ちゃん役だそうで、
「アニメで元気一杯の魅力ある少女だったのが、16年後は出戻りでやさぐれ、不貞腐るばかりになっていた。当時を知る我々からすれば“こんな京子ちゃん、見たくない”という心境です」
すなわち最初からキャラクターが破綻し、そのうえ、
「前田敦子の演技に、まったく奥行きがない」(同)
と言うのだ。芸能デスクによれば、前田は、
「主演した今年5月公開の映画『イニシエーション・ラブ』がヒットし、すっかり本格派女優気取り」
だそうだが、京子ちゃん役はダメなのか。
「出戻った性格の悪い女性という設定なら、バツがついた背景を臭わさないといけないのに、前田敦子はプンスカ怒るばかり。1人だけ公開処刑のように浮いています」(吉田さん)
そんな評価がこたえたからだろうか、
「視聴率が下がった第2話の翌日、車を運転中に、タクシーに追突してしまった。ドラマのプロデューサーと編成局、コンプライアンス担当部署に、事務所から慌てて連絡が入り、局内は騒然となりました。幸い軽い事故で済んだものの、局内からは“前田敦子は演技力も数字も持っていない。そのうえ大事な時期に事故とは、ツキもない”“もはや一番使いたくない女優だ”なんて声すら聞こえてきます」(日テレの幹部社員)
1話当たり80万円と言われるギャラを値下げしても、今後、オファーがあるかどうか、という声頻りで、これでは役柄以上に不貞腐ってしまうかも――。
(週刊新潮 2015年8月13・20日夏季特大号)