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Channel: 碓井広義ブログ
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今週の「読んで、書評を書いた本」 2013.07.21

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文春文庫、今月の新刊の中に、小林信彦さんの『森繁さんの長い影 本音を申せば?』を発見。

週刊文春の連載エッセイ「本音を申せば」の2009年分だ。

毎年、1年が過ぎると単行本になり、やがて文庫になる。

連載時に読み、単行本で読み、こうしてまた文庫本でも読む。

私にとって小林さんのエッセイは「社会の窓」であり、「教科書」であり、一つの「指標」であったりする。

それに、時間を置いて読むことで、以前は気づかなかった“再発見”があったりして、面白いのだ。

たとえば、09年7月2日の<「おれがラジオだ!」と叫んだ男>。

実はこれ、大竹まことさんの話だ。

文化放送の自分の番組「大竹まことゴールデンラジオ!」で、何かにかっとなった大竹さんが、そう叫んだらしい。

小林さんは、テレビを見ない。そしてラジオを聴く人だ。

そんな小林さんが書く。

「そうだ、いま<ミスター・ラジオ>といえるのは、大竹さん以外に何人もいないのだ、とぼくは思った」

その大竹さんと今、BSジャパンの番組「大竹まことの金曜オトナイト」でご一緒している。

小林さんがこの文章を書き、私がそれを読んでいた2009年当時は思いもしなかったことだ。

だから人生は面白い。

ってのは少しオーバーですが(笑)。




今週の「読んで、書評を書いた本」は、以下の通りです。

薬丸 岳 『友罪』 集英社

藤野眞功 『アムステルダムの笛吹き』 中央公論新社

関川夏央 『昭和三十年代演習』 岩波書店

ミシマ社:編 『自由が丘の贈り物』 ミシマ社

金平茂紀 『沖縄ワジワジー通信』 七つ森書館

柳田邦男 『言葉が立ち上がる時』 平凡社

和合亮一 『廃炉詩篇』 思潮社

* 書いた書評は、
  発売中の『週刊新潮』(7月25日号特大号)
  読書欄に掲載されています。



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