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読売新聞で、「あさが来た」について解説

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「あさが来た」好調のワケ
人間関係のわかりやすさ
新次郎役・玉木宏が「分析」
昨年9月末に放送が始まった「さが来た」は、明治時代に女性実業家の先駆けとなったあさ(波瑠)を主人公にした物語。あさを支える夫の新次郎を演じる玉木宏は、大森美香の脚本を読んで、「対比がシンプルに描かれていてわかりやすい」と感じたという。

感情をストレートに表現するあさ、気が利く行動を取ってもどこか心をオブラートに包んでいる新次郎。商売で成功するあさと、苦労を重ねる姉のはつ(宮崎あおい)――。「人間関係のわかりやすさは、ホームドラマにとって重要な要素だと思う」と玉木は話す。

物語が始まったのは、幕末。朝ドラには珍らしい時代劇の要素もあった。女性の社会進出が珍しかった時代。商家に生まれたあさは学問に励み、炭鉱経営などで商才を発揮する。

玉木は「働く女性は今や当たり前。それを支える『主夫』という言葉も生まれているほど。そういう現代だからこそ、あさの生き方は共感をもって見てもらえるのではないか」という。妻を支えながらも、骨を折るような姿は見せない新次郎に「男性の理想像を示してもらった」ともいう。

あさを演じる波瑠について「芯が強い女性で疲れた顔を見せない。今は本物のあさそのものだと感じている」と玉木はいう。スタジオでは休憩中も、出演者らが役名で互いを呼んでおり、「撮影期間は約10か月。もう家族みたいなもの」とほほえむ。

大阪府寝屋川市にある成田山不動尊での節分行事に参加し、大勢のファンから「新次郎」と呼びかけられ、「多くの方に番組を見ていただいている」と実感したという玉木。「最終回に前向きな力を与えられるよう演じたい」と意気込んでいる。

15分間に山あり谷あり  碓井・上智大教授

「あさが来た」はなぜこんなに人気があるのか。

上智大の碓井広義教授(メディア論)は「物語の骨組みがしっかりしていて、15分という放送時間で山あり谷ありを表現している」と話す。

ヒロインのモデルは、明治期を代表する女性実業家・広岡浅子。「実際にいた人なんだ」と視聴者が興味を持ちやすかったのでは、と分析する。「人物設定が迷走していた前作の『まれ』とは異なり、時代の先駆者となった人物像にぶれがなく、安心して見られた」。

主演の波瑠については、「キャリアの浅さを不安視していた」というが、「画面越しに一生懸命さが伝わった」という。「演技する様がありし日の夏目雅子を思わせる」。

ひょうひょうとした新次郎を演じて新境地を開いた玉木、「いきなりの出現感」で女性の心をわしづかみにした五代友厚役のディーン・フジオカら「配役の妙」もあった。

「セリフ回しやテンポの良さは『あまちゃん』のように爽快。期待感は最終回まで続くのでは」と話している。

(読売新聞 2016.03.03)



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