週刊新潮で、俳優の小日向文世さんについて、解説しました。
勢力を維持して
62歳「小日向文世」上昇中
ある時は悪徳社長(フジ系「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」)、またある時は霊感の強い住職(テレ朝系「スミカスミレ」)、レレレのおじさん(日テレ「天才バカボン~家族の絆」)、大御所マンガ家(TBS系「重版出来!」)、そして総理大臣(テレ朝系「グ・ラ・メ!」)を、豊臣秀吉(NHK「真田丸」)を演じつつ、出ずっぱりなのが小日向文世だ。
太閤殿下も亡くなり、一息つく頃かと思えば、
「いえ、10月期からは日本テレビの『ラストコップ』に。また9月10日からは、舞台『ディスグレイスト 恥辱』(世田谷パブリックシアター)で主演させて頂いています。あっ、来年2月には主演映画『サバイバルファミリー』が公開・・・」(所属事務所)
小日向が引っ張りだこになったのはキムタク主演の『HERO』(01年フジ系)以降のこと。62歳ながら売れたのは21世紀に入ってからだ。それ以前は自由劇場に在籍する舞台俳優だった。
その舞台を観ていたというのは、上智大学の碓井広義教授(メディア論)だ。
「やはり生の舞台でやってきた人ですから、これだけ出続けてもすり減らない。凄みのある悪人から、神様のようないい人、朝ドラ『まれ』で見せたエキセントリックなパティシエまで、振り幅の広さは一人の役者とは思えません。脇役が多いけれど、主役を立てつつ、印象を残せる役者だから、オファーも多いのでしょう」
「グ・ラ・メ!」では主役(剛力彩芽)を食っちゃったけど、それは仕方ないか。
(週刊新潮 2016.09.22号)