マツダが、電動格納式ルーフを採用した、リトラクタブルハードトップモデル「マツダ ロードスター RF」を、12月に発売すると発表した。
電動ハードトップのロードスターだ。いいですねえ。
それを伝える新聞記事には、マツダの小飼雅道社長の写真も掲載されていた。
小飼社長、実は松本深志高校時代の同期生(クラスは隣り)で、普段は「小飼君」と呼んでいます。
オープンカーの運転席で嬉しそうな顔をしている小飼君の写真を見て、「そういえば、マツダ車を“主人公”にした小説があったなあ」と思い出した。
伊坂幸太郎『ガソリン生活』(朝日新聞出版)である。
この小説はミステリーの佳作であり、クルマ小説の超異色作だ。何しろ、クルマ自身が語り手なのだから。
主人公はマツダのデミオ。色は鮮やかな緑だ。
仙台に暮らす大学生・望月良夫と、“灰色の脳細胞”を持つ小学生の弟・享が乗ったデミオに、有名女優の翠が勝手に乗り込んできたことから事件は始まる。
翠は不倫疑惑でマスコミに追われていたのだ。しかも良夫たちと別れてから数時間後、彼女は不倫相手と共に事故死してしまう。やがて兄弟の前に、この事故を目撃したという芸能記者が現れて・・。
クルマ同士が、「人間には聞こえない言葉で話をしている」という設定が秀逸だ。
さらに言語体系が違うのか、ハイブリッドのプリウスも電気自動車のリーフも登場しない。愛すべきアナログであるガソリン車たちのウイットに富んだ会話と、意外な物語展開が楽しめる。
ちなみに我が家のクルマ(マツダじゃないけど)もまた、ハイブリッドでも電気自動車でもない。走行距離が11万キロになる、バリバリのガソリン車だ。今日も快調に走っています。