週刊新潮で、ドラマ「黒い十人の女」最終回での若村麻由美についてコメントしました。
「黒い十人の女」最終回
”神ってる”若村麻由美 渾身の演技
最後に総てをかっさらっていったのは若村麻由美(49)だった。9月末より日テレ系深夜枠で放送した「黒い十人の女」の最終回。
市川崑監督が、妻である和田夏十の脚本で1961年に映画化した。TVプロデューサーの男(船越英二)には妻(山本富士子)がいるが、不倫相手が9人(岸惠子、宮城まり子、中村玉緒、岸田今日子……)もいる。あるとき正妻と愛人たちとで男を殺す計画に……。
“2016年版”では、夫を映画版の息子である船越英一郎が演じ、脚本はお笑い芸人のバカリズムが担当。愛人たちには水野美紀、成海璃子、トリンドル玲奈といった深夜とは思えぬ豪華な配役が話題だったが、終わってみれば正妻・若村の迫力が他を圧倒したのだ。
夫の殺害を企てたものの、それを裏切ったため愛人9人に詰め寄られる妻・若村、“ふざけるなっ! そもそも人のモノに手ぇ出してるのはどっちなんだ! 散々ウチの旦那と不倫しといてどのツラ下げて私に謝れとか言ってるのっ!”と和服姿で利かせたドスがまたいい。
上智大学の碓井広義教授(メディア論)も感心する。
「笑わせつつもジワジワと批判精神を効かせるバカリズムの脚本もよかったし、愛人たちを演じた役者も活き活きとしていましたが、最終回は若村さんのワンマンショーで、総てさらっていきました」
なにせ無名塾を経て、朝ドラでヒロインを演じ、新興宗教団体教祖の正妻(その後、夫は死去)に納まった人である。神ってた。
(週刊新潮 2016年12月15日号)