Quantcast
Channel: 碓井広義ブログ
Viewing all articles
Browse latest Browse all 5570

堤真一「左江内氏」の深夜っぽさと贅沢感

$
0
0



日刊ゲンダイに連載しているコラム「TV見るべきものは!!」。

今週は、堤真一主演「スーパーサラリーマン左江内氏」を取り上げました。


日本テレビ系「スーパーサラリーマン左江内氏」
福田ワールド全開!
堤真一主演「スーパーサラリーマン左江内氏」は、今期ドラマで最も笑える一本である。ただし誰もが笑えるかどうかは微妙。何しろ脚本・演出が「勇者ヨシヒコ」シリーズ(テレビ東京系)の福田雄一監督なのだ。あのテイストが好きな人なら、とことん楽しめる。

地味なサラリーマン・左江内(堤)が、ひょんなことからスーパーマンになった。会社ではほぼ戦力外で、家庭では鬼嫁・円子(小泉今日子)に支配されている左江内だが、遭難しかけたトレジャーボートを助けたり、遊園地の爆弾事件を解決したりと大忙しだ。

しかし、そんな活躍よりも、このドラマのキモは左江内と円子の家庭内バトルにある。特に円子に関しては、演じる小泉の愛すべきヤンキー性をフル活用すべく、藤子・F・不二雄先生の原作より強烈なキャラに変更され、バトルというより一方的な勝負。一度言い出したら誰も止められない円子と、無駄と知りつつ抵抗する左江内のやりとりが毎回、苦笑いを誘う。

さらに「勇者ヨシヒコ」から出張してきたかのような刑事役のムロツヨシ、占い師や回転寿司の店員など神出鬼没の佐藤二朗もいて、例によってマイペースで自由な芝居を繰り広げる。深夜ドラマのトンガリ感と週末ゴールデンのゼイタク感。その無理やりなハイブリッドで推進する、福田ワールド全開のドラマだ。

(日刊ゲンダイ 2017.02.22)

Viewing all articles
Browse latest Browse all 5570

Trending Articles