週刊新潮に、以下の書評を寄稿しました。
加田伶太郎 『完全犯罪 加田伶太郎全集』
創元推理文庫 1404円
加田伶太郎はミステリを愛した作家、福永武彦の別名だ。半世紀近く前に出版された一巻の全集が文庫となった。マルセイユから日本へと向かう船上で展開される「完全犯罪」談義。予告の手紙を送り、密室と化した屋敷で主を殺害したのは誰なのか。また方法は?
中野 明 『流出した日本美術の至宝』
筑摩選書 1836円
海を渡った日本古美術の名品は数多い。なぜそんなことが起きたのか。ボストン美術館のコレクションに関わったフェノロサやモース。鉄道王にして収集家のフリーア。浮世絵ディーラーだった建築家のライト。さらに海外流出を後押しした日本人たちにも言及していく。
(週刊新潮 2018年6月14日号)