日本コカ・コーラ「ジョージア」
頼りになる先輩
感嘆の裏に嘆息
連休が終わる時期に、大学1年生や新入社員が陥りがちな「5月病」。最近は新たな環境に少し慣れてきた頃に発生する、「6月病」なるものもあるそうだ。「このままやっていけるのかなあ」といった漠然とした不安から、突発的に退学届や辞表を出したりしてしまう。
そんな時、尊敬できる先輩が1人でもいたら事態は違ってくるのではないか。たとえばジョージアのCMで描かれる、広瀬アリスさんにとっての山田孝之さんみたいな存在がそれにあたる。
とはいえ山田先輩だって必死なのだ。「俺に任せて」と言った以上、弱みや隙は見せられず、“頼りになる先輩”を演じ続けなくてはならない。「ほんと、すごいなあ」という後輩の感嘆と、「ほんと、大変だなあ」という先輩の嘆息は、いわばコインの裏表だ。
結局、自分が成長するしかない。そのコツは、素直に素朴に「なぜ?」を連発すること。作家・山口瞳さんの教えだ。
(日経MJ「CM裏表」2019.05.20)