ジュゼッペ・トルナトーレ監督作品「鑑定士と顔のない依頼人」。
今年観た映画の中で、ベスト3に入るかもしれません。
天才的な審美眼を誇る美術鑑定士ヴァージル・オールドマン(ジェフリー・ラッシュ)は、資産家の両親が遺した美術品を査定してほしいという依頼を受ける。屋敷を訪ねるも依頼人の女性クレア(シルヴィア・フークス)は決して姿を現さず不信感を抱くヴァージルだったが、歴史的価値を持つ美術品の一部を見つける。その調査と共に依頼人の身辺を探る彼は……。
トルナトーレ監督といえば、「ニュー・シネマ・パラダイス」「海の上のピアニスト」「マレーナ」などが思い浮かびます。
いや、それらの作品にも負けないくらい、「鑑定士・・・」は見事な語り口なのです。
堂々のキャリアと、それなりの年齢と、偏屈さがウリの鑑定士が、謎の女性に揺さぶられていくプロセスが何ともいいんだなあ。
男と女の心理の綾。
美術品をめぐる薀蓄。
全体は、しっとりしたミステリー。
音楽は巨匠エンニオ・モリコーネ。
観終わった時、「これって、映画だよなあ〜」と、当たり前のことを口にしそうになりました(笑)。
大人にオススメの1本です。