篠原涼子、飯島直子
「ラスト・シンデレラ」急上昇
〃エロ〃はフジを救う
「セックスって、実はやる前が一番エッチなんだよねぇ…」
飯島直子(45)が情感たつぶりにつぶやけば、篠原涼子(39)は「生理が来ない!」と大騒ぎ。アラフォー世代のセックス事情をあけすけに描くラブコメディ「ラストシンデレラ」(フジ系)が異例のヒットを飛ばしている。
キャッチコピーは「ちょっととエッチな大人の恋物語」。十年間、恋人を作らず、ヒゲが生えてきたことにショックを受ける「オヤジ女」の美容師(篠原)が、年下の男(三浦春馬)との出会いを機に、恋にのめり込むラブコメディだ。
「篠原とイケメン俳優・三浦の半裸ベッドシーンをはじめ、メジャー俳優のお色気シーンが目白押し。中でも際立っているのは、飯島演じるセックス依存症気味の奔放キャラで、合コン中に男をトイレに連れ込んだりホストクラブに通ったりとやりたい放題。劇中、飯島は常に胸の谷間を強調した服を着て、大胆なベッドシーンにも挑戦しています」(スポーツ紙記者)
初回13%台だった視聴率は、その後1度も下がることなく、ジワジワ上昇。5月23日に放送された第7話は15.7%と、今期の春クールでは“月9”の「ガリレオ」(フジ系)に次ぐヒットとなった。
「7週連続の視聴率アップは民放の連ドラでは史上初の快挙。現場も予想以上のヒットに大盛り上がりで、五月半ばには急きょドラマの出演者とスタッフを集めた慰労を兼ねた祝いの席も設けられました」(同前)
上智大学教授の碓井広義氏(メディア論)が語る。
「テンポが小気味よく、笑い飛ばして観るにはうってつけ。昼ドラほどドロドロせず、かといってトレンディドラマのような恋愛の重さもない。『ちょっとエッチな』シーンも下品というほどではないので、OLやママ友が『昨日見た?』と会話のネタにできるのも人気の理由だと思います」
一方、コラムニストの今井舞氏は辛口だ。
「さすがに日本じゃ過激な『セックス・アンド・ザ・シティ』はできないから、じゃあエッチを見せるためにはどうしたらいいかという発想が見え見え。内容は空っぽというか、筋運びはさながらスマホの恋愛シミュレーションゲームです。いつも傍にいる同年代の藤木直人がいいか、それとも年下の三浦春馬がいいか。貴方はどのカレにする?みたいな擬似モテ体験に、女性の視聴者はキュンキュンしてるんでしょう」
久々のヒットに喜んでいるかと思いきやフジの社員もこう嘆くのだ。
「正直、社内でもあまり話題にする人はいませんね。視聴率の低迷に苦しんでいる中で、突出しているのがエロが売りの番組というのも情けない。しかも、今年三月に系列の東海テレビが制作した昼ドラ『幸せの時間』の過激な性描写が大問題となり、視聴者やBPOからお叱りを受けたばかり。現場は〃ちよいエロ〃ならいいという判断なのでしょうか……」
六月末、新社長に就任する予定の亀山千広氏(56)は、「一にも二にも視聴率の回復を目指す」と息巻いているが、フジを救うのはもはや〃エロ〃しかない?
(週刊文春 2013年6月6日号)