発売中の週刊プレイボーイに、「春の番組改編」に関する記事が
掲載されました。
この中で、解説しています。
どう変わる!?春のテレビ番組
4月から各局の番組表が大きく変わった。この春の番組改編がいかに大がかりだったかは、各局発表の改編率(新番組の割合)を見ると一目瞭然だ。
全日帯の改編率が最も高かったのはTBSで29・7%。その後はテレビ東京の26・7%、テレビ朝日の20・5%、フジテレビの19・8%と続いていく。特にフジテレビとTBSは、「ここ数年で最も大きな改編率」と番組編成会見で説明したほどだ。
他局が大きく動くなか、静観したのは日本テレビである。全日帯の改編率が9.7%で、プライム帯とゴールデン帯に至っては、ドラマとミニ番組以外まったく動かさない“ゼロ改編”だったのだ。
上智大学新聞学科の碓井広義教授(メディア論)はこう分析する。
「2013年度の年間視聴率において、日本テレビは全日帯で1位を獲得。ゴールデン帯とプライム帯はテレビ朝日に負けましたが、全体的なムードは悪くない。今のお客さん(視聴者)を大事にする意味でも、番組編成を変えるのは得策ではないと判断したのでしょう。それだけ自信のある番組作りができている証拠でもある」
続いて個別に各局の番組を見ていくと……話題の人物の冠番組が各局で始まっているのも、特徴のひとつ。『バイキング』『坂上忍の成長マン!!』の坂上忍のほか、「今でしょ!」でおなじみの予備校講師・林修はTBSとテレ朝で2本の冠番組がスタート。さらにジャーナリストの池上彰も、これまで「執筆活動に専念する」との理由で特番以外の出演を控えていたが、テレ朝で久々にレギュラー番組を担当する。
「子供から大人まで気軽に見られる教養バラエティは、今やテレビ局にとってキラーコンテンツなんです。特に林さんと池上さんは人気が高く、安定した視聴率が見込める。これほどありがたい人材はなかなかいないですよ」(キー局若手局員)
女性の注目株といえば、テレビ東京の大江麻理子アナだろう。『ワールドビジネスサテライト』(以下、『WBS』)で16年間メインキャスターを務めた小谷真生子(まおこ)アナの後任に選ばれたのだ。
碓井教授が話す。
「これで名実ともにテレ東のエースになったといえるでしょう。『WBS』で彼女に期待したいのは、小谷アナにはないカジュアルさ。変に“報道キャスター”という肩書にとらわれ、しかめっ面でニュースを読むようだと、魅力が半減してしまいます。看板の報道番組だからって萎縮せず、伸び伸びとやってほしいですね」
一時代を築いた小谷アナの降板もそうだが、今回の改編で『笑っていいとも!』(フジテレビ系)や『朝ズバッ!』『はなまるマーケット』(ともにTBS系)などの長寿番組が幕を下ろした。テレビ業界にとって2014年は、ターニングポイントになった年として歴史に残るはずだ。 (取材・文/高篠友一)
(週刊プレイボーイ 2014.04.14号)