9日午後に行われた小保方さんの会見。
毎日新聞夕刊の記事は、時間的に、まだ会見前の段階で書かれたものです。
この中で、コメントしています。
小保方氏 反論へ
STAP細胞論文問題 午後会見
新たな万能細胞「STAP細胞」の論文に不正があるとされた問題で、理化学研究所の小保方(おぼかた)晴子・研究ユニットリーダー(30)が9日午後から記者会見し、「改ざん・捏造(ねつぞう)」と結論づけた理研調査委員会に反論する。
「清水の舞台から飛び降りるような気持ちだけど頑張ります」。小保方氏はこの日午前、代理人の弁護士に記者会見への決意をこう語った。会見直前には「私の不注意でご迷惑をかけたが、STAP現象は何度も確認された真実」とする文書を公表した。
小保方氏が公の場に出るのは今年1月末に神戸市の理研発生・再生科学総合研究センター(CDB)でSTAP細胞の作製成功を発表して以来、初めて。
小保方氏は早稲田大大学院生だった2008年から米ハーバード大のチャールズ・バカンティ教授の研究室でSTAP細胞の研究を始めた。
彗星(すいせい)のごとく現れたのは作製成功の記者会見の時。30歳という若さと「祖母のかっぽう着」「研究室にはムーミンキャラクター」などで一気にヒロインとなった。
碓井広義・上智大教授(メディア論)は「固定観念を破る意外性があった。論文を何度も突き返されたというエピソードにも物語性があり、社会の注目を引きつける要素が見事にそろっていた」と話す。
だが、2月上旬から事態は暗転する。インターネット上で、論文画像の不自然さが指摘され、「再現実験に失敗した」との報告が相次いだ。2月13日に理研が調査に乗り出し、小保方氏は調査対象者となった。理研CDBの竹市雅俊センター長は3月10日、小保方氏ら共著者3人に論文の撤回を勧めた。竹市センター長はこの時の様子を「心身ともに憔悴(しょうすい)した状態で、うなずくという感じだった」と明かしている。
弁護士によると、小保方氏は心身の不調を訴えるようになり、自ら「入院したい」と話し、7日に入院した。一方で周囲に対し「研究者をやめてもSTAP細胞だけは守りたい」などと一貫してSTAP細胞の存在を確信する発言を続けて、論文の撤回にも同意していない。
弁護士によると、理研に不服申立書を提出後の8日夜には「会見でマスコミに理解してもらえるか心配です」と語っていたが、9日朝ははっきりした口調でこう言った。「きょうは大丈夫です。ちゃんと会見に出られます」【斎藤広子、吉田卓矢】
(毎日新聞夕刊 2014年04月09日)