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週刊新潮で、「春ドラマ」について解説

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発売中の「週刊新潮」最新号に、「春ドラマ」に関する特集記事が掲載されました。

この中で、いくつかのドラマについて解説しています。

私のコメント部分だけピックアップしますので、記事全体は本誌を
ご覧ください(笑)。



特集
「月9」も恋愛を捨てた
「春ドラマ」の出来不出来
TBS系「ルーズベルト・ゲーム」は、池井戸潤氏の同名の小説が
原作で、

「唐沢寿明や江口洋介、壇れいといった豪華な顔ぶれが演じるのが魅力で、今期の注目作のひとつです」

上智大学の碓井広義教授(メディア論)は、こう期待を述べつつ、続ける。

「杏が主役の日本テレビ『花咲舞が黙ってない』の原作も池井戸作品。同じ原作者のドラマが同時期にかち合うとは情けない。二匹目のドジョウを狙って安直だとの誹りを免れないでしょう」

(中略)

また、最近は恋愛モノが低調で、今期はフジテレビ系の「続・最後から二番目の恋」が唯一だが、

「主演は小泉今日子と中井貴一の中年男女。最近の男性週刊誌は、盛んに中高年のセックスを特集していますが、そうした風潮に
合致していますね」(碓井教授)

(中略)

いわゆる“月9”も裏社会が舞台の「極悪がんぼ」になった。

碓井教授も、これまでの月9と比べての違和感を口にするのだが、その一方で、

「主役の尾野真千子が演じるのは、蓮っ葉なところがある女性で、彼女がここまでの汚れ役に挑戦するのは初めてだと思います。開き直った女性の強さを見事に演じている。それに、初回を見るかぎり展開もスピーディで、三浦友和や小林薫演じるひと癖もふた癖もありそうな登場人物が、今後どんな役割を演じるのか気になる。次も見たくなる魅力があります」

(中略)

さて、ひしめく警察モノだが、最も注目の時間帯は木曜21時。TBS系「MOZU」とテレビ朝日系の「BORDER」が、かち合っているのである。

まず、「MOZU」について、

「2年前にTBSがWOWOWと共同制作した『ダブルフェイス』の監督、それに西島秀俊と香川照之が再び顔を揃え、出色の出来です。大勢のエキストラを動員した爆破シーンも相当に迫力があって、映画のようにスケールが大きい」

と、碓井教授は高評価。

(中略)

事件、闇社会、復讐――。よくぞここまで社会の負の面に焦点を当てたドラマばかりを作るものだ、と感心ついでに、ブラック企業モノを挙げよう。

フジテレビ「ブラック・プレジデント」は、急成長を遂げたブラック企業の社長が大学に入学するという物語で、碓井教授は、

「企業とキャンパスの両方が舞台というのは、意外と今までなかった。ある程度の地位の社会人が大学に通い直すというのも、昨今の風潮を反映しています」

と面白がる。

(中略)

最後に、3月末から始まったNHK朝の連続テレビ小説「花子とアン」についても触れておきたい。

「『赤毛のアン』を日本で最初に翻訳した岡村花子という昔の知識人女性と、それを演じる吉高由里子の現代的な自由奔放さとの間に、ギャップがあるようにも思えますが、吉高が演じきるならば、それはそれで面白い。また、ベルリン国際映画祭の最優秀女優賞を受賞した黒木華も、気になる存在ですね」(碓井教授)

なんだかんだ言って、見逃すと筋がわからなくなる朝ドラのほうが視聴率は高く、「花子とアン」も2週目が平均21.5%と、「ごちそうさん」を上回った。結局、ドラマに内容が伴えば、視聴者の“こらえ症”も戻る、ということか。

(週刊新潮 2014.04.24号)



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